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2009年6月

ゲンジボタル「ダイヤモンドみたいに光ってね」地域を愛する住民の心・・・ 河北春秋 八葉蓮華

  「ダイヤモンドみたいに光ってね」。青森市細越にある栄山小の児童39人が、学校近くにある小さな堀にゲンジボタルの幼虫を放って2カ月がたつ

 農村地帯の細越地区は昔から青森有数のゲンジ、ヘイケボタルの生息地。都市化の影響などで数が少なくなった20年近く前、ホタル保護に住民が乗り出した  

 ホタルの里の会を結成。休耕田を幼虫や餌のカワニナを育てる「ビオトープ」にするなど環境整備を進めた。児童らがホタルを飼育し幼虫を放つようになったのは8年前からだ

 住民は、ホタルとの関係は近くにある三内丸山遺跡の縄文の時代から続くと信じている。ホタル保護で地域が一つになったのは、「DNAとして引き継がれているから」と里の会の佐藤鉄雄会長(61)  

 ホタルの里づくりは、外へも輪を広げた。県内はもちろん、県外へも。ホタルで地域づくりを進める団体などでつくる全国ホタル研究会にも参加している。7月3日からは全国大会が青森で開かれる。期間中は、地区内のホタル生息地で観察会がある

 涼しい日が続いていた青森地方も最近の暑さでホタルが羽化し、大会のころには飛ぶ姿が見ごろとなりそう。細越のホタルの光に宿るのは、地域を愛する住民の心。児童がダイヤモンドと表現したように、かけがえのない輝きを放つ。

 河北春秋 河北新報 2009年6月29日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「楽都」アマチュアの音楽へのいちずな思いは、時にプロも及ばぬ情熱的な演奏を実現する・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「クラリネットパートを移調してバイオリンで演奏するなど怪しげな編成で、技術も伴わなかったが、張り切って練習した」。仙台音楽研究会のある会員は日記に記した

 大正時代半ばのことだ。仙台市で初の市民オーケストラの試み。弦5部12人にフルート、コルネット程度の編成だが、合奏できる喜びに満ちていた。後に仙台管弦楽団の名称でラジオにも出演する  

 「楽都」をうたう仙台市。中核を担う仙台フィルハーモニー管弦楽団は、長年にわたる市民の管弦楽運動の結晶だ。運動を受け継ぐアマチュアオーケストラの活動は、街の力量を測る重要な指標となる

 創立40周年を迎えた仙台市民交響楽団や仙台ニューフィルハーモニー、演奏会ごとに団員を募るオーケストラ・ドゥ・センダイなどが個性を競う。東北大学交響楽団など学生団体も着実に活動する  

 最近の演奏水準の向上は驚くほどだ。先の定期演奏会でラフマニノフの交響曲第2番に挑んだニューフィルは、叙情性豊かな熱演で聴衆を圧倒。毎回好演する市民交響楽団はきょう、ベートーベンの「第九」を演奏する

 アマチュアの音楽へのいちずな思いは、時にプロも及ばぬ情熱的な演奏を実現する。全団体がお薦め。機会を見てぜひ足を運んでほしい。楽都の底力をきっと確認できるはずだ。

 河北春秋 河北新報 2009年6月28日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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ピーターパンのように「ネバーランド」へ飛び立ったスーパースター・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 英作家オスカー・ワイルド作『ドリアン・グレイの肖像』で、永遠の美と若さを手に入れようとした青年ドリアンはこう語る。「人はその美を失ったら、それがどんなものでも、すべてを失うんだ」

 米国の歌手マイケル・ジャクソンさん急しの知らせを聞いて、最初に浮かんだのがこの一節だった。彼の生涯は、美ぼうの衰えを異常なまでに恐れた主人公とオーバーラップして見える  

 40年前、5人兄弟で「ジャクソン・ファイブ」を結成した当時は、アフロヘアに愛くるしい黒人少年の姿だった。それが1980年代後半から度重なる美容整形で変ぼうを遂げる

 ステージで骨折した鼻の治療が始まりと言われるが、最近の真っ白の肌には驚かされた。色素の一部が抜ける皮膚病が原因とされるが、マスクのような人工的な顔に違和感を覚えた人も多いのでは  

 話題となった広大な遊戯施設「ネバーランド」は、童話ピーターパンに登場する架空の国を目指した。そこでは、大人にならない子どもたちが妖精と暮らす。少年ぎゃく待の疑いを持たれたりしたが、彼自身が妖精となり、理想の王国を築こうとしたのだろう

 ピーターパンのように、永遠に年を取らない国へ飛び立ったスーパースター。世界中のファンは、愛くるしい少年の顔に戻ったと信じているに違いない。

 河北春秋 河北新報 2009年6月27日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「恐竜と鳥の結び付き」恐竜は滅んではいない。君たちの庭にいる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「恐竜は滅んではいない。君たちの庭にいる」。映画「ジュラシック・パーク」の有名なせりふだ。主人公の古生物学者が、子供らに語り掛ける

 庭で遊ぶのは小鳥たち。恐竜が鳥に進化したことを表す。映画が制作された1990年代初め、既に有力な学説だった。90年代後半から、恐竜と鳥の結び付きを示す化石が次々と発掘され、一層勢いづく  

 世界を興奮させたのは、空を飛んだ可能性がある「アルケオラプター」など羽毛恐竜の発見。ただ一つ謎があった。手の痕跡を残す鳥の翼と、鳥に進化したとされる恐竜・獣脚類の手の構造に違いがあったのだ

 謎を解く新種の獣脚類の化石が、中国で見つかった。約1億6000万年前の羽毛恐竜。獣脚類の手は5本指が親指を含む3本に退化したとみられていたが、化石の指は人さし指から薬指までの3本。人さし指は親指の形に変化していた  

 鳥の翼に残る指の痕跡も人さし指から薬指までの3本だ。構造が実は同じだったことが確認された。「獣脚類から鳥への進化が合理的に説明できる」と研究者は色めき立つ

 鳥に進化したとされるのは獣脚類のごく一部の小型肉食恐竜だ。進化の本流ではない。しかし、傍流でもしたたかに生き延びることはできる。鳥類の現在の繁栄は、生命の連鎖の象徴に見えてくる。

 河北春秋 河北新報 2009年6月26日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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もったいない「落とし物」忘れ物に気付いたら早めに届け出を・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 あら、もったいない。売れ残りの弁当やおにぎりを惜しげもなく捨てていた大手コンビニのことではない。落とし物の話

 警察庁によると、昨年1年間に届けられた遺失物は約1700万点に上った。現金は約142億円。白石市や岩沼市の年間予算に匹敵する額だ。うち持ち主に返された物品はたった3分の1。物やお金に執着心のない人、あきらめの早い人が多いのか  

 届け出数は前年より3割以上も増えた。一昨年に遺失物法が改正され、保管期間が半年から3カ月に短縮された。これに伴い、届け出を促す呼び掛けを強めたのが一因という

 都道府県警のホームページ(HP)でも遺失物を検索できる。宮城県警のHPを見ると、相変わらず傘や自転車、鍵が多い。死亡診断書や外国人登録証、酸素マスク、お経といった落とし物も  

 もっとも、人のことは笑えない。先日、実家から大事な書類を自宅に持ち帰った。ところが、家に着くと見当たらない。数日後、警察に届いていることが分かった。電車内で置き忘れたのに気付いてくれた人がいたらしい

 梅雨のさなか、傘など忘れぬように。なお、傘と自転車、衣類は2週間たてば警察の判断で売却できる。他人の手に渡ってから、もったいなかったと悔やんでも後の祭り。忘れ物に気付いたら早めに届け出を。

 河北春秋 河北新報 2009年6月25日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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イスラム革命「独裁者」イスラム体制は民衆の参加なしには存在し得ない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「イスラム体制は民衆の参加なしには存在し得ない」「ホメイニ師の弟子である指導部は自由の意味をよく理解している」。イランの最高指導者ハメネイ師は、こう語っていた

 ちょうど10年前。イスラム革命の指導者、ホメイニ師の没後10周年の追悼式典での言葉だ。ホメイニ師は国民の意思や個人的な生活を重視したと指摘。民意の尊重や自由の重要性を強調した  

 大統領選の結果をめぐり、改革派市民の抗議行動が続くイラン。治安部隊との衝突は銃撃を招き、犠牲者が続出する。当局が鎮圧に踏み切ったのは、ハメネイ師がデモ中止を呼び掛け「お墨付き」を与えたためだ

 敗北した改革派のムサビ元首相は指導部に反旗を翻して再選挙を求め、支持者に抗議デモの継続を促している。当局がデモの封じ込めを強化する中、体制への不満が急浮上した  

 「独裁者にしを」。改革派支持者たちが、夜間に家の窓から叫ぶ。怒りの矛先は、選挙結果からハメネイ師に移った。元首を公然と批判する事態はイスラム革命後初めて

 英国BBCの記者を国外退去処分にし、報道関係者の拘束も相次ぐ。かつて語った自由は表現や集会を規制する自由だったのか。外国メディアとの関係は、やはり最高指導者の変質を測る指標。イスラム革命の支柱は危機にひんしている。

 河北春秋 河北新報 2009年6月24日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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卑弥呼の墓「古代史最大の謎」邪馬台国の場所について・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 日本では46年ぶりとなる皆既日食が、来月22日に迫った。日食といえば、古代史ファンの中には、邪馬台国(やまたいこく)の女王卑弥呼(ひみこ)を連想する人が多いかもしれない

 中国の史書『魏志倭人伝』によると、卑弥呼がなくなったのは248年ごろ。同年と前年の2年続けて皆既日食が起きたというデータがあり(部分食との説も)、この天変と卑弥呼のしを結びつける研究家もいる  

 邪馬台国の場所については、古くから北九州説と畿内説があった。この論争、再び火がつきそうだ。卑弥呼の墓の有力候補とされてきた奈良県の箸墓(はしはか)古墳の築造時期が、240~260年と推定されることが、国立歴史民俗博物館の調査で分かった

 「放射性炭素年代測定法」により、古墳周囲から出土した土器の年代を分析。し亡時期とほぼ重なり、卑弥呼の墓の可能性が強まった。畿内説が優勢となったが、北九州派も黙っていない。季刊誌『邪馬台国』が測定法に疑問を呈するなど、反撃を開始した  

 論争の決着には、箸墓古墳の調査が欠かせない。残念ながら、陵墓指定のため発掘は許可されていない。近い将来「封印」が解かれ、古代史最大の謎が解明されることを期待したい

 邪馬台国の人々は、果たしてどこで日食を見たのだろう。北九州か畿内か。古代史ファンならずとも興味は尽きない。

 河北春秋 河北新報 2009年6月23日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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夢物語「風の王国プロジェクト」再生可能エネルギーとしての風力・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 風の強い場所なら風力発電にもってこいだろうと思っていたら、全く逆だという。巨大な風車は強風に弱く、すぐ故障してしまうそうだ。電力会社の知人から聞いた

 風力発電の難点は、風の強弱で出力が大きく変動すること。文字通り風任せだから不安定で、利用率が高い施設でも3割程度らしい。そこで蓄電設備を造ろうとすると、コストがかさむ  

 太陽光などとともに利用する資源が無限であるため、再生可能エネルギーとして期待を集める風力。二酸化炭素の排出量もわずか。いいことずくめだが、話は簡単ではない

 東北はもともと条件に恵まれ、風力発電が盛ん。風車の導入は北海道に次いで青森が2位、秋田が3位。両県合わせると、約270基(設備容量約36万キロワット)に上る  

 秋田市のNPO法人が海岸線に大型風車1000基を建設する「風の王国プロジェクト」をぶち上げた。技術や費用の面から「夢物語」と決めつけてしまうのは惜しい。国や県が税制や施策で後押しできないものか

 関東大震災後の東京復興などに手腕を発揮した後藤新平は、「大風呂敷」とあだ名された。計画の規模が大きすぎて当時は理解されなかったが、現在からすれば将来を見据えたまっとうなものだった。ちまちました常識論だけでは、地方の閉塞(へいそく)感を吹き飛ばせない。

 河北春秋 河北新報 2009年6月22日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「おれを信じてついてこい」競争に勝ち抜くための必要悪・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 忠言は耳に逆らう。真心を尽くしていさめる言葉は、とかく耳に痛い。だが、この元トップはかすかな痛みさえ感じなかったのか。部下の忠告を一顧だにしなかったようだ

 西松建設の巨額献金事件。前社長の国沢幹雄被告(70)は、「ダミーの政治団体を使うのはまずい」との社内の指摘に、こう豪語したとの証言がある。「おれを信じてついてこい。保証する」

 東京地裁できのう開かれた初公判。か細い声で起訴内容を認めた国沢被告に、かつてのワンマン社長の面影はない。「法違反に対する意識が希薄だった」「競争に勝ち抜くための必要悪と思っていた」と振り返った

 献金の狙いとして検察側が冒頭陳述で強調したのは、小沢一郎民主党代表代行の事務所の「天の声」だ。岩手、秋田両県の公共工事の談合で、本命業者選定に決定的な影響力を及ぼしていたと指摘した

 小沢氏の公設第1秘書の大久保隆規被告(48)が献金の調整に当たり、天の声を出していたことも示した。大久保被告の初公判は早くても8月以降の見通し。民主党や小沢氏は新たな説明を求められよう

 西松事件を検証した民主党の有識者会議による先の報告書は、客観性、中立性に欠け、国民が到底納得できる内容ではなかった。忠言が封じられる党では、真相究明などおぼつかない。

 河北春秋 河北新報 2009年6月20日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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日本最初移植から10年、すぐ日常的になるだろう・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 臓器移植法に基づく日本最初の脳●移植が行われて10年になる。東京支社時代、厚生省(現厚生労働省)で取材しながら「すぐ日常的になるだろう」と、予感したことを思い出す

 それが見事に外れた。定着には程遠く、実施例が81と年平均8例にとどまる。理由の一つはハードルの高さ。このため、海外で移植手術を受ける患者が後を絶たず、「自給自足」を求める声が高まっていた  

 衆院で昨日、臓器移植法改正案が可決された。提出された4案のうち最初のA案。参院で可決となれば、15歳未満でも家族の同意があれば臓器を提供できる

 子どもの臓器移植に道を開き、待機を余儀なくされている移植希望者にとっては、朗報に違いない。でも、「●」という重いテーマをたった9時間の審議で決めてしまっていいのか、という疑問が頭から離れない  

 改正案は「脳●は人の●」と明確化し、本人が拒否の意思表示をしていなければ、家族の同意で移植可能となる。本人の人権はどうなるのだろう。あるいは医療現場で、わが子の脳●を親が「●」と納得できる説明が、どこまでできるのか。課題は限りなく多い

 忘れてならないのは、臓器移植はあくまで暫定的な措置ということ。人工臓器の開発や再生医療の推進が、目の前の宿題であることは論をまたない。

 河北春秋 河北新報 2009年6月19日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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太宰治生誕100年。かれは、人を喜ばせるのが、何よりも好きであった!・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「明治以降、日本の作家で文学史に残るのは、森鴎外とおれしかいない」。太宰治は断言した。1944年12月。魯迅を描く小説『惜別』の取材で仙台市を訪れた時のことだ

 気が小さく、人見知りもするが、酒が入ると途端に雄弁になる。この時もしたたか酔っていた。相手は河北新報社の出版部員。突然の言葉に驚いたが、太宰の本音、揺るぎない自負心を感じ取ったという  

 『津軽』『富嶽百景』などの名作を次々と生み出し、創作活動は波に乗っていた。数々の実験小説、女性独白体など独創的な手法、文体を駆使した作品も発表。大言にふさわしい高みに達していた

 今年は太宰生誕100年。あすが誕生日だ。近年、作品の読まれ方は随分変わった。以前は無頼派にくくられ、青春の文学と見なされた。今は世代を超え、愛読されている。『人間失格』のユーモアも理解されるようになった  

 人気の秘密を解く鍵がある。太宰自身が墓碑銘に望んだとされる、作中の有名な言葉。「かれは、人を喜ばせるのが、何よりも好きであった!」(『正義と微笑』)。全作品と生涯を見事に言い表す

 太宰文学は20カ国語以上に翻訳されている。国際的評価は高まる一方だ。世界の文豪と比較されることも多い。敬愛する鴎外をしのぎ、時も超えた作品群は一段と光り輝く。

 河北春秋 河北新報 2009年6月18日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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記録への挑戦とファンの期待は、輝きを放つプレーの原動力・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 大リーグのイチロー選手がヒットを打ちすぎるからと、バットを500グラム重くしたら…。大相撲の白鵬関は強すぎるからと、まわしに5キロの重りを付けたとしたら…。見たいような見たくないような

 スポーツは技量と技量、力と力の対決がベースにあって見る者を魅了する。その根底が崩れると、戦いのシーンは途端に味気ないものに変わる。下手をすると茶番になる恐れだってある

 こちら岩手競馬は今季、世界で初めて騎手ハンディ戦を導入した。既に始まっており、年間20レース程度。馬ではなく、騎手の能力に応じて負担重量を決めるのがミソ。最近の騎乗成績がモノを言う

 斤量の変化に戸惑う馬を生かすも殺すも手綱さばきだ。だが、それも限界があるはずで、着順予想はなかなかつきにくい。県競馬組合の担当者も「高配当が期待できますよ」と手応えを強調する

 これぞギャンブルの醍醐味(だいごみ)ということか。人馬逆転のハンディ戦は観戦者をスリリングな展開に引き込む。演出の妙とはいえ、スポーツの枠を超えたところで勝負の奥深さに触れられる

 ハンディを背負った人は実は強い。イチロー選手は「プレッシャーをむしろ楽しみたい」とよく語る。記録への挑戦とファンの期待はハンディと言えなくもない。輝きを放つプレーの原動力を考える。

 河北春秋 河北新報 2009年6月17日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「仕事への誇りと責任感」うそ、ごまかし、偽装、偽造・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 1980年代の中国を舞台にした映画「山の郵便配達」は、険しい山道を何日もたどり、心待ちする村人らに手紙を届ける郵便配達員の物語だ

 退職の決まった配達員が、跡取りの息子を連れ配達先を教える3日間が描かれる。黙々と歩き、村人と交流する父親の姿にじかに接して、息子は仕事への誇りと責任感を肌で感じる。父親が伝えたかったのは、郵便は「心を運ぶ」こと

 心を運ぶどころか、うそ偽りを運んだのが、障害者団体向けの割引制度を悪用した郵便不正事件である。何と「女性キャリアのエース」と言われた、厚生労働省の現役局長が逮捕される事態に発展した

 事故米の不正転売やウナギの産地偽装など、食品偽装事件が続いた。今回は、高級官僚を巻き込んだ組織ぐるみの犯罪の可能性がある。うそにごまかし、偽装、偽造はここに極まった感がある

 映画では、目の見えないお年寄りの女性に、孫の手紙を届けるシーンがあった。配達員が広げた便せんは白紙。いかにも便りが書いてあるように読み上げる。一語、一語をかみしめるように聞く女性

 ついていいうそと、悪いうそがあるならば、映画のうそは前者であろう。しかし、障害者団体の名をかたり郵便料金をごまかした不正は、決して許されるものではない。徹底した解明を望みたい。

 河北春秋 河北新報 2009年6月16日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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今年は絶望「婚活」トキの佐渡での定住、ペア誕生の可能性・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ほとんどの鳥類は結婚の決定権を雌が握っている。雄やその縄張りが気に入ればペアになるが、嫌なら飛んでいく。雄に雌を呼び戻す手だてはない

 新潟県佐渡島で昨年9月に放鳥されたトキ。雄はやるせない思いで繁殖期を終えつつあるに違いない。生存が確認されている雌雄各4羽のうち、すべての雌が再び本州に渡ってしまったからだ

 自然界で6月以降にペアができる可能性は低い。環境省佐渡自然保護官事務所は「今年の繁殖は絶望」とみる。雌1羽が4~5月に佐渡に戻り、雄と共に行動したこともあっただけに、無念さは隠せない

 放鳥後、佐渡での定住を見込んだが、雌の行動範囲は予想以上に広かった。「今回はすべてが手探りの状態だった。行動パターンを分析して今後に生かしたい」。自然保護官の笹淵紘平さんは語る

 今年は9月末ごろ、15羽程度を放鳥する計画だ。無理なく飛び立つよう現場にケージを造り、1カ月ほど飼育してから放す。「群れをつくりやすい方法を取ることで、今度こそ、繁殖に結び付けたい」と笹淵さん

 トキの学名は「ニッポニア・ニッポン」。現在のトキは、もとは中国産とはいえ、野生復帰の意義は大きい。放鳥数が増えれば、ペア誕生の可能性も高まろう。自然繁殖が進み、空がトキ色に輝く日が待ち遠しい。

 河北春秋 河北新報 2009年6月14日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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岩手・宮城内陸地震から1年「復興」へ1歩ずつ前に・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 アトリエの窓から見える栗駒の風景が、いつもと違っていた。「今まで感じたことのない異様な美しさ。なぜか、優しい衣に包まれた気分だった」。日本画家の能島和明さん(65)の話だ

 地震発生の2週間ほど前という。栗原市耕英地区の仕事場で、スケッチの最中だった。「後で考えると、地震の前触れだったように思う」。画家の感性が、前兆を視覚的に感じ取ったのかもしれない

 岩手・宮城内陸地震から、あすで1年を迎える。被災地を訪ねると、山は鮮やかな緑に包まれ、近くで鳥のさえずりが聞こえた。道路でヘビが日なたぼっこをしている。一見、のどかな風景だ

 が、視線を少し移すと山の斜面がごっそり削られ、茶色の肌がむき出しになっていた。立ち入り規制された道路を、復旧工事のトラックが何台も通り過ぎる。廃虚となった家も見かけた。つめ跡はなお残る

 1年ぶりに自宅に戻った男性(78)が庭の手入れをしていた。「長い1年だった。やっぱり家はいい」と感慨深げに話す。一方で家の修復が間に合わず、帰れない人も多い

 被災者の生活再建には、自助に加え地域で支え合う共助、行政支援による公助の連携が欠かせない。元の生活に戻す「復旧」から、より安心できる町づくりを進める「復興」へ。長い道のりだが、1歩ずつ前に。

 河北春秋 河北新報 2009年6月13日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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最後に勝負を決める何か「あの夏の勇姿」技術だけではない何か・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「あの勇姿が今も脳裏をよぎります」。先日、本紙「声の交差点」の投稿が、今は山口県に住むある男性の20年前の夏の記憶をそうつづっていた

 1989年、宮城・仙台育英高のエースとして夏の甲子園で準優勝した大越基さん(38)。日本学生野球協会からアマチュアの指導者資格を認められ、今秋、山口・早鞆高野球部の監督になるという

 早大に進み、1年春の東京六大学リーグでは優勝投手にもなった。だが、その後、大学を中退、米マイナーリーグへの転身、ダイエー(現ソフトバンク)入団と目まぐるしく人生が変わった

 ドラフト1位でのプロ入りだったものの、思うような成績は挙げられず、最後は戦力外通告を受けた。2003年に引退後、教員免許を取得。アマ資格を得るため、早鞆高で体育教員を務めていた

 指導者の道に進んだのは、高校野球で経験したことを伝えたかったからだという。手に汗握る熱戦となったあの甲子園の決勝では、わずかに及ばなかった。「甘さがあった」と振り返る。技術だけではない何か。最後に勝負を決める何か

 決して平たんではなかった道を歩んできた経験が、必ずや次代の指導に生きるはずだ。あの夏の勇姿を今も記憶にとどめる東北のファンの思いが、人づてに伝わって後押しの力になればいいなと思う。

 河北春秋 河北新報 2009年6月12日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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新型インフルエンザ世界的大流行、ほぼ全域に広がった・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ゆっくりと、しかし確実に病原体はやって来た。メキシコを出発点に、ジグソーパズルのように世界地図が埋められてきたこの1カ月半。新型インフルエンザのピースが、ついに東北にもはめ込まれた

 盛岡市で感染者が見つかったのに続き、宮城県に修学旅行に来ていた岩手県の小学校のバス添乗員が感染した。さらに、修学旅行で秋田県の田沢湖を訪れた神奈川県の中学生の感染も確認。東北全体に広がりつつある  

 神戸市などで学校が再開され、「終息宣言が出るかも」との期待もあった。だが、新型インフルはそう甘くはなかった。ここ数日、全国で感染が拡大し、ほぼ全域に広がった

 スペイン風邪が大流行した1918年、巡洋艦「矢矧(やはぎ)」がシンガポールに寄港した。乗組員の上陸を禁止した艦長が、沈静化したとみて許可すると、これが裏目に。ほぼ全員が発病、1割を超す48人が死亡した(岡田晴恵編『強毒性新型インフルエンザの脅威』)  

 始末の悪いことに、ウイルスは潜伏したり、発現したりを繰り返す。4000万人の命を奪ったスペイン風邪では、第2波、第3波が被害を大きくしたといわれる

 世界保健機関(WHO)による世界的大流行(パンデミック)の宣言も予想される。過度に怖がる必要はないが、侮るのも禁物。冷静に迎え撃ちたい。

 河北春秋 河北新報 2009年6月11日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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凱旋公演「のぶカンタービレ!」国際ピアノコンクールでの栄冠・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ピアニストの辻井伸行さん(20)に「川のささやき」という自作曲がある。川沿いを歩いていると、せせらぎがそっと語り掛けてきた。その印象を表現したという。透明感と親しみやすい旋律が魅力

 生まれつき全盲の辻井さんは、幼いころから自然の音にも敏感だった。キャンプ場で「木の葉の音が東京と違う」と語ったと、母親のいつ子さん(49)が書いている(『のぶカンタービレ!』)

 聴音感覚はずばぬけている。片手ずつ演奏してもらったテープを聴いて作品を覚え、自分の音楽を組み立てていく。10歳の時にオーケストラとの協演でデビューして以来、神童として期待され続けてきた

 辻井さんが米国のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した。米国、ロシア、フランスなど海外での演奏経験は豊富だが“国際タイトル”獲得は初めて

 「聴衆がとても温かかった。自分の音楽に感動してくれたのがうれしい」と振り返る。奇をてらわぬ解釈と、音楽の喜びを人々に伝える強靱(きょうじん)なパワー。持ち味は存分に発揮されたようだ

 課題曲が多く過酷なことで知られるコンクールでの栄冠。演奏に触れ、盲目のハンディを感じる人はいないだろう。注目の凱旋(がいせん)公演は13日。北上市で、ロシアのオーケストラとラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏する。

 河北春秋 河北新報 2009年6月10日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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無差別の悪夢「あの時」から時計は止まったまま・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「とうとう日本でも起きてしまったか」。速報が流れた瞬間、体の震えが止まらなかった。8年前の6月8日、大阪・池田小で発生した児童殺傷事件。学校が殺りくの舞台になるとは。まるでよその国の出来事を見ているように思えた

 昨年も同じ震えを覚えた。東京・秋葉原の無差別殺傷事件。偶然とはいえ、多くの犠牲者を出した事件が同じ日に起こるとは。デジャビュ(既視感)のように、悪夢が重なり合ってよみがえる

 秋葉原の現場では、若者が花を手向け「風化させてはいけない」と取材に答えていた。池田小事件で子を失った母親は「この傷を一生背負っていかなければいけない。今は心の奥深く、静かに沈む悲しみになった」と語る

 奥野修司著『心にナイフをしのばせて』は、40年前の殺人事件の被害者家族に取材した記録だ。高校生が同級生の首を切り落とすという、神戸の児童連続殺傷事件を想起させるショッキングな事件だった

 母親は当時の記憶を失っていたが、一つだけ形見の腕時計を覚えていた。「あの子が死んでも腕時計が動いているなんて、見ていられなかった」と回想する

 殺人事件は被害者だけでなく家族や友人など、多くの人生をも狂わせる。しかも時が癒やしてくれるとは限らない。「あの時」から時計は止まったままだ。

 河北春秋 河北新報 2009年6月9日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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サッカーW杯4大会連続出場「まだスタートライン」ベスト4を目標・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 サッカーW杯を国民の多くが意識したのは1993年、Jリーグ開幕の年だろう。待っていたのはアジア最終予選の「ドーハの悲劇」。日本はロスタイムに同点弾を浴び、初出場を逸した

 テレビ解説で言葉を失ったのが、現日本代表監督の岡田武史さんだった。97年に初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」。当時監督だった岡田さんは両手を突き上げ、ピッチに駆け込んだ

 W杯出場は見果てぬ夢ではなくなった。きのうウズベキスタンをアウェーで下し、4大会連続出場を見事に決めた日本。アジアでの強さを証明した。開催国の南アフリカを除き、出場決定第一号のおまけ付きだ

 ジーコ監督の下で臨んだ前大会は、個の力を重視したサッカーを展開したが、決勝トーナメント進出はならなかった。今の岡田ジャパンは、より連動性とスピードを生かした、日本ならではのスタイルを確立しつつある

 ファンも驚くほど、若手選手を次々と起用。チーム力の底上げを図った。国内組と欧州組の連係も高まる。「今の方向を突き詰めればもっと強くなる」。選手たちに迷いはない

 ベスト4を目標に掲げる岡田さん。「まだスタートライン」だと強調した。本大会まであと1年。どこまで進化できるか。新たな戦いが始まる。膨らみ続ける国民の期待を背負って。

 河北春秋 河北新報 2009年6月8日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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遅咲き「後手という生き方」35歳で棋士となった瀬川四段・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 将棋の名人戦が佳境に入っている。秋田市で先日行われた第5局は郷田真隆九段が羽生善治名人に勝って3勝2敗。次に郷田さんが勝つと初の名人位、羽生さんが勝てば最終局へ

 2人とも38歳。この前後は羽生世代と呼ばれ、天才がひしめいている。そんな中にあって異質の人が1人。将棋ファンにはその動向も目が離せない。瀬川晶司四段だ。先月、順位戦のC級に昇格した

 瀬川さんは遅咲きも遅咲き。プロになれずに会社員になった。ところがアマ棋戦で優勝したり、プロを立て続けに破ったり。3年前、異例のプロ編入試験に合格して、棋士となった。当時、35歳

 先手と後手。政治や外交が後手に回ってはお話にならないけれど、将棋の場合は後手不利とは限らない。瀬川さんの著書『後手という生き方』によると、相手任せにして付いて行けるメリットがあるそうだ

 今度の名人戦では後手番が4局続けて勝っている。ようやく先手番が勝ったのは5局目。先手を引くどころか、後手後手の人生しか送って来なかったわが身を将棋に重ねると、将棋には別の面白さも

 「後手よりさらに2手遅れ」と自らを評する瀬川さん。C級での対局は来年からだ。後手ならではの、最年長でタイトルを取る可能性だってある。“後手棋士”の頑張りが不思議に楽しい。

 河北春秋 河北新報 2009年6月7日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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人間の時刻表「体内時刻」生活が不規則になりがち・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 時差ぼけになるのが嫌で、海外旅行を避ける友人がいる。特につらいのは睡眠障害だとか。確かに寝るべき時に眠れないと、体も心も変調を来す

 原因が「体内時計」にあることはよく知られる。体に刻まれた時間と現地での時間のずれが修正されないと、時差ぼけは解消しない。体内時計が睡眠や体温、ホルモンの分泌などを調整するためだ

 体内時計にはもちろん、今何時か表示する機能はない。その「体内時刻」の測定に、慶応大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)などが、マウスを使った実験で成功した

 血液中には、酵素などの働きで作られる代謝物質がある。このうち24時間周期で量が変化する471の物質を特定。物質の量が時間に伴い、どう変化するかを示す「時刻表」を作成した。血液を調べて表と比較すれば、瞬時に体内時刻が分かる

 今後1年ほどかけて、人間の時刻表の作成を目指すという。実現すれば、適切な時間に投薬などを行う「時間治療」に活用できる。例えば、抗がん剤を効きやすい時間、副作用の少ない時間に、正確に投与することも可能だ

 現代人は生活が不規則になりがちなため、体内時刻がずれやすいという。時差ぼけどころか、うつ病の原因になるとされる。体内時刻の測定は、現代病の診断や治療にも新たな一歩を刻みそうだ。

 河北春秋 河北新報 2009年6月6日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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迷宮入り「DNA鑑定」最新兵器に翻弄された17年、真犯人が別にいる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

DNA鑑定という“最新兵器”に翻弄(ほんろう)された17年。足利事件で無実を訴えていた菅家利和さん(62)が4日、釈放された。「つらいことが多かったが、支援者のおかげで頑張れた。警察官や検察官は謝ってほしい」と、会見で涙をにじませた

 一審の公判途中から無罪を主張。捜査段階の自白やDNA鑑定の信用性が争われた。しかし最高裁はDNA鑑定の証拠能力を認定し、いったんは無期懲役が確定した

 だが、あきらめなかった。訴えが聞き届けられたのは先月。再鑑定の結果、犯人のものとされる体液とDNA型が一致せず、真犯人が別にいる公算が大きくなった

 「黒」の判定が覆された背景には、DNA鑑定の精度の飛躍的な向上がある。逮捕当時、誤って同一人物とする確率は1000人に1.2人。現在は4兆7000億人に一人という天文学的な数字だ

 昨年、DNA鑑定をした事件は全国で約3万件に上る。「動かぬ証拠」として、本来は冤罪(えんざい)防止の役割が期待される技術だ。が、今回は捜査の切り札だったはずの鑑定が逆に冤罪を生むという、皮肉な結果となった

 無罪が確定すれば迷宮入りとなる。被害者遺族の心痛は、いかばかりか。当時、栃木県足利市内で起きたほかの2件の幼女殺害事件も未解決。遺族のやるせなさは残されたままだ。

 河北春秋 河北新報 2009年6月5日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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天安門事件から20年、飛躍的な経済発展、民主化は後退し・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「(学生は)問題点の是正を求めただけで、体制の転覆を企てたわけではない」「弾圧する軍隊を動員するような総書記には絶対にならないと誓った」

 中国で1989年に起きた天安門事件を前に失脚した、故趙紫陽元総書記の回顧録の一節だ。学生らの民主化運動を擁護、武力弾圧に踏み切った最高指導者、故鄧小平氏を批判する。先月、米国などで出版された

 軟禁中の2000年ごろ、テープに吹き込んだという。事件前、趙氏はハンストを続ける学生らを見舞って涙を流し、戒厳令に反対した。直後に事実上すべての役職を解任される。そして弾圧は起きた

 天安門事件からきょうで20年。趙氏ら改革派を排し、共産党独裁下で市場経済の導入を進めたことは、飛躍的な経済発展をもたらし、北京五輪開催も実現した。しかし、事件の詳細は今も明らかではない。死者数さえも不明だ

 事件当時の学生指導者、王丹氏は、米国で「事件前と比べ民主化は著しく後退した」と指摘。政治改革に消極的な中国政府を批判する。王氏らは祖国への入国を今も拒まれている。事件はまだ終わらない

 回顧録で趙氏は「議会制民主主義の採用」も強く訴えた。中国国内では論じることさえ封じられてきた天安門事件。趙氏や王氏の嘆きや怒りが、民衆に届くのはいつの日か。

 河北春秋 河北新報 2009年6月4日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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国際宇宙ステーションに長期滞在、毎日全力で走るマラソン・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「再生システムで処理された水の味は、地上で飲む水同様、とてもおいしい」「無重力環境下では、筆にたっぷり墨を含ませても垂れない。一筆書きには理想的」  

 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する若田光一さん。ブログで日々の生活を生き生きと伝える。鮮明な写真も注目だ。筆を振るった時は、地球を見て心に浮かんだ「景雲飛」という言葉を記した  

 ISSに到着して2カ月半。滞在期間は残り1カ月を切った。地上では宇宙航空研究開発機構の十数人の健康管理チームが生活を支える。米航空宇宙局(NASA)依存からの脱却へ、一歩を踏み出した  

 宇宙では骨量が1カ月で1%以上減少し、筋力も3カ月で20%衰えるという。効果的な運動が重要。また、1日で地上の約半年分の放射線量を被ばくする。心身両面をどう支えるか、地上チームは気が抜けない  

 宇宙生活の快適さを繰り返して語る若田さん。宇宙食はその源の一つだ。白飯やサバのみそ煮、ラーメンなど、日本食28品目も持ち込んだ。他国の飛行士にも好評らしい  

 もちろん仕事は多忙。1日深夜に記者会見した若田さんは「毎日全力で走るマラソンの印象」と語った。注目の実験は既に一部が公開されたが、本格的な成果は帰還後にじっくり紹介してくれよう。今から楽しみだ。  

 河北春秋 河北新報 2009年6月3日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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本番で最高のパフォーマンス、花を咲かせるため・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ウインタースポーツは今がオフシーズン。かといって、のんびりと休んでいる選手はいないだろう。来年、カナダ・バンクーバーで開かれる冬季五輪出場を目指すカーリング女子、チーム青森の5人も冬に花を咲かせるため、この時期、鍛えている

 先日、青森市内で行われた公開練習。メンバーが念入りに取り組んでいたのは、フィジカルトレーニングだった。腹筋や背筋を鍛えるメニューが続く。見た目よりハードなのは、すぐに汗が噴き出てくることで分かった

 チームはトリノ五輪後、筋トレに励んできた。目的は、2時間半ほどかかる試合で安定したフォームを保ち、長丁場のシーズンを戦い抜く体をつくることにある

 効果を実感しているとメンバーは口をそろえる。そうはいっても、1日3、4時間、1週間に6日の単調な練習。「つらいと思うときはある」とは目黒萌絵主将。「そんなときには、五輪のリンクに立つ自分の姿をイメージしているんです」

 かつて青森県出身のスキー選手が夏のトレーニングで、びっくりするような大きな負荷をかけて自転車をこいでいるのを取材した。スキー選手がそこまでやるのかと思った

 「本番で最高のパフォーマンスを」。その日のために、カーリングの5人娘もオフに汗を流す。努力は報われると信じたい。

 河北春秋 河北新報 2009年6月2日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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個人の飼育には向かない外来種、生態系への影響、モラルも問われる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 20年ほど前、南陽市の水田で素早くはい回る生物を見つけ、はっとした。カブトエビ。西日本にしか分布しないはずなのになぜ? 震える手で数匹つかまえた

 調べてみると“大発見”は見事な空振り。酒田市や南陽市で局地的に生息することが、既に報告されていた。しかも、西日本のアジアカブトエビなどとは別種のヨーロッパカブトエビだった

 今はどこにどんな生物が現れてもあまり驚かない。新たな外来種が次々と見つかるからだ。東京の皇居の堀でもついに、肉食魚のガーが捕獲された。ブラックバスなどと同様、誰かが放したらしい

 生息するのは北米など。ワニのような細長い口と鋭い歯を持ち、小型種でも体長約1メートル、最大のアリゲーターガーは3メートルにもなる。琵琶湖などでは時折捕獲され、生態系への影響が懸念されている

 ガーは観賞魚として流通。比較的安価で入手できるが、成長が早く個人の飼育には向かない。巨大化し、持て余すケースが多いらしい。最近発見が相次ぐワニガメなども同様。販売業者のモラルも問われる

 生物多様性条約事務局(カナダ)によると、外来種の駆除費用は世界全体で年間約133兆円に上るという。今は宮城県などにも生息するカブトエビ。水田の除草をしてくれるこんな生物なら、分布拡大は大歓迎だが。

 河北春秋 河北新報 2009年6月1日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「レオナール・フジタ展」祖国を追われ、日本名を捨てた・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 いつのころからか、展覧会に行くと作者の署名を見る癖がついた。洋画ならば、カンバスの右下にさらさらとサインを入れる作家が多い。ルノワールやルソーはそうした“正統派”だ

 モディリアニは右下だったり、右上だったり。ユニークなのはゴッホ。絵の中の箱や花瓶に「ビンセント」と署名した。ピカソは、若い時にはサインを入れたが、後年は年月日だけを記した作品が目立つ

 藤田嗣治(1886―1968年)はローマ字で書いた上に、「嗣治」や「藤田」と漢字の名前を添えた。長年、フランスで活躍しながらも、日本人であることを常に意識していたのだろう

 せんだいメディアテーク(仙台市青葉区)で開催中の「レオナール・フジタ展」(6月7日まで)の会場でも、端正な漢字のサインに目が引き寄せられた

 よく見ると、戦後の作品から「嗣治」の文字は消えていた。戦争画を描いたことが批判の的となり、祖国を追われるように49年にフランスへ移住した。仏国籍を取得してレオナール・フジタと改名、日本名を捨てた

 絵を描き上げた後、署名を入れて作品は完成する。どんな気持ちで、漢字のない名前を書いたのだろう。1個のサインが、作者の人柄はもとより、本人がたどった歴史、作品にかける思いを想像する手掛かりになる。

 河北春秋 河北新報 2009年5月31日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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