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2009年5月

稽古に名を借りた体罰、あしき伝統は根絶やしにしなければいけない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 親方がトイレに入った。付き人の若い力士がドア付近で待機し、用を足し終えると、さっとお絞りを差し出す。親方は無言で受け取って手や顔をふき、ポイと投げ返した

 東京の両国国技館で取材していた時、そんな光景を何度も目にした。相撲の世界は上下関係が厳しい。部屋のボスである親方は絶対的な存在だ。が、そこまでしなくても、と違和感を覚えたものだ

 2年前の力士暴行死事件で、傷害致死罪に問われた元時津風部屋親方の山本順一被告(59)に、名古屋地裁は懲役6年(求刑懲役7年)の実刑判決を言い渡した

 むごいリンチだった。兄弟子らが寄ってたかって、17歳の少年に暴力を加えた。判決は「絶大な支配力」を持つ元親方を首謀者と認定した。暴行を指示し、自らもビール瓶で殴ったとされる。被害者は、どれほど怖い思いをしただろう

 元行司の第33代木村庄之助さん(八戸市出身)が、13歳で入門したばかりのころ。先輩力士から「兄弟子ってどう書くか知っているか」とクイズを出された。「兄に弟に子供の子でしょう」「ばか、違う。無理偏に拳骨(げんこつ)だ」(『力士の世界』)

 けいこに名を借りた体罰が、半世紀後の今もまかり通っていた。あしき伝統は根絶やしにしなければいけない。それができて初めて、事件は解決する。

 河北春秋 河北新報 2009年5月30日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「仙台国際音楽コンクール」若い才能が独自の世界をつくり出す手助けをしたい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「クラシック音楽に夢を抱く若い可能性にチャンスを与え、無名の才能を広く、分かりやすく紹介する場」。ピアニストの中村紘子さんはコンクールをこう定義する

 「何十年後かに世界的な大家に成熟するかもしれない。その成長を見守り続けるのも楽しみの一つ」(『コンクールでお会いしましょう』)。聴衆にとっても、若い才能との出会いは何よりの魅力だ

 協奏曲中心の課題曲、温かく支える聴衆の存在などで、世界的に知名度が高まってきた仙台国際音楽コンクール。入賞者への手厚いフォローでも評価が高い。数々の演奏会を企画し、公式CDも発売する

 入賞者支援へ、新たな試みが始まった。オリジナルレーベル「simc」の設立。第3回(2007年)で優勝したピアノの津田裕也さん(仙台市出身)とバイオリンのアリョーナ・バーエワさん(ロシア)のCDが、今月発売された

 2人とも工夫を凝らした選曲で、感性豊かな演奏を披露。売れ行きも好調だ。「若い才能が独自の世界をつくり出す手助けをしたい」(コンクール事務局)との狙いは的中した

 歴代入賞者は着実に成長し、世界各地で活動している。入賞者の評価が高まればコンクールへの信頼は一段と増す。コンクール自体の成長を見守り続けるのも、ファンの大きな楽しみだ。

 河北春秋 河北新報 2009年5月29日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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世界一長い物語「グイン・サーガ」ネバー・エンディング・ストーリー・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 32年前、中島梓と栗本薫という2つの名前を使い分けて、文壇にさっそうと登場した時の印象が、強烈だった

 「デビュー前までに書きためた原稿が1万枚ある。それでもまだまだ書き足りない」。群像新人文学賞と江戸川乱歩賞を立て続けに受賞した際のインタビューで、中島梓さんがあっさりと言ってのけたのを思い出す

 とにかくマルチな作家だった。ミステリーにSF、時代小説、評論など多彩な活動を行った。テレビのクイズ番組で女性組キャプテンを務め、博識ぶりを発揮したこともあった。闘病中もピアノのライブを企画した

 何と言っても、彼女の名が広く知られるようになったのはSF大河小説『グイン・サーガ』シリーズだ。正編だけで126巻。ざっと4万ページにも及ぶ。一人の作家が書き続けた小説としては、世界一長い物語とされる。今年で連載開始から30年を迎えた

 「世界一面白いというのは主観だが、世界最長は誰がどう見てもただの事実。その圧倒的な確かさが自分の基本」と昨年、闘病生活をつづった『ガン病棟のピーターラビット』が出た時に語っていた

 「小説もピアノも好き。永遠に続けるだけ」と意欲を見せたが、56歳の若さでがんに倒れた。ついに「ネバー・エンディング・ストーリー」にも終わりがきた。

 河北春秋 河北新報 2009年5月28日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「利を見て義を忘れる」誇りを失っているとしたら悲劇だ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「利を見て義を思う」。利益を前にして、それを手に入れることが正しい道かどうか考えることだ。出典は『論語』。できなければ、完成した人間とは言えないという

 利益に目がくらみ、手段を選ばずに得ようとするなら「利を見て義を忘れる」となる。北朝鮮が2度目の核実験に踏み切り、短距離ミサイルまで発射したのは、まさにこちらだ

 「利」は米国との直接交渉。2006年の初の核実験後、米朝対話が再開され、北朝鮮はテロ支援国家の指定解除など譲歩を引き出した。「瀬戸際戦術」は奏功したと言える。だが、柳の下にいつもドジョウはいない

 オバマ米大統領は怒っている。核実験実施は、制裁決議を科した国連安全保障理事会に対する「露骨な反逆」だとする声明を発表。「国際社会に真っ正面から無謀な挑戦」をしていると、厳しく非難した

 きのうの安保理緊急会合は、新決議をもって対応する方針で一致した。制裁強化などを盛り込んだ決議案の調整が進む。中国、ロシアの出方が焦点とはいえ、北朝鮮に自省を促す強いメッセージとなりそう

 朝鮮民族は古来、儒教道徳を重視してきた。国民の多くは今もそうなのだろう。ただ将軍様や軍幹部らは無縁らしい。完成した国は望みようもないが、指導者が民族の誇りを失っているとしたら悲劇だ。

 河北春秋 河北新報 2009年5月27日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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世襲制限「親の七光」に甘んじることなく、才あって努力を惜しまず・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 落語家の古今亭志ん朝さんは、ウナギを食べなかった。姉の美濃部美津子さんは、てっきり嫌いなのだと思った。ところが、そうではないことを後に知る

 昭和の名人と言われた志ん生さんの次男に生まれ、19歳で親に弟子入りした。「芸が上達するように」と、生涯にわたりウナギ断ちをしたのだそうだ

 「親の七光」に甘んじることなく、弟子の中でも人一倍けいこを重ねた。8年前に63歳で亡くなったが「もう10年長生きしていたら、志ん生を超えたと思う」と美濃部さんは『3人噺』に書く

 永田町で今、世襲制限問題が論議を呼んでいる。民主党に続き、自民党も次の衆院選から世襲候補を公認しない方向に傾きつつある。それにしても、世襲議員の評判がよろしくない

 「もうろう会見」の前財務相、政権を1年で投げ出した前首相に前々首相、巨額献金事件で秘書が起訴された前党代表。そうそう、不倫旅行で辞任した前官房副長官も、父親が県議を長く務めた。目を覆うばかりだ

 江戸時代の儒学者貝原益軒は「医者の子孫が続いて才能を持つのは、まれなこと。才がなければ医者にしてはいけない」と説いた。政治一家にも当てはまるだろう。才あって努力を惜しまず。今の政治家に志ん朝さんのような気概を求めるのは、無理なことなのか。

 河北春秋 河北新報 2009年5月26日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「僕の職業は寺山修司です」時代の最先端を全速力で走り過ぎたのかもしれない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 寺山修司は、5月と縁があった。21歳の時に出した第一作品集の書名は「われに5月を」。47年の生涯を終えたのは、1983年5月4日だった。命日は「5月忌」とも呼ばれる

 没後、4半世紀以上がたつが、その人気は衰えを知らない。関連書籍が毎年のように出版され、現在は全5巻の著作集が刊行中だ。来月2日には、仙台市内で「毛皮のマリー」の舞台が上演される

 何が、今も多くの人を引き付けるのか。理由の1つが、ジャンルを超越した仕事ぶりだろう。俳句、短歌、詩、映画、演劇、作詞、競馬エッセーなど。本業を問われると「僕の職業は寺山修司です」と答えるのが常だった

 あるジャンルをきっかけに寺山と出会い、別のジャンルの彼に興味を持つ。そして、独特の作品世界に引き込まれていく。そうした経験を持つ人も少なくないのではないか

 彼の前衛劇は、海外でも高く評価された。既成の価値観を否定する過激さの一方で、母と子の愛憎も大きなテーマだった。新しさと古さ。相反する2つが共存するところも魅力といえよう

 マルチ人間がもてはやされる昨今とは違い、その多才さは当時、どこかうさんくさい目で見られていた。彼は競馬の逃げ馬を愛したが、彼自身、時代の最先端を全速力で走り過ぎたのかもしれない。

 河北春秋 河北新報 2009年5月25日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「タイガとココア」生命力は、人間の想像を覆すほどたくましかった・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 障害がある動物は、自然界では生きられない。そんな動物を育てるのも、動物園の役割といえようか。脚が不自由なアムールトラの兄妹が北海道で元気に育ち、話題を呼んでいる

 釧路市動物園のタイガ(雄)とココア(雌)。昨年5月に仮死状態で生まれた。母親は育児を完全に放棄。飼育担当者の手当てで息を吹き返したものの、2頭とも四肢に深刻な異常があった

 安楽死も考えられるケース。だが、懸命に生きようとする姿が担当者らの心を打った。「とても育つまいと見誤ったことを恥じている。生命力は、人間の想像を覆すほどたくましかった」と、園長の山口良雄さん

 2頭はすくすく育ち、体重は約50キロに増加。不自由ながらも走れるまでになった。動物園は成長の様子をインターネットで公開。バリアフリー対応の新獣舎も先月完成し、一般公開を始めた

 アムールトラは極東ロシアを中心に生息。絶滅危惧(きぐ)種で、総数は400―500頭にすぎない。障害があるとはいえ、2頭がこのまま順調に育てば、他の動物園と連携した繁殖の可能性も出てくる

 「2頭の生命力に生きる勇気と力をもらった」「頑張って大きく育って」。動物園には全国から手紙やメールが届く。寄せられた支援金は800万円を超えた。きょうは、タイガとココアの1歳の誕生日。

 河北春秋 河北新報 2009年5月24日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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新しい平泉の文化「曲水の宴」奥州藤原氏の美が今に生きる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「社寺は心の結晶である」。平泉研究に半生をささげた建築史家、故藤島亥治郎さん(盛岡市出身)が自著に記す。境内に足を踏み入れただけで心安らぐのは「そこに美の源泉が宿っているからだ」とも

 世界遺産登録を目指す「平泉の文化遺産」の代表格、毛越寺(岩手県平泉町)の庭園もそんな祈りの場だ。穏やかな大泉が池の州浜、荒々しい築山、凜(りん)として立つ景石。永遠の美が今に生きる

 1950年代の発掘で庭園を調べ上げた藤島さんが、どうしてもたどり着けなかったのが池に水を引く「遣水(やりみず)」のありかだった。発見されたのは、だいぶ後の83年。美しい80メートルのせせらぎは、その後完全復元された

 あす、遣水のほとりで「曲水(ごくすい)の宴」がある。平安貴族姿の歌人らが優雅に和歌を詠み比べる。今年で24回目。2002年に103歳で逝った藤島さんは最晩年、宴のにぎわいを殊のほか喜んでいた

 都の宮廷行事が、往時の毛越寺でも行われていたかどうか知る由もない。だが、4半世紀も続けば、新しい平泉の文化だろう。時折、現代風の歌がすがすがしい空気を庭園に届ける

 今年の歌題は「土」。昨年の「浄」と合わせ、晴れて浄土に。奥州藤原氏が目指した現世浄土の理想は、世界遺産申請の基本テーマだ。登録への構えはこれで盤石とみた。

 河北春秋 河北新報 2009年5月23日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「どう生きる」笑顔でいると、みんながハッピーになるでしょう・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 米作家フィッツジェラルドの短編「ベンジャミン・バトン」は、70歳の老人で生まれた男の物語だ。時間が逆行するように、年を重ねるごとに若返る

 若く美しかった妻が老いていく一方で、男は子どもへと逆戻り。次第に擦れ違いが生じる。ブラッド・ピット主演で映画にもなり、視覚効果など3部門で2008年度のアカデミー賞を受賞した

 これはあくまでもファンタジーの世界。時計が左回りするのでなく、早回りしてしまう人生が現実にはある。17歳の若さなのに、体は80歳とも90歳ともいわれる難病にかかった少女の話だ

 テレビで見た方もいるだろう。カナダのアシュリー・ヘギさん。「プロジェリア症候群」と呼ばれ、老化が通常の5―10倍の速さで進む。800万人に1人という病気で、平均寿命はわずか13歳だ

 死が間近に迫っているのに、いつも笑顔を忘れない。「人前で悲しい顔はしたくない。笑顔でいると、みんながハッピーになるでしょう」。過酷な運命に直面しながら、短い人生を懸命に明るく生き抜いた

 「生まれ変わるとしたら」という質問にこう答えた。「そうねぇ…やっぱり私を選ぶかな。自分が好きだから」。人生で大切なのは長さでなく、どう生きるかだ。先月、静かに息を引き取った少女に、あらためて教えられた。

 河北春秋 河北新報 2009年5月22日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「素人が裁いてよいのか」人を裁くことの重み、ストレス・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「法律の専門知識は必要か」「冒頭陳述はどう聞くの?」。日弁連のホームページに設けられた裁判員制度の体験コーナー。二者択一のクイズに答えると、正否とコメントが表示される

 「専門知識がない方が視点が新鮮。社会常識が反映されやすい」「事実とは限らない。証拠を見聞きして判断しよう」。易しく解説し、身構える必要はないと、国民参加の意義を説く

 裁判員制度がきょう、始まる。今後起訴される殺人など重大事件の審理に有権者が加わり、裁判官と一緒に判決を言い渡す。裁判員候補者名簿に記載され、今年選ばれる可能性がある人は約22万人

 各種調査によると、戸惑う人は依然多い。最大の不安は人を裁くことの重み。「素人が裁いてよいのか」「正しい判決を下す自信がない」。負担に感じるのは当然だ。同じ筋書きの模擬裁判でも有罪、無罪の判断は割れた

 証拠として残虐な写真を見せられた時や、死刑判決に賛成した時などのストレスは相当大きいはずだ。最高で6カ月の懲役が科せられる守秘義務もある。感想は話せるとはいうものの、許される範囲は明確でない

 法曹界のPRのようにいかないケースが次々に出てくるだろう。参加者の不安やストレスを取り除くための環境整備も急務だ。あとは実践しながら考えるしかない。

 河北春秋 河北新報 2009年5月21日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(63)は、和菓子やもちが大好物。日本で過ごしたお正月には、もちを6つも7つも平らげたそうだ(三上義一著『アウン・サン・スー・チー』)

 京大の研究員として訪れたのは、1985年10月から約8カ月間。祖国の独立運動を指導した父の足跡をたどるのが目的だった。民族衣装のロンジーを腰にまとい、中古自転車で通った

 だが4年後には、自由を奪われる。軍事政権によりこれまで3度、通算で14年近くも自宅軟禁を余儀なくされている。91年にノーベル平和賞を受けた際も、軟禁中で授賞式には出られなかった

 今月初め、米国人男性が自宅に忍び込み不法侵入で逮捕された。不可解なことに、スー・チーさんまでが軟禁の条件を守らず人を家に入れたとして、国家防御法違反の罪で起訴された

 世界各地で即時解放を求めるデモが行われているが、有罪判決が言い渡されれば、刑務所に収監される可能性もあるという。軟禁期限が27日に迫ったことから、「陰謀説」も流れている

 在籍した京大東南アジア研究所には、スー・チーさんの記念室が設けられている。一刻も早く自由の身となり、再び京都を訪れて記念室をのぞいたり、もちをほお張ったりする日がくるのを待ち望む。

 河北春秋 河北新報 2009年5月20日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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都市交通の主役へ「自転車」トラック一台分の薬より、一台の自転車・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 街路樹の若葉が輝く。花々が彩り豊かに路傍を飾る。自転車で走るのに最適な季節になった。全身で受け止める風が、何とも心地よい

 昨年の原油高のころから、自転車通勤をする人が増えたという。燃料費がかからず無論、排ガスを出さない。環境に優しいだけではない。健康増進に効果抜群の有酸素運動でもある。メタボ対策には打ってつけ

 「トラック一台分の薬より、一台の自転車」。ドイツの有名な格言だとか。「自転車ツーキニスト(通勤者)」という言葉の生みの親、疋田智さんが著書『自転車の安全鉄則』で紹介している

 欧州では近年、都市交通の自転車化が顕著らしい。都市側が受ける恩恵も多い。渋滞解消によるビジネス効率のアップ、死亡事故減少、市民の健康、清浄な空気。「自転車には都市交通の主役になれるポテンシャルがある」と疋田さん

 ビジネス効率と言えば、1906年1月末の河北新報にこんな記事があった。「取材の迅速化を図るため、記者全員が最新式の自転車を使うことになった」。機動力は今も昔も第一級

 常に進化を続ける最先端の乗り物でもある。幼児2人を前後に乗せる3人乗り自転車が、安全性確保を条件に、近く解禁される見通し。子育て中の母親らには朗報だ。都市交通の主役へ、国内でも一歩前進するか。

 河北春秋 河北新報 2009年5月19日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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千秋公園ツツジが見ごろ「秋田の行事」のんびりと散策するのもいい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 パトロンと言えば、大原美術館(岡山県倉敷市)などを残した実業家大原孫三郎が真っ先に思い浮かぶ。が、東北となれば秋田市の大地主平野政吉(1895―1989年)だろう

 その名を冠した平野政吉美術館は、市のシンボル、千秋公園の中にある。ピカソやモディリアニら才能が集った当時のパリで活躍した藤田嗣治(1886―1968年)。ここで彼の多くの作品を見ることができるのは、ひとえに平野のおかげだ

 代表作『秋田の行事』。壁一面に描かれたキャンバス画の大きさは、実に縦3.65メートル、横20.5メートル。1937年、秋田に滞在していた藤田が平野の美術館建設構想のために制作したもの。その迫力は見る者を圧倒する

 生涯にわたって美術品の収集を続けたパトロンと、世界的な名声を得た画家。2人の長い交流が残してくれた収蔵品の数々に、われわれはもっともっと感謝した方がいいのかもしれない

 初夏を迎えて、千秋公園は約2700株のツツジが見ごろとなった。濃い色の花から咲き始め、その後、薄い色の花が咲き始めるというが、赤、紫、白など、どの色も青い空に映える

 桜が満開の時期でも、秋田は冷たい風が時折吹く。その風もようやく優しくなった。絵画を見終えて、ツツジの道をのんびりと散策するのもいい。

 河北春秋 河北新報 2009年5月18日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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国内患者、人から人への感染、拡大防止の鍵を握るのは一人一人の自衛策・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「私たちは病原体ではない」「ネットでの中傷はやめて」。国内初の新型インフルエンザ感染者と接触し、成田空港近くのホテルに留め置かれていた高校生は語った

 2次感染の恐れが消え、最後の1人の停留措置もきのう解除された。生徒たちを傷つけたのは一部の人の誤解と過剰反応だ。冷静な対応が求められる中での心ない行動。かつてのハンセン病患者の苦しみを思い出す  

 もはや的外れの反応をしている場合ではない。警戒していた国内患者が、ついに発生した。海外渡航歴のない神戸市内の高校生から、新型ウイルスが検出された。人から人への感染が起きたらしい

 感染経路は明らかでないが、感染者が水際での検疫をすり抜けた可能性を示す。人にうつす危険があるのは、症状が出る1日前から発症後7日程度。症状が軽い人が見逃されたのか  

 神戸市は学校の休校措置や祭りの取りやめなどを決めた。新型インフルは重症化するケースは少ないが感染力は強い。生徒との接触者の徹底した調査などで、地域での封じ込めを図ってほしい

 国や自治体の対策に加え、感染拡大防止の鍵を握るのは一人一人の自衛策。正確な情報把握に努め、うがい、手洗いなどを徹底するしかない。あくまで冷静に、だが確実に。もちろん偏見に振り回されたりしないで。

 河北春秋 河北新報 2009年5月17日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「命の重さ」一、二審のこの落差、裁判員は判断できるだろうか・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 もし、自分が裁判員だったら、どう判断しただろう。福岡市で幼児3人が死亡した飲酒運転事故の控訴審判決。福岡高裁は危険運転罪を適用して懲役20年を言い渡した

 一審判決は、脇見運転が原因だとして業務上過失致死傷などの罪で懲役7年6月とした。しかし高裁は、長時間の脇見運転はあり得ないと判断。酒に酔って正常な運転が困難な状態だったと認定した

 求刑は懲役25年。一審判決後、「命の重さに対して軽すぎる」といった批判の声も出ていた。危険運転罪が認められ、両親は「思いがやっと届いた。3人の子どもも一緒に受け止めてくれたと思う」と話した

 会見で「ほっとした」とも語っていたが、3人の子を瞬時に失った悲しみは一生消えない。母親は心的外傷後ストレス障害(PTSD)で入退院を繰り返している。夫婦は福岡を離れ、海外で暮らす

 21日に始まる裁判員制度は、抽選で選ばれれば有権者なら誰でも参加しなければならない。審理の対象事件の中には、殺人や強盗致傷とともに、危険運転致死罪も含まれる

 一、二審のこの落差。「血の通った二審判決だ」「いや、処罰万能論に拍車をかける」。専門家の受け止め方も二様だ。わずか1週間足らずの審理で、判断できるだろうか。想像してみただけで気が重くなる。

 河北春秋 河北新報 2009年5月16日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「エコポイント」申請に必要なものの受け取りと保管を、お忘れなく・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 小売業やサービス業はもちろん航空業界などを含め、ポイントサービスは今や当たり前。これがないと、だまされた気分になる

 クレジットカードなどのポイントを除くと、現在のようなポイントカードが登場したのは20年ほど前という。家電量販店が導入した。以後急速に拡大。財布にカードが収まり切らない時代になった

 省エネ家電の購入を促す政府の「エコポイント」制度がきょう、始まる。省エネ基準を満たしたエアコンや冷蔵庫、地上デジタル放送対応テレビを買うと、価格の5―10%程度のポイントがもらえ、商品と交換できる

 家電製品の購入を国が直接支援する前例がない試み。政府は地球温暖化対策に加え、経済活性化の狙いを強調する。ポイントを使えるのは補正予算成立後とはいえ、それなりの消費刺激策になろう

 問題は制度の詳細がまだ決まっていないこと。ポイントを省エネ商品や全国で使える商品券、地域特産品などと交換できることは示されたが、具体的な商品などの検討はこれからだ

 ポイントをエコポイント事務局に登録する手間も掛かる。手続きには、購入日、購入店名が分かる保証書や購入者名、製品名も記した領収書のコピーが必要。だまされた気分を味わわぬよう、確実な受け取りと保管を、くれぐれもお忘れなく。

 河北春秋 河北新報 2009年5月15日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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初の外国出身力士としてハワイから「ほかの惑星に来たような」苦労を重ね・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 大相撲の東関親方(元関脇高見山)は、もともとは美声だった。へんとう炎で手術した翌日もけいこを休めず、のど輪攻めに遭った。声帯を傷め、あの独特のしわがれ声になったという

 ちゃんこが食べられず、おかみさんがハムエッグや肉料理を作ってくれた。兄弟子に鼻を引っ張られては「これが鼻」、頭をたたかれては「これが頭」と、体で日本語を覚えさせられた

 初の外国出身力士としてハワイからやって来たのは1964年。現役引退後のインタビュー記事などを読み返すと、「ほかの惑星に来たような」苦労を重ねたことに感じ入る。来月、65歳の定年を迎える。東京・両国国技館で行われている夏場所が最後の務めとなる

 時は移り、今や外国出身力士全盛時代。幕内力士が14人を占め、横綱と大関が各2人など上位陣にずらりと並ぶ。独りぼっちの45年前は考えられなかったことだ

 マナーの乱れを指摘される外国勢。今場所も場所入り2日前、白鵬らモンゴル組同士でゴルフをしていたことが分かった。このうち朝青龍と鶴竜は初日の対戦相手だった

 親方は「彼らはいつも一緒に行動している。僕はずっと1人。だから日本や角界のことを必死に勉強した」とも語っている。先駆者のハスキーな声が、横綱らにどこまで届いているだろう。

 河北春秋 河北新報 2009年5月14日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「三国志の世界」損得を度外視した生き方は報われにくい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「日本人はなぜ『三国志』が大好きなの?」。中国出身の知人に尋ねられた。血わき肉躍るストーリー、個性あふれる登場人物。どこをとっても面白いが、殊に心をくすぐるのは主人公たちのおとこ気

 信義に厚い劉備。軍事的能力や知力は高くないが、関羽、張飛らの豪傑や天才軍師諸葛亮(孔明)の助けで蜀を建国する。最大の敵役として登場するのは魏の曹操。知勇に優れ文人の才もあるものの、冷酷な一面を持つ

 3世紀の正史より14世紀の歴史小説『三国志演義』を基にした物語が一般的。読者は権謀術数が渦巻く世界で義を貫く劉備らに喝采(かっさい)し、劉備の死後も忠義一徹に生きた孔明に『忠臣蔵』を重ねるのだろうか

 三国志最大の合戦「赤壁の戦い」を描く映画「レッドクリフPartⅡ」(ジョン・ウー監督)が公開中だ。劉備と呉の孫権の連合軍が、十数倍の兵力を持つ曹操軍に立ち向かう一大スペクタクル

 孔明と呉の総大将周瑜との友情を柱に据えるなど、これまでにない解釈を示す。人間の多面性を追求し、リアルな人物像を描き出した。今年指折りのヒット作となりそうだ

 劉備や孔明のような損得を度外視した生き方は、現代社会では報われにくい。誰もがそれを分かっているからこそ、三国志の世界は人々をより強く引き付けるのだろう。

 河北春秋 河北新報 2009年5月13日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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辞任の風「政権交代という大目標」一寸先がどうなるか分からない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 辞任するのか、あるいはこのまま続投かと、注目を集めていた民主党代表の小沢一郎さんが、代表辞任を表明した

 小沢さんには“前科”がある。おととし11月、自民党との大連立構想をめぐる騒動で、代表辞任を表明している。このときは1週間余りで撤回した

 「張り詰めていた気力が途切れ、プッツンした」と当時、胸の内を吐露したが、きのうの会見からそんな心境はうかがえなかった。むしろ、笑顔さえ見せながら「挙党一致で、政権交代という大目標実現のため、頑張る覚悟だ」と強気の姿勢を見せた

 一寸先がどうなるか分からないのが政治の世界。西松建設献金事件が招いた不信もしかり。あっという間に、風が回れ右した。最近の世論調査では「代表を辞めるべきだ」との回答が約65%。逆風は強まるばかりだった

 連休中に進退についてじっくり考えたそうだが、唐突という印象は免れない。先月末「総選挙で国民の支持を得られると思っている。信頼を必ず獲得できる」と続投の意欲十分だったからだ

 「次の総理に」と地元の期待が大きかった小沢さん。東北からは戦後、故鈴木善幸さんただ1人が首相の座に就いた。退陣から26年、何人かが挑戦しては敗れた。小沢さんの政権奪取への挑戦は続く。代表辞任は反転攻勢の足場になるか。

 河北春秋 河北新報 2009年5月12日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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あきらめない姿勢を持つことが「初めの一歩」人間に限界なんかない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 新緑の杜の都を舞台に、きのう仙台国際ハーフマラソンが行われた。ランナーの皆さんは満足する走りができただろうか。自己ベストは出せただろうか

 前を見据え、険しい表情で力走する姿を沿道で見ていると、長い距離を走ることの大変さが伝わってくる。これがフルマラソンだと、大変さはどれほどになるのかと思ってしまう

 そんな心配をよそに、このところ世界の男子は高速化が著しい。当たり前のように2時間4、5分台の記録が出るようになった。世界記録は3分台だ。それに比べて日本記録はずっと6分台。上位を占めるアフリカの選手たちに歯が立たなくなっている

 その原因を、かつての名ランナーで実業団の監督も務めた中山竹通さんが、ある雑誌で語っていた。「アフリカ勢の台頭とか日本選手の素質とか言う前に、自分たちが勝つためのトレーニングをしていません」。全くの無名から出発した人の言葉だけに、重く響く

 競技は異なるが、シンクロナイズドスイミングで日本と中国の選手を厳しく育て上げた井村雅代さんは言う。「人間に限界なんかない。自分で限界だと決めつけてしまうだけだ」

 遠くを走る世界のマラソンに、最初から追いつくのは無理と思えばそれまで。あきらめない姿勢を持つことが「初めの一歩」なのだろう。

 河北春秋 河北新報 2009年5月11日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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21世紀医療の底力、水際対策でウイルスの侵入を遅らせ、拡大を遅らせる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 1918―19年に世界で6億人が罹患(りかん)し、4000万人が死亡したとされる「スペイン風邪」。水際対策でウイルスの侵入を半年遅らせた国があった。オーストラリアだ

 港での徹底した検疫で国境を事実上閉鎖。その間にウイルスの病原性が弱まり、軽度の流行で食い止めたという。史上最大のインフルエンザの世界的大流行(パンデミック)を制した希少なケースだった

 航空路線が世界中に張り巡らされた今、水際対策は一層急を要する。成田空港で国内初の新型インフルエンザ感染者が3人確認された。入国前に隔離し、検疫が奏功したと言えるが、ウイルスの国内拡散が迫っていることも示す

 潜伏期間は長ければ1週間とされる。発症前に検査をすり抜ける人も出てこよう。発症前日でも別の人にうつす恐れがあるらしい。感染者の1人が、いったん機外に出てから症状を訴えたのも気掛かりだ

 舛添要一厚生労働相は「フェーズ4(引き上げ)から10日以上時間を稼げた」と、医療態勢などが整ってきたことを強調。「国内発生は時間の問題だと思って危機管理しないといけない」とも述べた

 各地で感染が確認された場合、問われるのは厚労省や自治体の的確な対応。感染をいかに点で抑え、線や面への拡大を遅らせるか。21世紀医療の底力を見たい。

 河北春秋 河北新報 2009年5月10日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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2000回「放浪記」初舞台から48年かけて積み上げた金字塔・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 主役交代の危機は、早くも初演の年に訪れた。地方公演の後、肺炎で緊急入院する事態に。「“代役”という単語を聞いて、ぞっとした。初めての主役。誰にも渡したくなかった」。森光子さんが以前、テレビで語っていた

 ライフワークの「放浪記」が今日、東京・帝国劇場で上演2000回を迎える。初舞台から48年かけて積み上げた金字塔だ。入院先から劇場に通い主役を守った。もし代役を立てられていたら、記録は生まれていなかったろう

 数字を見ればすごさが分かる。山本安英さんが演じた「夕鶴」が1037回、杉村春子さんの「女の一生」は947回。今は亡き名女優二人の代表作を大きく引き離す

 今日が89歳の誕生日。再演のたび発見がある。最近も「いきなり一幕一場から(解釈が)間違っていたと感じる所を見つけた」という。意欲は衰える気配がない

 見せ場の「でんぐり返し」は3回転から1回転に減り、高齢のため昨年には台本から消えた。もっとも「ある日突然やるかも」と本人はいたって元気

 80歳まで夕鶴のおつうを演じた山本さんは、『女優という仕事』の中で「足の裏をしっかり大地につけ、頭に天頂をいただいて、舞台でも日常でもすっくと立っていたい」と書いた。森さんの生き方がまさに、これに通じる。  

 河北春秋 河北新報 2009年5月9日  

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晴れやかな雰囲気「東北のプロスポーツ」楽天イーグルスが首位に立ち・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 会話が弾み、笑い声が響く。宮城スタジアム(宮城県利府町)から仙台市内へ向かうシャトルバスは大型連休中、晴れやかな雰囲気に満ちていた。連敗していたころのよどんだ空気は全くない  

 サッカーJ2ベガルタ仙台の快進撃が続く。先月末から10日間で4戦という過酷な日程を、全勝で乗り切った。J1昇格を決めた2001年のチーム記録に並ぶ6連勝。昇格圏内の3位につける  

 「序盤戦で3敗し、悔しい思いをしたことが生きた」と手倉森誠監督。目標の「ロケットスタート」こそ逃したものの、首位に猛然と迫る。昨年のJ1.J2入れ替え戦で善戦した時以上の勢いだ  

 心強いのは、悪い時でも泥臭く勝つ“大人の試合運び”ができていること。昨季は、下位チーム相手に大事なところで取りこぼすことが多かった。試合内容は良くても勝てなければ意味がない  

 J屈指と言われるサポーターも勢いづく。草津戦などアウェーにも大勢が足を運んだ。連戦はサポーターにとっても厳しい日程だったが、共に戦う手応えを強めたはずだ  

 東北のプロスポーツは、楽天イーグルスが首位に立ち、J1山形も大方の苦戦の予想を覆し現在6位と健闘。レベル向上をアピールしている。ベガルタが今の勢いを持続し、昇格争いをリードすれば、評価は盤石となる。  

 河北春秋 河北新報 2009年5月8日  

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今にも朽ち果てようとする桜の老木「まだまだ育ち盛りだよ」・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 10年以上も前になる。福島県三春町の滝桜を見に行った。満開の時ではない。12月下旬、寒風吹きすさぶ日だった。孤高の巨木は、凍えるように裸の姿をさらしていた

 樹齢1000年ともいわれる。太い幹には空洞もあった。松葉づえのような何十本もの丸木で支えられ、今にも朽ち果てようとする老木に見えた

 ところが、だらりと垂れた枝の先っちょには、無数の若い芽が勢いよく出ていた。「まだまだ育ち盛りだよ」。そんな声がしたような気がした。生命のたくましさに、いたく感動したことを覚えている

 院展評議員などを務めた日本画家の荘司福さんは生前、「満開の桜を描くのに3年はかかる」と話していた。見ごろの時だけでなく、花の咲く前や散った後の枝ぶり、肌の感じもつかむ必要がある。別の桜も見なければ特徴がつかめない

 「満開の下準備が必要なの。『これが桜でござい』と発表する時に、ちゃんとしたものを描かないと本物ではないの」。そうして生み出された桜からは、見る者を圧倒するエネルギーが内からあふれていた

 弘前公園(弘前市)の花も散り、東北の桜は一段落した。兼好法師は「花が盛りの時や月が曇りなく照った時のみ、めでるものではない」と徒然草に書いた。葉桜もまた良し。満開以外の桜にも愛情を注ぎたい。

 河北春秋 河北新報 2009年5月6日

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どんどんのぼれ「こどもの日」子育てをめぐる環境が良くならない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 5月になると決まって思い出してはクスッと笑う短歌がある。<ふろばより走り出て来し二童子の二つちんぽこ端午の節句>。歌人の佐佐木幸綱さんの歌だ

 作者には幼い男児が2人いて、ぷるんぷるんさせながら?元気よく浴室から飛び出してきた。バスタオルを広げ、裸んぼのわが子をつかまえようと追いかける親。ほほえましい光景が目に浮かぶ

 本紙くらし面に掲載の「料理のヒント」。お気づきだろうか、今月から材料表示が4人分から2人分に減った。1人や2人の世帯が増え、世帯当たりの人数は今や2.5人。佐佐木家の光景は遠のく一方だ

 先月、東京で「保育園の数を増やして」とベビーカーを押したパパやママのデモ行進があった。入園を待つ待機児童の数は全国に約4万人。しかもなお増加中だ。子育てをめぐる環境が良くならない

 先進国で最低レベルにとどまる教育関連予算、産科や小児医療の不備など、少子化の原因は数多い。不満は募るばかりだが、それでも忘れたくないのは子育てが親に与えてくれる幸せ。何物にも替え難い

 佐佐木さんには<のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」、そうだ、どんどんのぼれ>という歌もある。父親にとっても子育ては楽しい。こどもの日、そんな喜びをかみしめる日であっていい。

 河北春秋 河北新報 2009年5月5日

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それでも走る「三陸鉄道」赤字補てんし続ける沿線、県市町村・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 大型連休、盛岡市から新緑に彩られる北上山地を越えて三陸沿岸を訪ねた。ETC何とかカードなんかないし、ましてや高速道も通ってない地。「お得感のある旅」とはちょっと言い難い

 ただ、リアスのさわやかな風に吹かれていると、ゆったりとした時間が流れる。便利とかお金とか、そういう価値観では測れない何かに包まれる。都市部の騒々しさから解放された安心感とでも言うか

 岩手県などが出資する第三セクターの三陸鉄道が本年度、開業25周年を迎えた。住民にはなくてはならないレール。線路の小石は地域が地域としてあるために積み重ねてきた苦闘に見える

 全国初の三セク鉄道は国鉄再建法により廃止することになった赤字地方線を引き継いだ。熱意だけで運営していけるほど甘くはなかった。11年目に赤字に転落して以降、業績は右肩下がり

 会社の経営計画によると、2013年度までの赤字額は16億円余りに達する見込み。県とともに補てんし続ける沿線市町村からは「マイレール意識だけで財政出動する時代じゃない」と嘆く声も漏れる

 それでもサンテツは走る。宮古駅(宮古市)の駅愛称を公募し住宅メーカーの会社名を冠した。駅名も「小石浜」(大船渡市)から「恋し浜」へ。トンネルを抜けた先に旅情と安心感が見える。

 河北春秋 河北新報 2009年5月4日

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「宇宙ごみ」生産性のみ重視し開発を急げば、つけは必ず回ってくる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ベルリンの壁が崩壊したのは20年前。東西ドイツ統合直後に西側を驚かせたのは、東側の環境対策のお粗末さだった。川は廃水で汚れ、産業廃棄物は無造作に積まれていた

 「統合の最大の成果は公害拡大を防げたこと」と語った人も。生産性のみ重視し開発を急げば、つけは必ず回ってくる。宇宙空間で今、深刻化しているのも開発のつけ。宇宙ごみ(デブリ)の存在だ

 デブリと化したロシアの人工衛星が2月、米国の衛星に衝突。若田光一さんが滞在する国際宇宙ステーションにも、デブリが衝突しそうになった。米航空宇宙局(NASA)によると、直径10センチ以上のデブリだけで約2万個に上る

 デブリの速度は秒速7―8キロ。小さくても衛星にぶつかれば破壊する威力を持つ。廃棄された旧ソ連の衛星の中には原子炉を積むものもあり、放射能汚染の発生も心配だ

 宇宙を飛行する物体の監視システムを持つ国は結構あるが、軌道情報を統合的に管理する国際的枠組みはない。監視できない小さなデブリを回収する研究が進むものの、実用化には程遠い

 旧ソ連のスプートニク1号(1957年)以来、打ち上げられた衛星は約6700基。廃棄されたものも多い。デブリはぶつかり合って“増殖”する。開発の足元を見直さないと、つけは拡大する一方だ。
      
 河北春秋 河北新報 2009年5月3日  

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「風評被害」人とウイルスとは、長年にわたり戦いを繰り返し・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 今日から本格的に連休を迎える人もいるだろう。なのに、新型の豚インフルエンザに水を差された格好。ここで豚君からクレームがついた。「何で僕だけ悪者に」

 言い分はこうだ。「僕は主役ではない。橋渡し役にすぎない」。インフルエンザにはA、B、Cの3つの型がある。B、Cは人だけに感染、Aは人のほか鳥や豚、馬、ネズミなど多くの動物に感染する。この仲間に新型インフルの犯人がいる

 もともと野生の鳥がウイルスのすみか。突然変異などで姿を変え、人にも感染して悪さをしてきた。今回は、鳥と人の両方のウイルスが豚に感染し、体内で混ざり合って変身したとみられる。豚にとってはいい迷惑だ

 ウイルスは生物とも無生物ともいえる。単独では増殖できず、取りついた細胞に命令して、自分のコピーを作らせる。ずうずうしいやつだ。増殖のスピードが非常に速く、1個のウイルスが24時間後には100万個以上に増える

 メキシコでは、風評被害で豚肉販売が激減したという。「ウイルスは鳥や人にも含まれている」として「豚インフルエンザ」の名称変更を求める声も出ている

 「豚肉を食べても大丈夫」と農水省や専門家は言う。人とウイルスとは、長年にわたり戦いを繰り返してきた。敵に勝つには相手をよく知ることが肝要だ。

 河北春秋 河北新報 2009年5月2日

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春の風物詩シロウオの川への遡上、絶滅危惧種・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「素魚」をご存じだろうか。ヒントは体長5センチほどのハゼ科の魚。素には「透き通った」という意味もある。そう、シロウオ。シラウオ科の白魚とよく間違われるが、少し小ぶりだ

 シロウオの川への遡上(そじょう)は、桜と並び春を告げる「前線」に例えられる。九州から始まり太平洋側は今、三陸海岸沿いを北上中。日本海側は津軽半島に沿い陸奥湾に入った。川で産卵し、ふ化した稚魚は再び海に下る

 おなじみなのが生きたまま味わう「躍り食い」。「口の中でプチプチ跳ねます。残酷ですが、少し苦味があって、美味(おい)しいのです。これを食べないと春が来ない」。作家の高樹のぶ子さんがブログに書いていた

 東北では宮城県南三陸町の伊里前川、能代市の米代川、青森県外ケ浜町の蟹田川などが漁の名所。やなを張ったり、石を積んでつくった魚道に追い込んだり。各地に伝統の漁法が残る

 観光客が多い蟹田川は今が盛り。ただ海と川の水温に差がなく、水が澄んだ日にしか遡上しない。「繊細な魚なので、漁ができる日は限られる。条件が良い日は何日もない」と蟹田川漁協組合長の越田忠治さん(70)

 シロウオは年々減少している。海や川の水質汚染や護岸工事などが原因らしい。環境省は一昨年、絶滅危惧(きぐ)種に指定した。春の風物詩。後世に伝えねばもったいない。

 河北春秋 河北新報 2009年5月1日

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「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」のおじいちゃん・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「あんた、殺しますよ」。こんな物騒なせりふが、映画評論家淀川長治さんの口癖だったそうだ。人懐っこい笑顔が印象的な人の発言とは、ちと信じがたい

 岡田喜一郎著『淀川長治の映画人生』で紹介されている。「最近映画を見ていません」なんて言おうものなら、「殺しますよ」と一喝。今月10日に生誕100年を迎えた

 信じがたいと言えば、作家の太宰治と同い年。39歳で亡くなった太宰は永遠に青年のままだし、淀川さんといえば「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」のおじいちゃんの顔しか思い浮かばない

 母親が活動写真を見ている最中、産気づいたという逸話の持ち主。生涯に見た映画は3万本を超える。「映画は人生の教科書」の名言を残し、1998年に89歳で亡くなった。映像の世紀と言われた20世紀の申し子のような人だった

 2、3年たてば淀川の「ヨ」の字も知らない若者が増えるのでは、と著者の岡田さんは危惧(きぐ)する。でもご安心を。最近、解説付きの名画シリーズがDVDで発売され、映像の中の淀長節は健在だ

 淀川さんに殺されかかった人は、映画関係者に限らない。著者の目撃では、自慢話ばかりの地方名士、気の利かない男に女、返事しないタクシー運転手、絶対に笑わない人。そして、時間を守らないマスコミ人…。

 河北春秋 河北新報 2009年4月30日

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