日記まだ何も誌さず、今年こそ、希望あふれる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 新年を迎えると思い出す句がある。<何もなき床に置きけり福寿草>。高浜虚子の作だ。鮮やかな黄色の花は潔く、何とも言えぬ存在感がある

 30年前に初めて仙台での正月を過ごし、そんな光景に出合った。友人宅で地元風の雑煮をごちそうになった時のこと。焼きハゼでだしを取ることを知り、雑煮談議に花を咲かせながら床の間に目をやると、鉢植えがあった  

 日差しを浴び、まぶしく輝く。「元日草」の異名を持つだけに、ハレの日によく似合う。名前もめでたい。福寿草と南天の実を組み合わせ、「難を転じて福となす」ことを意味する飾り付けもある

 もっともこの時季は大半がハウス栽培らしい。開花は本来もう少し遅く、旧暦の正月ごろから始まる。元日草の名の由来だとか。新春の景物となったのは江戸時代の前期と言われる  

 学生時代を仙台で過ごした俳人にこんな名句もある。<福寿草家族のごとくかたまれり>(福田蓼汀)。寄せ植えの花に、つましくも温かく支え合う家族の姿を重ねた。家庭での殺伐とした出来事が相次ぐ昨今。そんな絆がなおさら大切に思える

 もう一つ、新年にちなんだ句を。作者は奥州市の出身。<日記まだ何も誌(しる)さず福寿草>(遠藤梧逸)。今年こそ、多くの人の日記に希望あふれる記述が増えることを信じたい。

 河北春秋 河北新報 2011年1月1日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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読書の楽しみ方「自炊」本や雑誌を電子書籍化・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 若いころ買い集めたLPレコードの中には結構お宝が多い。メーカーが後にCD化した音盤も一部あるものの、大半は今は入手できない珍しいものだ

 最近はLPを簡単にパソコンに取り込めるプレーヤーがあり、CDや携帯音楽プレーヤーに移し替えることもできる。保存性、操作の手軽さなどが格段に高まり、古い愛聴盤も楽しみやすくなった  

 「電子書籍元年」と呼ばれる今年、読書好きの間で同じような現象が起きている。「自炊」がブームになってきた。もちろん、食事を自分で作ることではない。本や雑誌を電子書籍化することだ

 背表紙を切り取ってページごとにバラバラにし、スキャナーで読み取る。比較的安価で使いやすい専用の機器も次々と売り出された。自分でデータを吸い出す「自吸い」が語源ともいわれる  

 電子化すれば携帯しやすい上、保管する場所を取らずに済む。思い入れが強く実物で残しておきたい本はそのままにし、それ以外を自炊したり古書店に売ったりと仕分けする人が多いらしい

 問題もある。台頭し始めた自炊代行ビジネスが著作権法に違反するとの指摘がある。他人に譲り渡すこともできないので注意が必要だ。電子書籍が本格普及するまでの過渡期の産物との見方もあるが、読書の楽しみ方を広げたのは間違いない。

 河北春秋 河北新報 2010年10月30日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「食べることは食材の命を頂くこと」野菜も人も透明がいい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 青菜をゆがく時、心に浮かぶフレーズがある。「野菜も人も透明がいい」。弘前市の岩木山のふもとに安らぎの家「森のイスキア」を開設する佐藤初女さん(89)の言葉だ

 悩みを抱える人を迎え入れ、手料理を共に食べ、苦しみにひたすら耳を傾ける。そんな活動を続けて30年近く。「食べることは食材の命を頂くこと」という信念から発したつぶやきだ  

 野菜の緑が湯の中で美しさを増し、茎が透き通って見える瞬間がある。この一瞬を見逃さずに火を止めること。透明になる時が、野菜の命をわたしたちの命に移し替えるころ合いなのだという

 生きる力をくれる野菜たちが、異常気象に翻弄(ほんろう)されている。この夏の猛暑による生育不良や品質劣化の影響が今月半ばまで尾を引いた。ひところは平年の4~8割高という値上がりに驚かされた  

 春にも天候不順で高騰したことを思い出す。キャベツやネギは2倍以上に跳ね上がった。初夏のころも低温や日照不足で品薄状態が続いた。今年は野菜受難がとりわけ深刻だ。自然の営みが自然に巡ることのありがたさを思い知る

 自然の恵みに感謝して暮らす初女さんの教えがまた浮かんだ。「限られた食材でも工夫次第。その命を生かそうと思えば慈しむように丁寧に調理するでしょ。すると絶対おいしくなるんですよ」

 河北春秋 河北新報 2010年10月19日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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4年ぶりの最下位。結果を伴わなければ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 きのう今季の戦いを終えた東北楽天。マーティー・ブラウン監督の解任が決まった。4年ぶりの最下位。去年は2位に躍進し、ファンの期待も膨らんでいた。やむを得ない結末か

 ブラウン流の限界はパ・リーグで優勝したソフトバンクと比べると一目瞭然(りょうぜん)だ。ソフトバンクは一つ先の塁に走者をどう進めるかとの意識が徹底していた。リーグ断トツの盗塁数。堅実な送りバント。使い分けが絶妙だった  

 盗塁も送りバントもはるかに少なかった楽天。ヒットエンドランを多用しては好機をつぶした。積極策は当たれば面白い。だが、チームの力量を考えれば勝つための野球からは程遠かった

 チームの一体感を何より重視したブラウンさん。野村克也前監督時代より選手との対話はぐんと増えたという。逆に緊張感の欠如を指摘する声があった。若手の育成でも期待に応えられなかった  

 休養日の導入や先発投手の中4日登板など米大リーグ式のやり方も、ファンの強い支持を得られなかった。ベース投げなど熱血漢ぶりは発揮したものの、結果を伴わなければむなしさが残る

 来季は新監督の下で再出発することになるが、中継ぎ、抑えの不足など、解決すべき課題は山積している。チームの在り方を抜本的に見直し、今度こそ誰もが納得できる戦いを見せてほしい。

 河北春秋 河北新報 2010年9月30日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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国際都市への環境づくり「共感し合う」日常、地道に耕す・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 学校の授業に付いていけない。友達の輪に入れない。言葉の壁に悩む子どもの日本語と教科学習を支援する「外国人の子ども・サポートの会」が仙台市内で活動を始めて5年になる

 小中高校生の勉強をマンツーマンで手伝うほか、教材作りにも工夫を凝らす。「教えるというより、寄り添うというのがわたしたちのあり方」と代表の田所希衣子さんは話す  

 必要なのは特別な技能ではなく、共感し合うこと。隣のおばさん、おじさんが見守るような感覚を大事にしているという。「二つの文化を知る子たちの価値観に、むしろ教えられることがいっぱい。外国籍市民がくれる視点をどう受け止めるかが大切だと思います」

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合が仙台で始まった。25、26日の高級事務レベル会合まで、21の国・地域が集う本格的な国際会議が続く。市民が世界に目を向ける貴重な機会だ  

 ただ、国際都市への環境づくりはいっとき限りでなく日常、地道に耕すものに違いない。APECの国々から来て仙台に住む人だけでも中国、韓国を主に約8600人。足元を見回すことから始めたい

 ご近所の外国籍市民とどう付き合うか。外国人にも住みやすいまちであるため何ができるか。田所さんたちのように、鍵は「共感し合う」感覚だろう。

 河北春秋 河北新報 2010年9月16日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「民由合併」今度は党分裂の危機をはらむ選択肢として顔を並べる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 時計の針は逆戻りしない、ということなのだろう。呪文(じゅもん)のように「挙党態勢」の掛け声が繰り返された。争いをやめ、トロイカ体制を復活させる案も示された。けれど、いまさら矛を収め、旧態に戻ることにはならなかった

 民主党の代表選が、きょう告示される。紆余(うよ)曲折を経て、結局は菅直人首相と小沢一郎前幹事長が全面対決する見通しだ。国民不在の権力争い、数合わせに密室談合。醜いものをうんざりするほど見せられた揚げ句である  

 この2人のツーショット写真といえば、印象深いのは7年前の9月の1枚だ。「民由合併」の見出しとともに民主党代表、自由党党首として握手する満面の笑みが並んでいる

 合併で新しい民主党を誕生させた時の「顔」であった菅さんと小沢さん。あの時に目標とした政権交代をちょうど1年前に果たし、今度は党分裂の危機をはらむ選択肢として顔を並べるとは因縁めいている  

 かくなる上は、共に国民の方を向いて、きっちりと自らの政策を伝え、丁寧に議論を尽くしてほしい。代表選はその絶好の機会だ。政治とカネについても十分な説明を聞きたい

 代表選にまつわる不協和音をこのままにしては、国民の心は離れるばかりだ。政権交代の実現に国民が何を期待したのか。もっと敏感でなければ党の再生は危うい。

 河北春秋 河北新報 2010年9月1日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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一枚岩になれない、内輪のごたごたばかりで日本の将来像がまったく見えない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 和歌山県の南部を流れる古座川は、おととし環境省が選定した「平成の名水百選」の一つだ。カヌー下りが盛んだという清流の流域には奇岩が多い

 虫喰(むしくい)岩、牡丹(ぼたん)岩、飯盛岩、天柱岩…。さまざまに名付けられた岩がある中で、最も有名なのが一枚岩。高さ100メートル、幅500メートルという巨岩は国の天然記念物に指定され、観光名所になっているそうだ  

 一枚岩という言葉はよく使われるけれど、実物の一枚岩もあることをネットの観光案内サイトで知った。岩が大好物という魔物が食いつこうとしたが、犬に襲いかかられて退散。魔物の歯形が岩の中央に残る―。そんな伝説もあるという

 一枚岩になれない民主党。「菅直人首相に挙党態勢の構築を求めたが、受け入れる姿勢がなかったから」という理由で、小沢一郎前幹事長が9月の代表選への出馬を表明した  

 首相支持の考えを示していたはずの鳩山由紀夫前首相は一転、小沢さんを支援するという。国民の声と懸け離れた「下世話な政局話」が渦巻く政界。国民の失望は増す一方だ

 急激な円高株安も、暮らしの課題もほったらかしたまま。不安が募る。「内輪のごたごたばかりで日本の将来像がまったく見えない」。街でそんな悲鳴をたくさん聞いた。古座川の一枚岩のようにどっしりと落ち着いた政治が欲しい。

 河北春秋 河北新報 2010年8月27日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「甲子園には魔物がすんでいます」想像もつかないプレーを生み、劇的な結末をもたらす・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 作家伊坂幸太郎さんの連作短編集『終末のフール』の表題作に手製の弓矢を手にした少年が出てくる。目指すは甲子園球場。高校野球のテレビ中継で「甲子園には魔物がすんでいます」と言うのを聞いて、退治に行こうとする

 家族の再生が描かれる物語の中で、後に若くして自ら命を絶つことになる少年が、純粋で、愚直な正義感を持っていたことを表す印象的な挿話として登場する  

 確かに、甲子園には魔物がいるとよく言われる。夏の高校野球では勝利を目前にしながら、信じられないプレーが起きたことが何度もあった。1979年の第61回大会3回戦、箕島―星稜戦は最たるものだ

 星稜は延長16回に勝ち越したが、その裏2死、ファウルフライをまさかの落球。命拾いした箕島は本塁打で追い付き、18回にサヨナラ勝ちした。高校野球史上屈指の名勝負と語り継がれている  

 球児たちのあきらめない姿勢や大舞台特有の雰囲気からくる緊張感が、想像もつかないプレーを生み、劇的な結末をもたらすのだろう。それは誰のせいでもなく、魔物の仕業としか言いようがない

 熱戦を繰り広げている今大会も、仙台育英―開星戦などには魔物の影がちらついた。願わくば、郷土の代表や母校の試合では相手に肩入れせず、静かに見守ってもらいたいものだ。

 河北春秋 河北新報 2010年8月14日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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夏野菜の代表格「なす」暑さ対策に食卓で活用したい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 炎天下、通り掛かった菜園のなす紺がまぶしい。つややかなナスの実の生気に、飯田蛇笏の句が浮かんだ。<採る茄子(なす)の手籠(かご)にきゆァとなきにけり>

 ナスはインド原産で元来、高温多湿を好む植物なのだという。日本には7~8世紀に伝わったとされる古い野菜だ。「夏の実」が転じて「なすび」。それが名前の由来との説もある。まさに夏野菜の代表格  

 地域性が強く、個性多彩な野菜でもある。世界を見渡せば白、緑、黄色、オレンジ、しま模様…とカラフルで形もさまざまだ。東北にも仙台長、民田、窪田、会津丸など土地が育てた在来種が多く、地方色が近ごろ見直されてもいる

 昔からナスは高血圧やのぼせ性にいいと言われている。体を冷やす作用があるからだそうだ。自然の恵みで身の内から冷やせるなら、  

 食べ物には旬に食べるからこそ発揮される力がある。身近な土地で採れた食べ物は体の健康とつながっている。荒々しい猛暑にへきえきする夏だけに、「身土不二」の考え方にうなずかされる

 時には目先を変えた料理もいい。世界一のナス好きを自任する中東諸国では焼きナスをつぶしてヨーグルトなどを混ぜ、ペーストにして食べるのだとか。エッセイスト玉村豊男さんの著書に教えられて、試してみたくなった。

 河北春秋 河北新報 2010年8月13日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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油断大敵「ガス欠」高速道もガソリンスタンドの数が減り、営業時間が短くなる傾向・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 車の燃料が少なくなり警告灯が点灯すると、妙に心細くなる。少しぐらいなら走れるガソリンが残っているのは分かっていても、やはり気になる。高速道路ならなおさらだ

 「サービスエリア(SA)に着けばガソリンスタンドがあるだろう」などと思っていると、痛い目に遭う。大動脈の東北道だって、北に向かうと、24時間営業のスタンドがあるのは岩手県まで  

 青森、秋田両県にあるのは花輪SA(鹿角市)1カ所。しかも上り線だけで、深夜は閉店ときている。当然、八戸道や秋田道など両県の肋骨(ろっこつ)線にはスタンド自体がない。この辺りは満タン状態で走行した方が無難だろう

 一般道と同様に高速道もガソリンスタンドの数が減り、営業時間が短くなる傾向にある。通行量が少なくて経営が成り立たないとの理由のようだが、これ以上不便になるのは困る  

 日本自動車連盟(JAF)によると、今年のゴールデンウイーク中の救援依頼で、一番多かったのはタイヤのパンク。その次がガス欠だった。文字通りの油断大敵。帰省や観光で利用される際はご注意を

 事故と違って、命の危険にさらされるわけではないが、楽しいはずの旅が台無しになる。渋滞など予知できるトラブルを引き起こしたとして、道交法違反に問われる可能性だってある。ガス欠は怖い。

 河北春秋 河北新報 2010年8月11日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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降格圏内、チームと一丸となって戦う気持ちに変わりはない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 良い試合をしても勝ち点を得られなければ意味がない。トップリーグの厳しさを嫌というほど思い知らされた。そう感じている人は多いだろう

 サッカーJ1はリーグ戦の前半戦を終えた。ベガルタ仙台は最終節で横浜F・マリノスに敗れ、3勝5分け9敗。18チーム中16位とJ2への降格圏内にとどまる。開幕当初の勢いは、残念ながら感じられない  

 猛暑が続く中、夏に弱い北国のチームのハンディを感じさせない運動量を示す。朴成鎬選手、フェルナンジーニョ選手のツートップという「J1仕様」の布陣も整った。だが、肝心な結果が出ない

 これで12試合勝利がない。ここ4試合のうち3試合は先制したにもかかわらず追いつかれ、うち2試合は最終盤に逆転負けした。心配なのは、選手が疑心暗鬼に陥ってしまわないかだ  

 手倉森誠監督の試合後のコメントもちょっと気になる。完敗したモンテディオ山形戦などでは「悔しさ」を強調していた。選手やサポーターが悔しがるのは当然とはいえ、指導者が感情を表に出しても活路は開けない

 後半戦は間をおかず14日から始まる。幸いホームでのスタートだ。山形戦などではブーイングも出たとはいえ、サポーターがチームと一丸となって戦う気持ちに変わりはない。勝ち点をきっちりと積み上げてほしい。

 河北春秋 河北新報 2010年8月10日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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減っている「さんま」予測などというものは、ちょくちょく外れるもの・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 落語の結びの文句「下げ」で最も有名なのはこれだろう。「サンマは目黒に限る」。古典落語の『目黒のさんま』。鷹(たか)狩りの際、目黒の農家で食べた塩焼きを思い出して、殿様が言う

 これに倣って言えば「サンマは三陸に限る」。理由がある。サンマの旬の中でも本当の旬は、10月上旬から11月上旬。中型から大型に成長して脂の乗りが最高になる。この時季の漁場が三陸沖だ  

 100%天然物、しかも全量が国産の魚はサンマだけとも言う。塩焼きが一番だが、保冷技術の進歩で昔は口にできなかった刺し身もいける。すしにも使える。安くてうまい秋の味覚の代表

 そのサンマに暗雲が漂う。水産庁の推計では、北西太平洋の資源量が昨年より4割近く減っている。当然、漁獲量も減り、価格も高騰しそう。現に先月から始まった北海道沖の漁では水揚げが少ない  

 原因は不明だが、サンマのいる場所が例年と少し違っているという見方がある。この猛暑で海水温が上がり、それが影響しているという意見もある。サンマも涼しい海域へ避暑に出掛けているのか

 <さんま苦いか塩つぱいか>と佐藤春夫の詩のようにこの秋、サンマは財布にほろ苦くなるか。いや待てよ。役所の予測などというものは、ちょくちょく外れるもの。サンマよ三陸沖に大挙して来い。

 河北春秋 河北新報 2010年8月7日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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決して過去になれない、核なき世界に向かう一歩と希望を紡ぎたい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 きょうは何を着ようと、ささやかなおしゃれ心を弾ませて選んだのだろうか。花柄のワンピース、水玉模様のブラウス、ピンクが鮮やかなスカート。65年前のそれぞれの朝が見えるようで、写真の中の服に目を凝らす

 写真家石内都さんの『ひろしま』は、原爆の犠牲になった人たちがその時、身に着けていた服や小物を写した作品集だ。ページを繰るたび、鮮烈なイメージが立ち上がってくる  

 あるじを失い、広島平和記念資料館に眠っていたモノたちは焼け焦げ、ぼろぼろに裂け、黒い雨に染まり、熱線に溶かされ、傷をさらけ出す。けれども切ないほど美しい。存在感に圧倒される

 「決して過去になれない世界最大級の傷跡の品物として、モノたちは在りつづける」と石内さんは書く。手縫いの針目。丹念な繕いの跡。戦争のさなかにも丁寧に営まれていた暮らしと、包んでいた一人一人の命の形を物語る  

 作品はこの夏、沖縄で展示されている。「ひろしま in OKINAWA」。展観のタイトルは、今を象徴するようだ。会場の佐喜真美術館(宜野湾市)は、あの普天間飛行場の敷地に食い込むように建つ

 きょうの広島には米英仏の代表、国連事務総長が初めて集う。核なき世界に向かう一歩と希望を紡ぎたい。それは沖縄のこれからにもつながっている。

 河北春秋 河北新報 2010年8月6日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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家族や地域のつながり、崩壊をここまで見せつけられると言葉を失う・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 高齢者と老人は違うと、タレントで放送作家の永六輔さんは著書に記す。「高齢者は数字で示せますが、老人は数字ごときでは示せない深いものです」(『ボケない知恵』)

 111歳という数字だけが生きていた東京の男性が遺体で見つかって以来、所在が確認できない高齢者が相次ぎ判明している。故意にシ亡届を出さない例は過去にもあった。今回の多くはちょっと事情が違うようだ  

 長年にわたって連絡先も分からない、消息を知ろうともしないで平気な人がいる。家族や地域のつながりが希薄になったと言われて久しいが、関係の崩壊をここまで見せつけられると言葉を失う

 厚生労働省が「長寿番付」の発表をやめたのは4年前。掲載を望まない人が増えたためだ。100歳以上の人数は公表しており昨年4万人を超えた。調査が始まった47年前は153人。急増も背景の一つなのか  

 厚労省が110歳以上の安否の確認を決めた。100歳以上の確認に乗り出す自治体も出ているが、限界はあるだろう。行政にそこまで任せなくてはいけないのかという気もする

 欧州にこんな格言がある。「年寄りが1人亡くなることは、町の図書館を一つ失うようなものだ」。数字で示せない老人の「深さ」に誰も気付かない社会になりかかっているとは思いたくない。

 河北春秋 河北新報 2010年8月5日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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クラスター弾「非人道」主要な保有国が軒並みオスロ条約に参加していない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 クラスターとは果物の「房」のこと。音楽ファンなら、まずトーン・クラスター(音の房)を思い浮かべるだろう。20世紀前半に米国の作曲家ヘンリー・カウエルが発案した

 初めは手のひらやひじを使って、ピアノの多くの鍵盤を同時に鳴らした。ほかの楽器やオーケストラのための作品でも応用され、現代作曲家たちの有力な技法となる。多くの名作を生んだ  

 同じクラスターでも、こちらは良い香りもしなければ、芸術的な感銘をもたらすこともない。不発弾が子どもを含む多くの民間人の命を奪い、傷つけ続ける。クラスター弾。「非人道」を絵に描いたような兵器だ

 その使用や製造、保有を禁止する条約(オスロ条約)が発効した。締約国に対して8年以内の廃棄などを求めている。被害者やその家族への支援義務も定めた。廃絶への一歩となると信じたい  

 ただ、大きな問題点を抱える。主要な保有国である米国やロシア、中国などが軒並み条約に参加していないことだ。軍事的有用性を盾に譲らないこれらの国々をどう取り込んでいくか

 音楽史に豊かな実りをもたらした「房」に対し、兵器の「房」は歴史上の汚点でしかない。製造をやめるのが難しいなら、せめて「使えない兵器」にしたい。条約発効が軍事大国の心理的なブレーキになればいいが。

 河北春秋 河北新報 2010年8月3日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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«目標とする国の姿を具体化する予算づくり、政策理念に基づき何を優先するか・・・ 河北春秋 八葉蓮華