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2009年2月

「ラッキードラゴン」放射能の高さに、測定機が悲鳴を上げた・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「ラッキードラゴン」は直訳すると幸福な竜。福島県立美術館で作品を見た人は初め画面から滑稽(こっけい)な印象を受けるが、背景となった事件を知って慄然(りつぜん)とする。故ベン・シャーンがテンペラで描いた

 1954年3月1日、ビキニ環礁で米国が行った水爆実験。公海上にいた静岡・焼津のマグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくした。あすで55年になる

 「ラッキー―」は福竜丸のこと。髪が抜け落ち、変色した肌をベッド上でさらしているのは半年後に死去する久保山愛吉さん。乗組員23人のうち、既に14人が亡くなった

 実験後、「白い粉」が降ってきた。そのときの様子を元冷凍士の大石又七さん(75)が書いている。「熱くもないし、においもない。なめても砂のようにジャリジャリして味もない」(『ビキニ事件の真実』)

 水揚げされたマグロは「泣く魚」と呼ばれた。放射能の高さに、測定機が悲鳴を上げたのだ。200万ドルの見舞金と「久保山さんの死因は大量輸血による肝炎」。それが米国からの回答だった

 日豪両国が音頭を取り10月、核軍縮に関する国際会議を広島で開く。北朝鮮やイランの核だけが問題なのではあるまい。元漁師らしく「俺(おれ)」という表現にこだわる大石さん。武骨な一人称で、竜ではなく人類の危機を救う運動の先頭に立つ。 

河北春秋 河北新報 2009年2月28日

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我慢我慢でやりくりしている学生、金と暇がありすぎる学生・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 小説家の村松梢風は息子たちに毎月、幾らかの金を死ぬまで送り続けた。「学問をしている者がアルバイトなどして余計なことに気を使うと、学問がコセコセしてしまう」

 慶応大教授を務めた四男で中国文学者の暎さんが書いている。学生時代ばかりか、結婚して一家を構えてからも、仕送りの恩恵に浴したらしい。少々ねたましいような、親としては見習いたいような

 全国大学生協連が先日、学生の暮らしぶり調査をまとめた。自宅外から通う学生の仕送りは7万8000円弱で、これは23年前の水準だという。学生の21%はわずかに5万円未満。仕送りゼロも8%いた

 親の厳しい経済状況のしわ寄せが子供に来ている。仕方なく大学生は食費を切り詰めるなど、我慢我慢でやりくりしているという。アルバイトなしに生活できないようでは、勉強どころではない

 GDPに占める教育関連の支出を見よう。先進28カ国の中で日本は、驚くなかれ、何と最低だ。従ってその分、親の個人的な負担が非常に重い。少子化が進まざるを得ない最大の原因はこれ

 世界には大学まで教育費が無料の国もある。村松梢風のような慈父の情の片鱗(へんりん)でもいいから国は持てないものか。もっとも、金と暇がありすぎて大麻に手を出すような学生になられちゃ、かなわないが。

河北春秋 河北新報 2009年2月27日

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「強いアメリカ」を象徴する米国の国鳥「ワシ」日米首脳会談・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「トランジスタのセールスマンが来た」。1962年、池田勇人首相が訪仏した際、ドゴール大統領はこう揶揄(やゆ)した。首脳会談は時の両国の力関係を映す

 所得倍増計画に邁進(まいしん)していた池田さんは、それでも恵まれていた。麻生太郎首相がホワイトハウスを訪問した。世界同時不況とあっては、池田さんと同じしわがれ声の麻生さんもオバマ大統領も、軽口をたたく余裕などない

 オバマさんが初の首脳会談の相手として招待した。支持率が10%台に低迷する中、麻生さんは外交で得点を稼ぎたいところ。オバマさんとの握手は文字通り、救いの手か

 だが、そうは問屋が卸さない。アフガニスタン戦略では積極的な役割を求められた。米国債の買い増し要請も避けられまい。「経済で世界1位と2位の日米」という麻生さんの自負は自縄自縛と隣り合わせ

 恒例のプレゼント交換。麻生さんは、大統領と同じ発音で有名になった福井県小浜市の民芸品のはしを贈った。オバマさんからは、サイン入りのワシの置物が返ってきた

 「ハシ」は民生そのものだろう。一方の「ワシ」は米国の国鳥。武力を含めた「強いアメリカ」を象徴する。かつてテロ撲滅作戦を「高貴なワシ」と名付けた米国。「日本重視」という甘言に舞い上がる前に、その中身を問うべき同盟関係である。

河北春秋 河北新報 2009年2月26日

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「医者でなく財布がとめる酒煙草」遠い将来より明日のほうが心配・・・  河北春秋 八葉蓮華

 川柳といえば第一生命のサラリーマン川柳が人気だが、こちらもなかなか。今年が5回目のオリックス主催のマネー川柳。15万句が寄せられたそうだ

 優秀作にノミネートされた100句の中にこんな句があった。<かじられた年金長寿で取り戻す>。保険料を納めたって、どれほど戻るのか怪しい。モトを取る確実な方法は長生き。作者は20代男性

 とは言っても、低い年金に頼って長寿を生きるのは厳しいものがある。厚労省が一昨日まとめた厚生年金の将来試算によると、最悪の場合、現役世代の平均収入の43%まで低下するとの結果が出た

 この種の将来推計は大概、もっと悪い方向にぶれる。年金がさらに低額になるとすれば…。<医者でなく財布がとめる酒煙草(たばこ)>。ぜいたくはもちろん、生活費は切りつめて、酒もたばこもやめよう

 <心配は老後じゃなくて半年後>。切実な句の作者は30代。遠い将来より明日のほうが心配だ。<寅さんのように諭吉は居なくなる>。映画「男はつらいよ」の寅さんだったら必ず戻って来るが

 最優秀作を決めるネット投票を27日まで受け付けている。ちなみに昨年の大賞は<社保庁は未納者だけを覚えてる>。今回は金融危機や株安、不況をテーマにした作品が多い。ニヤリとさせる川柳にも、ほろ苦さが漂う。

河北春秋 河北新報 2009年2月25日

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「オスカー」庶民のつましいけれど、気高い生き方・・・  河北春秋 八葉蓮華

 アカデミー賞受賞者に贈られる小像は「オスカー」の愛称で呼ばれる。事務局で働く女性職員が「おじさんのオスカーにそっくり」と言ったことに由来する(川本三郎著『アカデミー賞』)

 映画にかかわる者なら1度は夢見る黄金の像。高さ34センチ、重さ3.9キロ。剣を持つ裸の男がフィルムのリールの上に立つ。2部門で、日本映画が見事、栄冠を射止めた 

 レッドカーペットが例年よりまぶしく見えた。それもそのはず、外国語映画賞を受賞した『おくりびと』は約40日間、山形県庄内地方で撮影が行われた。旧割烹(かっぽう)や銭湯などが四季の移ろいとともに映し出される

 チェロ奏者の道を断念し、帰郷して遺体をひつぎに納める「納棺師」の仕事に就いた男の物語。風土がはぐくんできた死者に対する畏敬(いけい)の念が、納棺という儀式の陰影を豊かなものにしていく 

 5年前に同賞の候補作となった『たそがれ清兵衛』も、藤沢周平(鶴岡市出身)原作だった。いずれも無名の「おじさん」ら庶民のつましいけれど、気高い生き方が珠玉の名作を生む土壌になっている

 『おくりびと』の脚本を手掛けた小山薫堂さんは4月から、東北芸術工科大で教壇に立つ。「映画の都」は米国同様、日本にも。オスカーに「ご当地賞」があるとしたら、山形県こそふさわしい。

河北春秋 河北新報 2009年2月24日

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「かっけ」患者がいなかった英海軍を見習い、洋食を導入・・・  河北春秋 八葉蓮華

 挽肉(ひきにく)ヲ混ジ(中略)、1個20匁(もんめ)位ニ丸メ、之ヲ「マーシ・ポテート」ニテ包ミ、楕円(だえん)形ニ作リ、「カツレツ」ト同ジ方法ニ依(よ)リ…。大正時代に編さんされた旧日本海軍の教科書に登場するコロッケのレシピだ

 戦争は科学だけでなく、食文化も発展させる。明治時代、かっけに悩む旧海軍は患者がいなかった英海軍を見習い、洋食を導入したらしい。コロッケもいち早く取り入れられたメニューの一つ。青森県むつ市大湊はその誕生の地という 

 地元では今、「大湊海軍コロッケ」として再現され、まちおこしに一役買っている。揚げ油が旧海軍と同様にヘット(牛脂)で、食材に地場産品が使われていることなどが認定条件だ

 ビーフコロッケを食べてみた。キツネ色の衣と、香ばしいにおいが食欲を誘う。サクッとした歯触りで、ジャガイモの上品な甘みが口の中に広がった 

 具材は牛肉以外にも豚肉、イカ、ホタテ、リンゴなど計25店が独自のアイデアを競っている。味付けも洋風、インド風、和風とさまざま

 肉じゃが(京都府舞鶴市)、海軍カレー(神奈川県横須賀市)、ビーフシチュー(長崎県佐世保市)―。全国各地で「海軍グルメ」が花盛りだ。「日本は侵略国家ではなかった」などという勇ましい“ラッパ”よりも、よほど地域の元気の源になっている。

河北春秋 河北新報 2009年2月23日

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人や地域から切り離されたお金が暴走する社会・・・  河北春秋 八葉蓮華

 作家の故ミヒャエル・エンデは晩年、通貨について思索を深めた。「パン屋でパンを買うお金と、株式取引所で扱われるお金は種類が異なる」(『エンデの遺言』NHK出版)

 片や労働や物の価値を正しく反映する通貨。もう一方は利が利を生む商品としてのマネー。ウォール街発の金融危機が、庶民の生活を脅かす。経済のグローバル化とは、後者が前者をのみ込む図 

 では、パンを買うお金をどうやって守るのか。大恐慌下の1932年、オーストリアのベルグルという田舎町で独自の自由通貨が発行された。「労働証明書」という

 持ち続けていると減価する、いわばマイナス利子通貨。エンデが高く評価するシルビオ・ゲゼルというドイツ人経済学者が提唱した。紙券は猛烈なスピードで流通し失業は解消、商店も息を吹き返した 

 一つの仮説が成り立つ。経済を立て直す鍵が地域にあると。市町村限定の商品券などを発行、地域経済を下支えしようという動きが広がる。定額給付金にしても「地方分権」すれば、効果が上がろう

 児童文学『モモ』で「時間泥棒」に翻弄(ほんろう)される現代人の愚かさを描いたように、エンデは人や地域から切り離されたお金が暴走する社会を透視していたのではないか。経済生活の理想を「友愛」に置くエンデの志操は色あせない。

河北春秋 河北新報 2009年2月22日

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「盗んだ物は返せ」略奪文化財の返還要求・・・  河北春秋 八葉蓮華

 中国がカンカンに怒っているそうだ。150年前、英仏軍が破壊の限りを尽くした清朝の円明園。そこにあった動物像がパリで競売にかけられることに対してだ。「盗んだ物は返せ」というわけだ

 怒り心頭に発するのは当然だろう。雍正帝と乾隆帝が造営し、庭園や建築物は壮麗を極めたという名園。それがアロー戦争で財宝は盗まれ、建物は放火され、廃虚と化した。動物像もその時に奪われた 

 欧米の美術館や博物館の展示の目玉に、古代ギリシャやエジプトの彫刻や出土品がある。正当に売買された物もあるが、多数の戦利品などが交じっている。元の所有国との間にあつれきが絶えない

 エジプトやトルコ、ギリシャ、ナイジェリアなどが、文化財の返還要求を出している。対して現在の所有国は「国際的な美術館は世界の共有財産だ」として返還に応じる気はない。らちが明かない 

 アジアの近現代史は欧米による略奪の歴史でもある。破壊された円明園は戦乱の記憶として、中国当局が復元する計画を明らかにした。略奪文化財の回収にも重点的に取り組む

 競売に付されるのは十二支像のうちの二つ。予想落札額は27億円。中国としては、さっと落札して世界に冠たる経済力と、大人君子の風格をフランスに見せつけるのも手ではある。競売は来週。

河北春秋 河北新報 2009年2月21日

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「エキマエ・エキナカ保育園」子育て支援施設の増設に力を注ぎたい・・・  河北春秋 八葉蓮華

 今年は東急電鉄の創業者五島慶太の没後50年に当たる。強引な企業買収の手法から「強盗慶太」の異名を取ったが、単なる鉄道事業者にとどまらない多彩な顔を持つ

 駅前百貨店の開業から田園都市の開発まで、沿線価値を最大限に高める経営手法は五島が嚆矢(こうし)とされる。「教育事業に興味がある」(『私の履歴書』日本経済新聞社)と語り、人を育てることも守備範囲に加えた 

 慶応大日吉キャンパスは五島が土地を無償提供しなければ、日の目を見なかった。私財を投じて東横商業女学校も設立。笈(きゅう)を負って長野から上京、苦学した経験がそうさせた

 「子育て支援施設の増設に力を注ぎたい」。JR東日本の冨田哲郎副社長が広報誌「EAST」2月号で、言っている。念頭にあるのは現在21カ所ある駅型保育園。2010年度までに倍増させる計画という 

 今のところ埼京線沿線など首都圏中心の展開だが、地方では唯一、仙台駅に隣接して「マザーズ・エスパル保育園」が02年に開園している。通勤エリアが外延化している仙台圏だけに、居住地の最寄り駅にあってもいい

 市区町村で待機児童数ワーストワンの仙台市には耳寄りな話。「エキマエ・エキナカ保育園」が増えれば保護者も大助かりだろう。五島なら、仙台市地下鉄沿線でも考えたのでは?

河北春秋 河北新報 2009年2月20日

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夜遅くまでタフなスケジュール、聞き取りやすく話す会見・・・  河北春秋 八葉蓮華

 「喫煙だけは許しません」。16年前、ホワイトハウス入りするや、全館禁煙にしたのは大統領夫人だったヒラリーさん。当時の新聞は“女主人ヒラリー”と伝えている

 現代的なファーストレディーの一典型とされた。葉巻好きの夫ビルが顔色なしの活躍ぶり。政治信条だった国民皆保険を実現しようと、200人もの専門家を集めて法案を作成し、自ら議会に売り込んだ 

 しかしそこは結構、保守的なアメリカ。「越権行為だ」などと議会でたたかれ廃案にされてしまった。ただしホワイトハウスの禁煙ルールは廃案にならず、今はオバマさんがそれに苦しんでいるとか

 国務長官として来日したヒラリーさん。明治神宮参拝に始まって、会談、昼食会、記者会見、拉致家族との面会、皇后陛下のお茶会、東大で対話集会―など夜遅くまでタフにスケジュールをこなした 

 ろれつの回らないどこかの前大臣と違って、英会話の教材のようにきれいな発音で会見に応じていたのが印象的だ。米国での演説よりもゆっくりと、単語を区切るように、聞き取りやすく話す心遣いも

 家族会との面会は対北朝鮮政策に何らかの変化がある兆しだろうか。北はどう受け止めたろう。何しろ肝心の日本政府がこの体たらく。今はヒラリーさんの行動力にかすかでも希望をつなぎたい。

河北春秋 河北新報 2009年2月19日

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国際舞台「振る舞い」イスラエルの文学賞授賞式で、ガザ攻撃を批判・・・  河北春秋 八葉蓮華

 父子で禁酒を誓ったものの、父親は息子の留守中に禁を破ってしまう。息子はといえば、これまた外出先で痛飲しご帰館。双方、ばつが悪いったらない

 父親が息子を諭す。「お前は七つも八つも顔がある。化け物みたい。そんなやつに財産は渡せねえ」。息子は息子で「こんなグルグル回る家は、もらっても仕方ない」とやり返す 

 落語『親子酒』は酒好きの生態を面白おかしく描く。酩酊(めいてい)状態で交わされる下げの会話は何ともユーモラス。中川昭一財務相もG7後の記者会見で一人の顔が複数に見え、グルグル回っていたに違いない

 ろれつが回らず、質問した記者の位置も分からなかった。本人は深酒を否定し、風邪薬のせいにした。その言を信じたいが、公的場所での前後不覚とあって醜態極まった 

 外国メディアは「刺激が足りないなら、イタリア伝統のエスプレッソを」と皮肉った。それなのに、帰国後も予算成立にめどが付くまで辞めないと表明するなど、千鳥足が続いた

 国際舞台での振る舞いで対照的だったのは作家の村上春樹さん。イスラエルの文学賞授賞式で、同国のガザ攻撃を批判した。無頼が許される文学者が高邁(こうまい)な理想を語っているというのに、世界不況に立ち向かうべき閣僚が朦朧(もうろう)に沈む。レベルの低い辞任劇に、こちらの目もくらむ。

河北春秋 河北新報 2009年2月18日

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「あの金で何が買えたか」この国には何でもある。だが、希望だけがない・・・  河北春秋 八葉蓮華

 作家の村上龍さんが絵本『あの金で何が買えたか』を書いたのは10年ほど前。金融機関の救済に投入された巨額の税金で、ほかのどんなことができたかを軽い筆致で検証した

 米国も昨年、公的資金による救済を選択した。銀行大手と合併した証券のメリルリンチもその一つだが、「あの金で何が」と思いを巡らせるいとまもなく米国民の怒りに油を注ぐ話が持ち上がっている 

 公的資金投入を受けて合併する直前の12月のボーナスが半端じゃなかった。幹部社員700人に平均100万ドル(約9000万円)を支給、最高幹部4人にいたっては1億2000万ドル、100億円を超えたという

 この金で何かできないか。時を経てこの国でそう問い掛けてくるのが定額給付金。強行するほどの話かと小泉純一郎元首相が一席ぶって波紋が広がったものの、麻生太郎首相が思い直すまでの効果はなさそうだ 

 総額2兆円。世論調査はおしなべて反対論が上回る。受け取りを拒否するゆとりも麻生さんの言う矜持(きょうじ)も持ち合わせないが、これだけあれば何かできるはず。読み取れるのはそんな声だ

 「この国には何でもある。だが、希望だけがない」。村上さんの小説『希望の国のエクソダス』で登場人物がそう言う。「この金で何か」という多くの人の思いが、希望の芽になればいいのだが。

河北春秋 河北新報 2009年2月17日

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「美しいジャンプ」挑戦しようとする気持ちからは勇気が伝わってくる・・・  河北春秋 八葉蓮華

 宮城県で多くのスケート選手を育ててきた仙台市の勝山スケーティングクラブが、4月でリンクを閉鎖することになった。かつてここで見た美しい演技を思い出す

 1984年サラエボ、88年カルガリー両冬季五輪のフィギュア女子シングルを制したカタリナ・ビット選手(当時東ドイツ)の模範演技。あくまでも、あでやかだった 

 その女王と対照的な存在だったのが伊藤みどり選手だろう。カルガリーでは豪快に3回転ジャンプを連発してノーミスのフリー演技。続くアルベールビル大会のフリーでは、途中のジャンプに失敗しながらもくじけず最後にトリプルアクセルを決め、見る人を驚嘆させた

 リンクのフェンスを越えて観客席に飛び込んでいくかと思わせるほど、高さを誇ったジャンプ。台風、津波などと形容された。それに比べると浅田真央、安藤美姫両選手ら現代のスケーターたちは、とてもスマートに跳ぶように見える 

 もっとも、ジャンプは簡単にできる代物ではない。先日の四大陸選手権では浅田選手も苦しんでいた。助走スピード、ジャンプのタイミング、回転力などがぴったり合ってこそ成功するのだろう

 そして何より必要なのは、けがや失敗を恐れず跳ぶことに挑戦しようとする気持ち。美しいジャンプからは勇気が伝わってくる。

河北春秋 河北新報 2009年2月16日

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「思い出のチカラ」ふと立ち止まって来た道を振り返れば、今、立つ位置が見えてくる・・・  河北春秋 八葉蓮華

 1枚のモノクロ写真がある。秋の山里だろうか、水車小屋に向かって、野良着姿の老人が孫の手を取り歩いている。そこに写っているのは自分ではないのに、なぜか見たことのある風景のように思う

 遠野市立博物館で「思い出のチカラ~認知症と回想法」と題した特別展が開かれている。展示は写真のほかに、はんてん、けん玉、教科書…。「とことん懐かしさに浸ってください」と学芸員

 回想法は1960年代に米国の精神科医が始めた。昔を思い出す「語り部」に耳を傾ける真剣な聞き手が必要で、介護予防の観点から日本でも高齢者に対するセラピーとして広がりを見せている

 自分は一体どこから来て、どこへ行くのか。高齢者のみならず人は皆、漠然と考えることがあるのではないか。ふと立ち止まって来た道を振り返れば、今、立つ位置が見えてくるかもしれない 

 日本を含む世界が不況という名の病巣を抱えている。過去は成功と失敗の繰り返しであり、現在を導いた。投機マネーを野放しにしたことなどの反省は、きっとより良い未来へつながるだろう

 遠野は民話の里である。語り部が遠い遠い昔の話を聞かせてくれる。田畑は山々に抱かれ、小川が流れ、どこか忘れてはいけない風景にも見える。「思い出のチカラ」展は5月末まで開かれている。

河北春秋 河北新報 2009年2月15日

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母屋でおかゆをすすっているのに離れですき焼きを食っている・・・  河北春秋 八葉蓮華

 “塩じい”こと塩川正十郎さんが財務相だった6年前の2月の国会答弁に「母屋でおかゆをすすっているのに離れですき焼きを食っている」がある。国の一般会計と特別会計を例えた

 これで国民の多くが「特会って潤沢なんだな」と気付いた。なかなかの名言だ。ただし表現がちょっと不正確。「離れ」どころか母屋の2倍もある豪華な別邸だ。特会の総額は一般会計の2倍ほどある 

 その別邸には使わないお金がたくさんある。昨日の本紙は「特会の資産から負債を差し引いた資産超過額が100兆円を突破」と伝えていた。分かりづらいが、要するに「埋蔵金」のことだ

 一般会計の総額はざっと88兆円。これを上回る大金が離れに隠れていたわけ。借金返済にも使うから全部が埋蔵金とも言えないけれど、それでも半分の50兆円は取り崩して問題なし、と専門家 

 「埋蔵金がある」「いや伝説のたぐいだ」。ちょうど去年の今ごろだ。政界で埋蔵金の存在をめぐって盛んに論争が行われていたのは。1年たって、埋蔵金が100兆円と判明したことになる

 国の借金を「国民一人当たり00万円」と計算してくれる財務省に倣えば、100兆円は一人当たり90万円になる。ますます深刻化するこの不況、みんなおかゆで我慢している。さて何に使う、どう使う100兆円。

河北春秋 河北新報 2009年2月14日

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「どきどき、ワクワク川柳」さもしいと 言われてもいい チョコを待つ・・・  河北春秋 八葉蓮華

 神戸で発行されていた英字新聞に1936年2月12日、本邦初の広告が掲載された。「バレンタインデーにはモロゾフのファンシーチョコレートを」

 「二・二六事件」が起きるのは2週間後。モロゾフによると、軍需産業に民業が圧迫されていた時代、洋菓子店としてのこだわりを示したらしい。軍靴の音が高まる中、作られたチョコはどんな味がしたのだろう 

 今年もその季節がやってきた。バレンタイン商戦だけで、500億円以上を売り上げるという国民的行事。14日は土曜日に当たっているから、職場や学校ではきょうがピークか

 男女間の機微や会社の人間関係が、チョコ1枚を通して浮き彫りになることがある。メリーチョコレートカムパニーの「どきどき、ワクワク川柳」はその年の世相も映して秀逸 

 「もらう、もらわない」に引っ掛ければ当然、あの方の迷言が。<さもしいと 言われてもいい チョコを待つ>。頂いても<不景気に とどく義理チョコ 着払い>では災難か

 <欲しい物 仕事とチョコと わがねぐら>。詠み人が無職女性とあって説得力がいや増す。トリは<職場チョコ 正規非正規 へだてなく>。義理チョコにも松竹梅の等級があるらしいが、身分を理由にした格差はいただけない。ほろ苦さが染みる今年の聖なる日。

河北春秋 河北新報 2009年2月13日

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「知事の座」霞が関・国のパイプ(当て)、手堅さだけでは続けることは難しくなった・・・  河北春秋 八葉蓮華

 秋田県の寺田典城知事が、かねて公約通り3期で引退することを表明した。時に物議を醸す発言の多い人であったが、多選の弊害を自ら封じた出処進退は潔い

 3期12年が長いか短いかはさておき、知事の座を長きにわたり独占し続けることは実際、難しくなった。現在、全国で47人いる知事のうち、最も長くて4期目の7人。3期目6人、残り34人は1、2期目にすぎない 

 東北に限ってみると、平成以降に初当選した知事で、4選を果たした人はいない。かつて宮城県の山本壮一郎氏、秋田県の佐々木喜久治氏、山形県の板垣清一郎氏のように5選経験者も珍しくなかった。近ごろは1期でも落選するというのに

 高度成長期なら、高速交通網の整備や産業の振興、福祉の充実を唱えていれば、それで済んだ、と言ったら失礼だろうか。国にも地方にも施策を実行できる予算があった

 それに比べて、今の知事は財政難で首が回らない。国は当てにならず、身を削ってやりくりするしかない。仕事はやりにくいし、おまけに有権者の目も厳しい

 どこかの知事のように、県のセールスマンに徹したり、霞が関とけんかして大向こうをうならせたりするのも分からないではない。変革へのビジョンもないまま手堅さだけでは、賞味期限はますます短くなる。

河北春秋 河北新報 2009年2月12日

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「国民的漢字検定」公益法人のトップは、やっぱり省庁の天下り・・・  河北春秋 八葉蓮華

 年末の京都・清水寺で森清範貫主が鮮やかに書き上げる「今年の漢字」は1995年に始まった。今や暮れの風物詩となった。主催するのが日本漢字能力検定協会

 現在の大久保昇理事長が脱サラして75年に設立している。わずか670人の志願者で始まった漢字検定は、現在は年間270万人もの受験者があるそうだ。「国民的検定」の呼称も 

 民間企業なら「人もうらやむ」という形容も付くだろう急成長だ。なかなかのアイデアマンらしく、表紙を黄色で統一した教本はおなじみだし、ゲームソフトも人気がある。漢字好きを全国に増やした

 協会のホームページには、入試で漢検取得者を優遇したり、単位認定したりする高校や大学の一覧がある。そういう学校が増えたのも、漢検のブームも、公的性格が強い協会に安心感があるからだろう 

 それなのにだ。ずさんな協会の実態が文部科学省の調査で分かった。親子で理事長と副理事長を務め、自らの関連する会社に業務委託名目で66億円も支出。ほかにも多額の積み立てがあったという

 漢検自体の不正ではないから、取得者は胸を張っていていい。問題は協会の運営を今後、どう透明化するか。自浄力がなければ文科省に言われそうだ。「公益法人のトップは、やっぱり省庁の天下りのほうが…」

河北春秋 河北新報 2009年2月11日

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食にエネルギーにと自然がもたらす恵みはありがたい・・・  河北春秋 八葉蓮華

 冬大根の甘味とうま味をぎゅっと凝縮させた、そんな味わいがある。福島県境にある山地の集落、宮城県丸森町筆甫地区の伝統食品「へそ大根」。今が「旬」だ

 輪切りにした大根をゆでて竹ぐしに差し軒にすだれ状につるす。やがて、べっ甲色のしわくちゃな乾物になる。真ん中に開いた穴がへそのよう。水で戻し昆布やニンジンなどと煮染めて食べるのが定番だ 

 夜の寒さで凍り、昼の温かな陽光を浴びて解けては乾く。この繰り返しが味を深化させるらしい。「凍(し)み豆腐」など、自然の力を利用した冬の乾燥保存食は各地に伝わる

 今は機械で凍結乾燥した人工ものが幅を利かしているそうな。が、自然のものには「特有の日向香(ひなたか)という太陽のにおいが付く」と東京農大教授の小泉武夫さんは書き、これを好む。「体の中に太陽エネルギーが充電される」ようだ、と 

 太陽の力は底が知れない。地球全体に降り注ぐ太陽光すべてをエネルギーに変えられたら、世界の年間消費分をわずか一時間で賄えるという。その太陽光発電の普及が注目を集める。雇用を生み、温暖化対策も進むからだ

 食にエネルギーにと自然がもたらす恵みはありがたい。太陽は古来、再生の象徴でもあった。経済の立て直しと持続可能な社会への転換に、その恵みを活用しない手はない。

河北春秋 河北新報 2009年2月10日

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クラシック音楽メンデルスゾーン生誕200年・・・  河北春秋 八葉蓮華

 クラシック音楽で神童と言えばモーツァルト。実はその名によりふさわしい人物がいる。メンデルスゾーン。作曲家としての才能の開花はモーツァルトより早かった

 14歳までに12曲の弦楽のための交響曲を作曲。名作「八重奏曲」を16歳、「真夏の夜の夢」序曲を17歳で書いた。モーツァルトも同年代で多くの作品を残したものの、完成度では及ばない

 ドイツの裕福な銀行家の子に生まれたメンデルスゾーンは、多様な学問・芸術の英才教育を受ける。両親が雇ったオーケストラで自作を自由に試演、幼くして作曲の技巧に磨きをかけた

 当時最高の指揮者、ピアニストでもあった。バッハ没後初めて「マタイ受難曲」を演奏、バッハ復興への道を開く。現在のような指揮棒を初めて使い、新たな指揮法を確立したことでも知られる

 優美さと堅固な構成。交響曲「スコットランド」「イタリア」や「バイオリン協奏曲ホ短調」などは常に人気があったが、一時期不当に低い評価を受けた。論理的で感情の高揚を抑えた音楽は、保守的で独創性に欠けるとみられたのだ

 今年はメンデルスゾーン生誕200年。膨大なCDが発売され、生演奏の機会も増える。ただ、今でも十分正当な評価を得ているかは疑わしい。記念の年は真価を知らしめる契機になるか。

河北春秋 河北新報 2009年2月8日

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「詐欺のテクニック」愛想が良く、口がうまく、気持ちよいお世辞を並べる・・・  河北春秋 八葉蓮華

 心理学の用語に感覚遮断という言葉がある。外界の刺激を遮断した場に人を置くこと。短時間で正常な判断ができなくなり、暗示にかかりやすくなる

 スパイに機密をしゃべらせるなど、軍事技術として実験が重ねられたマインドコントロールの方法。やがて、セールス活動にも悪用されるようになる。人を集めて缶詰め状態にして商品を売りつける

 「円天」を売り物にした巨額詐欺事件も、ホールなどに多数を集め、言葉巧みに誘い入れた。友達が親しい友達を勧誘して会員を拡大したのも事件の特徴。駆使していたのは詐欺のあらゆるテクニック

 心理学者小田晋さんの「簡単にだまされる人々」によれば、だまされる側にも快感があるという。詐欺師は愛想が良く、口がうまく、気持ちよいお世辞を並べる。常識外れの話なのに詐欺師の描く夢に酔う

 一般論だが、人がミスを犯す時は「どうも変だ、何かおかしい」と思う状況が現れる。しかし、そのたびに何らかの理由を考え、自分を納得させ、疑念にフタをする。人間はそういう存在だと心理学は説く

 テレビで円天の会長の言動を見れば「なぜこんな男にやすやすと」という思いも募るが、今は被害者に少しでも多くお金が戻る捜査を願う。多額の不明金があるというから隠し持っているのかもしれない。

河北春秋 河北新報 2009年2月7日

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「ヘリコプターマネー」支持率20%政府紙幣、命にかかわる「劇薬」・・・  河北春秋 八葉蓮華

 総額2兆円の定額給付金の財源は、特別会計の積立金を流用する。「霞が関の埋蔵金」と聞けば、地中からザックザックのイメージ。でも、蓄えがわずかなら、すぐに掘り尽くしてしまう

 一人1万2000―2万円では不況脱出効果が薄いと見たのか、次なる秘策が与党に急浮上している。政府が日銀に代わって発行する「政府紙幣」。国債残高を増やさずに景気を刺激できるという

 総額25兆円とか50兆円とか、威勢のいい声が上がる。こちらは文字通り、空中からカネをばらまく図。「ヘリコプターマネー」という経済学用語があるそうだが、うまいことを言うものだ

 元財務官僚の高橋洋一東洋大教授が提唱、自民党の菅義偉元総務相が飛びついた。菅さんの現在のポストが党選対副委員長と聞いて、ついまゆにつば塗ってしまうのは、げすの勘繰りか

 やみくもに発行すると、インフレや円の価値が低下する恐れがある。仮に導入するにしても操守あるリーダーの下でなければ、命にかかわる「劇薬」(高橋教授)である

 「悪貨は良貨を駆逐する」。グレシャムの法則に学べば、失礼ながら支持率20%前後の政府が発行する紙幣は悪貨だ。そのとき、良貨(日銀券)は姿を消し、経済は大混乱に陥ることになる。地中や空中に景気対策の妙手などない。

河北春秋 河北新報 2009年2月6日

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「減反選択制」米にかけたたくさんの人の思い・・・  河北春秋 八葉蓮華

 山形県大江町の山奥にある小さな棚田の写真が忘れられない。14枚の田があるが、面積は計一反歩もない。仙台の民俗研究家結城登美雄さんの「東北を歩く」(新宿書房)に載っている

 平野部で見る整った長方形ではなく形がさまざま。半月の形もあればL字形もある。狭い田は樹林に囲まれて身を寄せ合うようにしている。これを見たいがために結城さんは10年も通ったそうだ

 この田と出会って「家族の田んぼが村と農業の原点なのだと知った」と結城さんが書いている。持ち主の老農に聞くと、300年も前に祖先が開いた田んぼだという。慈しむようにして守ってきた

 農政改革の柱として「減反選択制」の導入を国が検討していることが明らかになった。各農家が個別の判断で生産調整に参加するかどうか決める。現行の減反政策がこれでいいのか疑念はあるが

 選択制には疑問点が多い。参加農家に米価下落時に十分な財政支援があるのか。財源は。多様な担い手がいることが日本の農業の強みだが、新制度は小規模農家の軽視につながらないか―などだ

 米価の低落は長期にわたった。それでも「なお米作りをやめないのは今ここにある田んぼの重みと、米にかけたたくさんの人の思い」と結城さんは見る。強い農家の育成ばかりでは、逆に農業が細る。

河北春秋 河北新報 2009年2月5日

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強欲で無責任な人々、拝金主義者を唾棄・・・  河北春秋 八葉蓮華

 今年はフィデル・カストロ前国家評議会議長らが親米独裁政権を倒したキューバ革命から50周年に当たる。同志だったチェ・ゲバラの半生を描いた2部作が上映中だ

 アルゼンチン生まれ。カストロと出会い、革命こそがラテンアメリカを救う道だと確信する。彫りは深いが、東洋人然とした面立ち。ベレー帽に軍服で葉巻をくゆらせる姿は、なるほどキマッている

 革命キューバで要職を得るも、それに飽き足らずボリビアへ。ゲリラ活動中に殺害された。ゲバラが時代を超えて若者から支持されるのは、革命家としての純粋さにあるのだろう

 「アメリカに対しては1グラムの闘志も失っていない」(1954年、母への手紙)。そんなゲバラの遺志を継いだカストロ氏だが、オバマ米新大統領について「誠実さに個人的には疑いを抱いていない」とする論文を発表した

 旧ソ連を巻き込み、角突き合わせてきた両国。歴代10人の米大統領と対(たい)峙(じ)したカストロ氏は昨年、引退した。キューバを「ならず者国家」呼ばわりしたブッシュ氏もホワイトハウスを後に

 ゲバラは拝金主義者を唾(だ)棄(き)した。オバマ氏も就任演説で「強欲で無責任な人々」と批判した。フロリダ海峡に暖流が流れ始めたと見るのは早計だろうか。若者が着るTシャツの中で、闘士ゲバラは何を思う。

河北春秋 河北新報 2009年2月4日

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金融危機は地域のコミュニティーさえ破壊してしまうのか・・・  河北春秋 八葉蓮華

 戦前からの風景が点在する仙台市若林区のその住宅街ではおそらく初めての喫茶店だった。主婦やお年寄りを含め地域の人たちを相手に9年ほど営業を続けてきたが、先月末に静かに店を閉めた

 「夏の原油高騰と暮れに本格化した世界的な金融危機の波。まず高齢のお客が来なくなり、ガクンガクンと目に見えるように売り上げが減った」。店を続けられなくなった理由を店主はこう語る

 40歳代でIT業界を脱サラして店を始めた店主。関西の出だが、ここで伴侶を見つけ、3カ月前に子宝に恵まれた。身も心も仙台市民となったのに人生設計をリセットしなければならない

 住宅街では、7年後の地下鉄東西線開通に伴って様変わりする基幹道路に愛称を付けようという小さな住民運動が続いている。言い出しっぺの店主は運動の世話役となり、店は運動の小拠点だった

 人が住むだけの住宅街ではつまらない。そこには魚屋、八百屋、酒屋、すし屋、理髪店、町医者はもちろん、人々が交わり合える居酒屋や食堂もあった方がいい。喫茶店もその一つだ

 マネーがわが物顔に振る舞った末の金融危機は私たちの財布を直撃するだけでなく、地域のコミュニティーさえ破壊してしまうのか。喫茶店の再開を待ちたい。地に足のついた街づくりの証しとして。

河北春秋 河北新報 2009年2月3日

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「相撲」力士が自らを律せない、師匠の指導力にも疑問符・・・  河北春秋 八葉蓮華

 「大相撲の魅力は抑制の美学にある」。半世紀を超す相撲取材を基に、元NHKアナウンサーの杉山邦博さんは『土俵の真実』(文芸春秋)にそう書いた

 角聖・双葉山は69連勝が途切れた夜「いまだ木鶏たりえず」の言葉を残した。威張ったり周囲の雑音に心乱されるようでは、修行が足りない。木製の闘鶏のような無心の境地こそが到達点という『荘子』の教え

 双葉山の名言から70年、角界がまた大麻騒動に揺れている。抑制の美学からは程遠い放縦、無法がまかり通る。薬物に力を借りれば、無心どころか陶然の境地の取組だったことだろう

 双葉山から数えて33代下る横綱が千秋楽に見せたガッツポーズも、問題となった。木鶏とは程遠い所作。勝負がついた後の駄目押しやにらみつけなども相変わらずだ。横綱に遺恨は似合わないのに

 日本相撲協会は事が起きるたびに注意、解雇、研修会と対策に追われる。だが、どれも「けたぐり」程度の効果にとどまる。力士を預かる師匠の指導力にも疑問符が付き始めた

 力士が自らを律せないから、抜き打ち検査や事細かな生活指導の必要性が叫ばれる。その時、大相撲の醍醐味(だいごみ)は失われ「大」の文字は外されることに。掛け声倒れに終わるような対策を繰り返すなら、国技の看板を下ろす日も近い。

河北春秋 河北新報 2009年2月2日

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「長生き」生者は死者のために煩わさるべからず・・・  河北春秋 八葉蓮華

 画家の梅原竜三郎さんは90歳を過ぎても食欲旺盛で、毎日のようにウナギを食べた。いつも2人分をぺろり。胃腸の調子が悪くてもかば焼きを食べると治った

 手を使わないでむさぼり食ったという獅子食いの伝説さえある。もっとも「あれは夢を見たんだ。大皿にかば焼きをたくさん並べて獅子のように食ったらさぞうまかろう」。後に語っていたそう 

 ちょうど今は冬の土用。夏よりも秋冬がウナギは脂が乗って身も締まり、おいしいとされる。今年は1月20日が寒の土用の丑(うし)の日、そして今日が二の丑。土用の丑の日は夏の専売特許ではない

 四季ごとに土用がある。土用の期間に丑の日が巡って来るのが土用の丑。ウナギの産地、諏訪湖のほとりにある長野県岡谷市では、冬にもウナギを食べてもらおうと「寒の土用の丑」を宣伝している 

 江戸時代の本に「寒暑ともに家ごとに…」と土用ウナギを食べた記録もある。「和漢百薬の長」と持ち上げた文献も。岡谷の宣伝に乗るわけではないが、冬のかば焼き、元気を付けるにはもってこいか

 「葬式無用 弔問供物 固辞する事 生者は死者のために煩わさるべからず」。そんな遺書を残して梅原さんは97歳まで長生きした。毎日ウナギを食べたら、あやかれるかな。毎日じゃ財布が持たないけれど。

河北春秋 河北新報 2009年2月1日

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