« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

2010年2月

動物園の役割、高価な「客寄せパンダ」に終わらせない創意工夫・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ジャイアントパンダは中国語で大熊猫と書く。猫には全く似ていないものの、一足先に発見された小熊猫(レッサーパンダ)が名前の由来と聞けば合点がいこう

 分類をめぐり、これほど議論された動物も珍しい。クマ科かアライグマ科か、パンダ科として独立させるべきか。遺伝子解析でクマと祖先が共通と分かり、ようやくクマ科に落ち着いた  

 東京の上野動物園に来年、中国からパンダのつがいがやって来ることになった。2年前に「リンリン」がシんでから不在で、地元が復活を強く要望。難色を示していた石原慎太郎知事がついに折れた

 「高いが人気がある商品。動物園も営業を考えなくてはならない」。年間95万ドル(約8500万円)を支払って借り受けることで、中国側と合意した。入園者数増加への切り札となろうが、それだけでは寂しい  

 動物園には四つの役割があるという。レクリエーションの場に加え、社会教育や種の保存、そして調査・研究の場であることが求められる。希少動物保護の大切さを訴え、繁殖研究も進める絶好の機会になるはずだ

 以前、パンダ外交という言葉があった。ワシントン条約で中国が他国に譲渡できなくなり、パンダビジネスになったとの指摘もある。高価な「客寄せパンダ」に終わらせない創意工夫が見たい。

 河北春秋 河北新報 2010年2月23日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

選手寿命「フォー・ディケード・プレーヤーズ」本人の不断の努力と節制が大切・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 米大リーグの一部のベテラン選手にとって、2010年は特筆すべき年になる。1980年代から10年代まで、四つの年代(ディケード)にわたってプレーすることになるからだ。英語では「フォー・ディケード・プレーヤーズ」と呼ぶ

 通算630本塁打のケン・グリフィー選手ら3人が該当するほか、所属先が未定の2選手にも可能性がある。最低でも22年間一線で活躍するだけでなく、デビューがその年代の後半という巡り合わせも必要なため、過去に14人しかいない  

 日本のプロ野球に目を転じると、正確な資料は手元にないが、こちらも野村克也、王貞治、張本勲3氏ら数えるほど。だが、今季は“有資格者”が7人もいる

 沖縄・久米島キャンプでの調整が順調な東北楽天ゴールデンイーグルスの山崎武司選手もその一人。1989年に公式戦デビューを果たした。開幕戦に出場すれば、野村前監督らと肩を並べる  

 トレーニング法やスポーツ医学の進歩により、選手寿命が延びていることが背景にある。本人の不断の努力と節制が大切なのは言うまでもない

 11月で42歳になる山崎選手も衰えを知らない。今季は、通算2000試合出場(あと135試合)と400号本塁打(同37本)の目標がある。悲願の優勝のためには、主砲の記録達成が欠かせない。

 河北春秋 河北新報 2010年2月22日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「隣の花は赤い」東京からの時間距離は秋田が最も遠くなる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 お隣がよく見えることを「隣の花は赤い」と言う。時にうらやましいを通り越し、憎らしいと感じることもある。盛岡「2時間と少々」、青森「3時間ちょい」なのに、秋田は「今まで通り4時間」

 どう思うかと、秋田の知人が聞く。ことし12月に新青森駅まで新幹線が延び、さらに新型列車でスピードアップされると、東京駅までの所要時間はそうなるらしい。東日本の県庁所在地で、東京からの時間距離は秋田が最も遠くなる  

 「ミニ」とはいえ、秋田新幹線は乗り換えなしで行き来できるから、八戸で乗り換える青森の人たちに少しばかり優越感を持てたという。「だから少々しゃくにさわる」

 矛先は、先ごろ発表された「こまち」の新型列車に向かう。最高時速320キロの能力を持ちながら、盛岡と秋田の間は在来線のため、時速130キロでしか走れないからだ  

 列車の姿は鼻の長い流線形で格好良く、なまはげや竿燈をイメージした外装上部の赤も美しい。高級車フェラーリのデザインで知られる奥山清行さん(山形市出身)の監修だけのことはある

 スーパーカーだって、曲がりくねった狭い山道では、のろのろと走ることしかできないのに似ている。「『隣の新幹線は赤い』とは、遅いっていう意味になるのかもね」。知人の愚痴はもう止まらない。

 河北春秋 河北新報 2010年2月21日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

世界最高峰の技に触れられる醍醐味、ライバルたちが研究し、身に付けて・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 五輪のモットーは「より速く、より高く、より強く」。その時点で世界最高峰の技に触れられるのが醍醐味(だいごみ)だ。バンクーバー五輪でも技術の進化には驚かされる

 女子モーグルで4位に入賞した上村愛子選手の最大の武器はスキー板をスライドさせない「カービングターン」。少し前まで上村選手にしかできなかったターンを、ライバルたちが研究し、身に付けていた  

 フィギュアスケート男子で勝負を左右するとみられたのは4回転ジャンプ。トリノ五輪覇者で、4回転の名手プルシェンコ選手(ロシア)が現役復帰したこともあって、有力選手が次々と取り入れた

 果敢に挑んだ大技こそ失敗したが、高橋大輔選手が銅メダルを獲得した。この種目で日本人が表彰台に上がったのは初めて。「4回転で金を狙った」。攻めの姿勢を貫いたのが良かったのだろう  

 右ひざ靱帯(じんたい)断裂の大けがで昨季を棒に振った。過酷なリハビリで体を一からつくり直したものの、ブランクは体力を奪った。自分との戦いでもあった大舞台。「強い気持ち」だけは忘れなかった

 織田信成選手が7位、小塚崇彦選手も8位に入賞。史上最強の布陣と言われたフィギュアで、男子は新たな歴史を刻んだ。来週行われる女子の競技に弾みをつけよう。アベックでのメダルが現実味を帯びてきた。

 河北春秋 河北新報 2010年2月20日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

テレビ草創期から常に大衆と共にあり、役者人生を貫いた・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 俳優の藤田まことさん宅には、自分が出演した作品のビデオが150本ほどある。いずれも納得がいかない作品だ。しくじったから、じっくり見直す必要があるという

 「失敗作こそ僕の財産かもしれませんな。ただ、ふつうの財産と違うのは、増やしてはならないところ」(著書『最期』)。役者として、芝居に決して妥協しなかった姿が浮かび上がる  

 「てなもんや三度笠」のあんかけの時次郎、「必サツ」シリーズの中村主水、「はぐれ刑事純情派」の安浦刑事…。世代によってファンが思い描く役柄はさまざまだろう。時代劇から現代ドラマまで幅広くこなした

 「てなもんや」は「おれがこんなに強いのも、当たり前田のクラッカー」のフレーズが当たり、視聴率65%を稼いだ。「必サツ」では、昼あんどんとバカにされながらも闇の顔を持つ、新ヒーロー像を打ち立てた  

 藤田さんが76歳で亡くなった。一昨年に食道がんの手術をしたが昨年1月に「必サツ」新シリーズで復帰。秋から肺疾患の治療のため再び休養したものの、先月「必サツ」のナレーションで復帰したばかりだった

 友人で作家の藤本義一さんは「大好きな道を最後まで進んだ信念の人。まだまだこれからを生きる人だった」と悼んだ。テレビ草創期から常に大衆と共にあり、役者人生を貫いた人だった。

 河北春秋 河北新報 2010年2月19日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

暴力は感染する「人を尊重する心」封じ込める処方せん・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 話しながら涙があふれる。「何年たっても心の傷は癒えません」。千葉県に住む女性(48)。娘(21)が高校1年の時、同い年の交際相手からドメスティックバイオレンス(DV)を受けた

 DVは大人だけの問題ではない。高校生や大学生のカップル間でも急増し、デートDVと呼ばれる。女性は「ビッグママ」の名で親としてのつらい体験を語り、防止を訴える活動を続けている  

 携帯メールでの束縛、脅しやののしり。殴られ、首を絞められ、包丁を突き付けられもした。娘への暴力に気付き、女性センターに相談してそれがDVだと教えられた

 本を読みあさり、必シで学んで「心が壊れた」娘を支える手だての限りを尽くしてきた。「知識は力です。人の心を支配し、コントロールするDVの本質を知ってほしい」  

 未成年同士のDVが絡むとみられるサッ傷事件が、石巻市で起きてしまった。妹を暴力から守ろうと何度も警察に相談した姉。寄り添った友人。必シの愛情に凶行は向けられた。SOSを発した家庭を救うことはできなかったのか

 「暴力は感染する。『暴力菌』に対抗するには『人を尊重する心』というワクチンしかない。人ごとと思わないで」とビッグママ。DVに限らない。世にはびこるあらゆる虐待を封じ込める処方せんと肝に銘じたい。

 河北春秋 河北新報 2010年2月18日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「サクラサク」お家芸復活の表彰台に共に上がれたのは何より・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 バンクーバーが桜の街だとは寡聞にして知らなかった。80年ほど前、日本から寄贈されたのをきっかけに、いまや3万数千本が市内を彩り、3~4月には桜祭りが開かれるという

 その桜が今年はもう咲き始めている。冬季五輪のニュースで知り驚いた。雪が不足し、雨が選手たちを悩ませる記録的な暖冬。環境との共生がテーマの五輪開催地で、皮肉にも地球温暖化の現実を見せつけられる  

 1カ月も早い桜の開花は手放しで喜べない。けれど現金なもので、きのうは「サクラサク」とばかり喜びの心を重ねたくなった。待ち望んだ今大会の初メダル。それも一遍に2個も。うれしい驚きに気の早い桜の華やぎが似合う

 スピードスケート男子500メートル。強豪ひしめく混戦を制し、銀メダルを長島圭一郎選手が、銅メダルを加藤条治選手(山形市出身)がもぎ取った。気迫のこもった2人の滑りに圧倒された  

 27歳と25歳。競い合い、高め合い、頂点を目指してきた。メダルゼロに沈んだトリノの雪辱を果たし、お家芸復活の表彰台に共に上がれたのは何よりの成果だ

 冬季スポーツの競技人口は減り続け、将来に危機感を抱く選手は多い。メダル至上主義にはくみしないが、競技の魅力をアピールするメダルの威力はやはり絶大。もう一つ二つと、つい欲張りたくなる。

 河北春秋 河北新報 2010年2月17日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

一層の高みを目指して真摯に戦う姿勢が感動を呼ぶ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「重要なのは成功することではなく、努力すること。勝利者になったかではなく、よく戦ったかどうかだ」。近代五輪の父、クーベルタン男爵は語った

 熱戦が続くバンクーバー冬季五輪。日本選手の健闘を見て、この言葉をあらためてかみしめる。メダルにこそまだ手が届かないものの、一層の高みを目指して真摯(しんし)に戦う姿勢が感動を呼ぶ  

 きのうは、東北ゆかりの選手が次々と登場。ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルの小林範仁選手(秋田・花輪高―日大出)と男子モーグルの遠藤尚選手(名取・忍建設)がいずれも7位に入賞した

 前半の飛躍で12位につけた小林選手は、後半の距離で追い上げ一時は首位に立った。あと1キロを残してのスパートはやや早すぎ、失速したものの、「1番を走れて興奮した。気持ちいい」と納得の表情。団体への期待を抱かせる  

 19歳の遠藤選手は物おじすることなく最後まで攻め続け、エアで大技を見事に決めた。男子モーグルの五輪入賞は初めて。「良い滑りだった。力を出し切れた」と満面の笑みを見せた。早くも4年後に思いをはせる

 小林選手らの活躍は他の選手たちを勇気づけ、今後の戦いに弾みをつけよう。大会はまだ序盤。どんなドラマが待っているか。すべての選手に、持てる力を存分に発揮してほしい。

 河北春秋 河北新報 2010年2月16日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ショパン生誕200年「ピアノの詩人」生演奏に触れてほしい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ショパンの作品を聴いたことがない人は少ないだろう。日常生活にも溶け込んでいる。ある人気女性ピアニストに好きな曲を尋ねたら、こんな答えが返ってきた。「『○○胃散』も良いですね」

 CMに長年使われている前奏曲を指したもので、もちろん正式名ではない。そもそもショパンは自作に標題を付けることを好まなかった。世界中で使われている愛称にも、自身は全く関与していない  

 残したのは大部分がピアノ曲だ。世界中のピアニストにとって、その作品は特別な意味を持つ。重要なレパートリーにしていない人は珍しい。多くの意味でピアノ音楽に革命的な変化をもたらした

 旋律を引き立てる多彩な装飾音、テンポルバート(楽句内のテンポの変化)の駆使、大胆な構成。最も心を引き付けるのは楽器の特性を極限まで生かし、優雅、繊細に歌わせることだろう。「ピアノの詩人」たるゆえんだ  

 今年はショパン生誕200年。故国ポーランドや後半生を送ったフランスだけで千以上の行事が行われる。ワルシャワでは国立ショパン博物館が再オープンする

 日本でもCDの企画がめじろ押し。新旧の名演奏の聴き比べが楽しめそうだ。コンサートも数え切れないほど開かれる。状況が許すなら、ぜひ生演奏に触れてほしい。新たな発見がきっとある。

 河北春秋 河北新報 2010年2月15日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

絶滅回避への一歩「アホウドリ」繁殖地を分散させる試み・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 作家の故中上健次さんは、敬愛してやまない先輩、坂口安吾をアホウドリに例えた。はるかな高みを悠然と飛ぶ。安吾の前では自分も燕雀(えんじゃく)にすぎないと随筆に書いている

 存在感、スケールの大きさは圧倒的。「図体(ずうたい)をもてあまし、敏しょうな鳥より先に滅びることはある」にしても。確かにそんな文壇の巨人に通じる鳥だ。翼を広げると2.4メートル、体重は7キロもある  

 米サンフランシスコ沖で昨年秋、1羽のアホウドリが撮影された。装着された発信器から小笠原諸島の聟島(むこじま)を巣立った若い雌と判明。アラスカやカナダを経て2万6000キロ以上移動したことも分かり、研究者を驚かせた

 アホウドリの繁殖地は世界で伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島だけ。総数は約2500羽という。8割がすむ鳥島は火山噴火の恐れがあり、環境省が繁殖地を分散させる試みを進める  

 候補地が350キロ離れた聟島だ。一昨年からヒナを移動し巣立ちさせてきた。今年も先週15羽をヘリコプターで運んだ。山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)の研究者が5月の巣立ちまで滞在し、餌を与える

 ヒナは育った場所を記憶し3~5年後に繁殖のために帰るとされる。結果が分かるのはまだ先だが、成功すれば絶滅回避への一歩になる。世界の空をかけた鳥たちが戻ってくる日が待ち遠しい。

 河北春秋 河北新報 2010年2月14日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

人が生きる「負けざる者たち」霧に包まれていた南アフリカ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 1995年に南アフリカで開かれたラグビーのワールドカップで、日本はニュージーランドに17―145と記録的大敗を喫した。優勝したのは地元の南ア。決勝でニュージーランドを延長戦の末に破った

 上映中の米映画『インビクタス 負けざる者たち』は、その南アが頂点に立つまでの実話を基に、チームを支援する同国初の黒人大統領ネルソン・マンデラさんの生き方を描いている。監督はクリント・イーストウッドさん  

 単なる偉人伝でもスポーツ活劇でもない。全編を貫く細やかな描写から、人が生きることは何かを考えさせられる。もちろん、新国家建設のため、「白人のスポーツ」ラグビーを応援するマンデラさんの器の大きさも伝わる

 スポーツの観点で見ると、アパルトヘイト(人種隔離)で世界から孤立し、霧に包まれていた南アラグビーの歴史が理解できる。優勝も奇跡的だったと初めて分かる  

 同時に、ラグビーという競技がきちんと表現されていることに驚く。当時そのままのジャージー。やや姿勢は高いが、スクラム、タックル、突進と、違和感はない

 マンデラさんが、決勝の相手ニュージーランドの強さを問うシーンがある。その答えが日本戦だ。苦い思い出がよみがえるが、ここはマンデラさんに倣い、寛容の心で認めるしかないか。

 河北春秋 河北新報 2010年2月13日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

バンクーバー冬季五輪、記録に挑む選手たちのひたむきな姿に心躍らせる17日間・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 北米大陸の北西沿岸地方に住むインディアンやイヌイットには、ワタリガラスを主人公とする創世神話が伝わる。カラスが世界に星や月や太陽をもたらし、人間の誕生にかかわる物語は興味深い

 多彩な伝説を口承し、トーテムポールを彫り、自然と動物と人との共生の精神を受け継ぐ人々の、素朴で豊かな文化。一角をなすカナダのブリティッシュコロンビア州には200近い先住民族グループが暮らしているという  

 この地であす、バンクーバー冬季五輪が幕を開ける。掲げるテーマの一つが「先住民族との融合」だ。五輪史上初めて地元の先住民が組織委員会に参画。大会運営の随所に独自カラーを取り入れている

 メダルの模様は伝統的な先住民アートがモチーフ。公式マスコットたちは先住民族の伝説の生物や守護霊のイメージから生まれた。開会式もどんな演出が施されるのか楽しみだ  

 東北ゆかりの出場選手は19人。スピードスケートの加藤条治選手(山形・山形中央高出)やノルディックスキー複合の小林範仁選手(秋田・花輪高―日大出)らに期待が掛かる

 さまざまなドラマが紡ぎ出されることだろう。記録に挑む選手たちのひたむきな姿に心躍らせる17日間。今までで最も多い82の国・地域が集う。世界の多様性に感動する機会にもなりそうだ。

 河北春秋 河北新報 2010年2月12日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「メード・イン・ジャパン」日本車の品質に対する信頼が揺らぐ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 高校生マーティが科学者ドク発明の自動車型タイムマシンで冒険を繰り広げる米国映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ。中に日本人の誇りをくすぐるシーンがある

 時間旅行した1985年のマーティが、55年のドクにタイムマシンの修理を頼む。部品を見て「こりゃ故障する。メード・イン・ジャパンだ」とけなすドクにマーティが切り返す。「何言ってんの。日本製は最高だよ」  

 米国で粗悪品の代名詞だった55年当時の日本製。30年後には世界一高品質の称号に変わった。日本人がものづくりに知恵を絞り精進したたまものである。それが今…

 劇中でマーティがあこがれるトヨタの車ばかりか、ホンダもエアバッグの不具合から主力車のリコール(無料の回収・修理)を発表した。立て続けに、しかも世界的な規模でだ  

 日本車の品質に対する信頼が揺らぐ。車は環境、ITといった先端技術の結晶であり、メード・イン・ジャパンの象徴である。それだけに、ほかの日本製品に注がれる消費者の目も変わりはしないかと心配になる

 映画には30年後、2015年の描写もある。日本製品に関する評価は聞かれず、今となればなぜか暗示的。おごりがあったとするならば、反省しなければなるまい。リコールは信頼立て直しの第一歩にすぎない。

 河北春秋 河北新報 2010年2月11日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

話したいのに聞いてくれる人がいない。そんな人がいっぱい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 受容、傾聴、共感。「シにたい気持ちを打ち明けられたときには、この三つが対応の基本」と、自サツ予防対策研究・実践を手掛ける精神科医、横浜市立大准教授の河西千秋さんは言う

 大切なのは、まず相手を受け入れて、その話に耳を傾け、つらさに寄り添ってねぎらうこと。専門職の人だけでなく、家族も職場の同僚も学校の友人も隣近所の人も、誰もが自サツ予防の担い手だ、と  

 傾聴という言葉、近ごろ耳にする機会が多くなった。相手の話をただ「聞」くのではなく、否定したり遮ったりせず、じっくり「聴」く。簡単なようで意外に難しい。温かい人間関係を紡ぐ技として、さまざまな場面で求められている

 「話したいのに聞いてくれる人がいない。そんな人がいっぱい」と言うのは、傾聴ボランティア団体「仙台傾聴の会」代表の森山英子さん。施設や一人暮らしの自宅にお年寄りを訪ね、話し相手になる活動を始めて2年。メンバーは90人に増えた  

 世代を問わず誰でも参加できる傾聴の場も定期的に開いている。「人の役に立つだけでなく、ボランティアの側も得るものが大きい。お互いさまの関係が生きる力につながる」と森山さん

 傾聴とは相手の存在を尊重すること。その心得を身に付けた人が増えるだけで、地域がどれだけ住みやすくなることか。

 河北春秋 河北新報 2010年2月10日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「旬の物」苦労しなきゃ欲しい物は手に入らない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「食べてみな、旬の物はいけるよ」。盛岡のなじみの居酒屋で店主に促されてナマコの酢の物を食べた。うまいのなんのって、パーッと口の中に磯の味が染み渡り、目を閉じれば海原が広がった

 こりこりした食感。一体どこの天然物? 「岩手県洋野町で海の底にへばりついていたやつさ」。定置網にはかからず、人が潜って捕ったのだそうだ。手間暇かけた代物と聞くと余計に美味  

 洋野町種市の沖合には今もヘルメット式の南部潜りが伝わる。担い手は磯崎元勝さん(50)、司さん(41)兄弟しかいない。地元で水揚げした天然のナマコやホヤの9割はこの2人が捕ったものだ

 電話をしてみた。「人の入らない所へ行かないと捕れない。行くしかない」と元勝さん。空気吸入のため船体とホースでつながり、80キロにも及ぶ装備を身に着けて潜る作業の動機は単純明快だった  

 店主の話を思い出す。「苦労しなきゃ欲しい物は手に入らない。この人もそう」と言って指さしたテレビは、プロ野球のキャンプに励む西武の雄星(菊池雄星)投手(岩手・花巻東高)を映していた

 期待の左腕に今、ファンは夢を見る。球速160キロ。負けない投手。新人王。メジャーへの飛躍。誰もたどりつかない領域へ行けるかどうか。過日のナマコの味がじわりじわり、よみがえる。

 河北春秋 河北新報 2010年2月7日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

利用者のモラル頼み、人間の良識にそれほど期待できない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 30年ほど前、仙台市の中心部で無料自転車を100台配備する社会実験があった。きっかけは市民のアイデア。行政も協力、お祭り気分で行われた。やじ馬の小欄も試しに行った

 駐輪場を20カ所ほど設け、好きな場所から借りて目的地近くの駐輪場に返す。便利で楽しい企画ではあったけれど、結局、実験は実験で終わった。ちゃんと返さない不心得者が結構いたからと記憶する  

 ずいぶん昔の話を持ち出したのは、昨秋から各地で同じような取り組みが始まったからだ。今回は「コミュニティーサイクルシステム」という名が付けられている。放置自転車対策とエコが目的

 名古屋では「名チャリ」と称して実験が行われ、東京・丸の内でも。ほかに環境省や国土交通省が広島など各都市で実験済みか実験中。富山では実験ではなく、本格的に事業を来月から開始する  

 実験ではそれぞれ工夫を凝らして、電動自転車を導入した所もある。富山の場合は会員登録が必要だ。自転車の貸し借りはコンピューターで管理し、30分以内の利用は無料。超えるとお金がかかる

 仙台でのケースは利用者のモラル頼みだったのが、まあ、敗因の一つ。人間の良識にそれほど期待できないのは、最近の相撲界や政界を見れば証明済みだ。富山のような仕組みならきっとうまくいく?

 河北春秋 河北新報 2010年2月6日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

相撲界の痛手は大きい「希代のヒール」土俵は活気を失う・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「潔い引き際こそ横綱の美学。最後の大仕事だ」。元横綱で大相撲解説者の北の富士勝昭さんが書いている。ただし、それも土俵の内でこそ。土俵の外での引き際など見たくはなかった

 横綱朝青龍関がついに引退届を出した。1月の初場所中に起こしたとされる泥酔暴行問題。マネジャーのうそがばれ、師匠の無責任が非難を浴び、暴力が確認できなかったとされたり、示談の成立が伝えられたり。事態は変転目まぐるしかった  

 きのう日本相撲協会理事会に呼び出され、説明を求められた横綱。土俵際ならぬ瀬戸際で胸中を去来したのは何だったか。「自分にとっての運命じゃないかと思う」。会見での言葉はせめてもの強がりだろうか

 度重なるトラブル。世間の批判は後を絶たず出場停止処分も受けた。奔放な言動が改まることはなく、暴力ざたとあっては、もはや許されるものではない  

 とはいえ、「希代のヒール」と呼ばれながら強さと人気は抜群だった。初場所では歴代3位となる25度目の優勝を果たしたばかり。横綱になって丸7年。史上初の7連覇、年6場所制覇、年間84勝など記録は輝かしい

 朝青龍関がいなくなった土俵は活気を失うだろう。相撲界の痛手は大きい。新体制となった理事会も心機一転を。旧弊のごたごたで迷走している場合ではない。

 河北春秋 河北新報 2010年2月5日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

温暖化対策、同じ未来を見据えて歩いてこそ、道はできる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 中国の文豪魯迅は、希望とは道のようなものだと書いた。「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」(『故郷』)

 少しは希望が見えてきたか。先進国だけでなく中国やインドなどの新興国、途上国計55カ国が温室効果ガスの排出削減目標を示したのだから、一歩前進と言えるだろう。主要排出国が足並みをそろえたことになる  

 昨年12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、先進国の削減目標や途上国の削減への行動を求めた「コペンハーゲン合意」。合意に賛同した国の具体的目標がまとまった

 日本(1990年比25%減)を含む先進国や新興国はCOP15を前に提示した数値を掲げた。55カ国の総排出量は、世界の78%に相当する。野心的な目標を新たに示す途上国も現れた  

 水没危機に直面する島国モルディブは、昨年比100%削減を表明。「今、行動しなければ熱帯雨林やサンゴ礁を失うだけでなく、人類の文明そのものを失いかねない」と訴えた。切実な思いを真摯(しんし)に受け止めなければならない

 鍵を握る新興国は一方で目標に法的拘束力がないことも強調した。年末にメキシコで開くCOP16で、温暖化対策の実効ある枠組みが実現するかどうか。各国が同じ未来を見据えて歩いてこそ、道はできる。

 河北春秋 河北新報 2010年2月4日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「げんきのもと」わたしたち一人一人の手にかかっている・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 花模様のハートを囲み、動物たちが表紙で笑っている。絵本『げんきのもと』。国際協力・交流団体「ハイチ友の会」(甲府市)が昨年秋に出版した

 日本語とハイチの公用語クレオール語を併記。「げんきのもと」を探し歩く物語には、国を問わず子どもたちに生きる希望を伝えたいとの思いがこもる  

 願いを大地震が踏みにじった。発生から3週間。伝わる被害は日を追って拡大し、シ者の数は17万人とも。治安が悪化し、略奪や孤児の人身売買が横行する悲惨に言葉を失う

 「植林支援をしていた山村の人たちはどうしているか」。友の会の松浦あゆみさん(39)は心配を募らせる。仙台市出身。3年前まで仙台支部として活動していたが、今はカンボジアで仕事の傍らハイチ支援を続ける  

 西半球で最ヒンの国ハイチ。失業率70%。小学校に通う子どもは2人に1人。平均寿命が男性51歳、女性52歳。12%の子が5歳までに亡くなり、国民の80%が電気を使えない。絵本が伝えるそんな現実に、震災は追い打ちを掛けた

 「ハイチには自国を救う力がない」と松浦さん。「復興はわたしたち一人一人の手にかかっている。人々は10年後もその先も苦しみ続けるということを忘れないで」。手をこまねいてはいられない。ハイチが「げんきのもと」を見つけ出すために。

 河北春秋 河北新報 2010年2月3日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

冬の風物詩「タンチョウ」見る者を圧倒する存在感と美しさ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 歌川広重の浮世絵「名所江戸百景」。三河島村を舞台にした一作にタンチョウ2羽が鮮やかに描かれている。徳川幕府によって、ツルは手厚く保護されていた

 国内では今、北海道だけにすむタンチョウ。江戸時代には本州でも越冬したことが分かる。乱獲で明治時代に絶滅したとされたが、釧路湿原で1924年に十数羽を確認。35年に特別天然記念物に指定され、現在は1300羽ほどに増えた  

 国外では中国とロシアの国境付近を中心に生息し、冬は中国南部や朝鮮半島に移動する。一方、国内では一年中、北海道にとどまる。本州ではめったに見られないのに、この冬は異変が起きている

 大崎市など宮城県内に飛来したのをはじめ、松江市や愛知県小牧市など全国各地で目撃が相次ぐ。一昨年も秋田県に飛来して話題になったものの、これほど多くの場所で見つかった例はない  

 どこから来たのか。「北海道のタンチョウは留鳥で、本州へ飛んで行くとは考えにくい。大陸から飛来した可能性が高い」。ツルの生態に詳しい釧路市動物園の学芸専門員古賀公也さん(50)は指摘する

 近年、朝鮮半島で越冬する個体が急増しているという。ちょっと足を延ばしてみたのか。見る者を圧倒する存在感と美しさ。北海道以外でも冬の風物詩になる日が来れば楽しい。

 河北春秋 河北新報 2010年2月2日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

自分が住む場所を愛する心「大食卓会」厳しい環境を楽しみに変える・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 青森県大鰐町の早瀬野地区はかつて林業が盛んだった静かな山里。地区内にある民宿「ひばのくに迎賓館」代表の山内まつゑさん(62)は、目前に迫ったイベント「雪の大食卓会」の準備作業を進めている

 迎賓館の脇にある雪原を会場に、厳冬期に野外で山の幸の数々を味わってもらうユニークな催しは1998年に始まった。山内さんを中心に地区の女性らによって続けられ、13回目の今回は13日に開催される  

 当日出される主なメニューは、ワラビやミズの塩漬け、乾燥ゼンマイ、アケビの皮の干し物に、ガマズミ、ナツハゼなどの果実酒。山内さんらが昨春から1年をかけ、山で集めてきた食材ばかりだ

 「山から旬のものを頂き、喜ばせてもらっている。当然、他人にも味わってもらいたいと思う」。この地で育ってきた山内さんがイベントを通して伝えたいのは、自分が住む場所を愛する心だ  

 厳冬期の夜のイベントにもかかわらず、近隣の住民をはじめ、遠くは東京からも毎年200人近い人が集まってくるという。厳しい環境を楽しみに変えたとして、昨年にはサントリー地域文化賞にも輝いた

 当日は午後5時スタート。ボランティアによる楽器演奏や舞踊なども催される。大きなたき火を囲んで過ごす真冬の夜、温かな食卓風景が目に浮かぶ。

 河北春秋 河北新報 2010年2月1日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

生まれ故郷は闇の夜もつまずかず、発祥の地は特別な意味を持つらしい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 生まれ故郷は闇の夜もつまずかず―。勝手知った場所は懐かしく、大切な節目には帰りたくなる。人間以外の生物にとっても、祖先の発祥の地は特別な意味を持つらしい

 一生のうちに川と海を行き来する魚を「通し回遊魚」という。回遊で体がより大きくなったり、雌の卵の数が増えたりする。おなじみのサケはもとは淡水魚。海へ進出したものの、産卵の際には川へ戻る  

 普段は川や湖で生活するニホンウナギは、2600キロ離れたマリアナ諸島付近の太平洋まで回遊し、深海で産卵する。なぜ遠くまで旅するのか。謎の一端を、東京大海洋研究所などが解明した

 ウナギと近縁の魚の遺伝子を解析。浅い海にすむアナゴやハモ、ウツボより、深海にすむシギウナギなどがより近いことが分かった。ウナギの祖先は深海魚で、淡水に適応したグループが進化したことを意味するという  

 ウナギは祖先が暮らした深海まで旅をしていることになる。サケもそうだが、進化しても産卵場所はおいそれと変えないようだ。昔は大陸の位置が今と異なり、深海から陸までの距離が近かった可能性もあるとか

 採卵し成魚まで育てる完全養殖の技術がウナギでも開発されたとはいえ失敗が多く、商業化には程遠い。ルーツや回遊の謎の解明が、養殖技術向上へのヒントになるか。

 河北春秋 河北新報 2010年1月31日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

大人社会への反発や心の葛藤を描く「ライ麦畑でつかまえて」・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 小説の続編を他人が書くことは許されるか。米ニューヨーク連邦地裁は昨年、著作権の侵害に当たるとして、出版差し止めを命じた。書名は『60年後 ライ麦畑を通り抜け』

 原作はもちろんJ・D・サリンジャーさんの『ライ麦畑でつかまえて』(1951年)だ。パロディーでイメージを傷つけたくない半面、読んでみたいと思った人もいたのではないか  

 青春のバイブルとも言われる名作。成績不振で放校された16歳の主人公の大人社会への反発や心の葛藤(かっとう)を描く。高校時代に友人が語った言葉を思い出した。「サリンジャーと太宰治を読まないやつは信用できない」

 タイトルが絶妙だ。故野崎孝さん(弘前市出身)の翻訳。2003年の村上春樹さんによる新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が原題に近い。野崎さんの若者感覚を生かした訳文がなければこれほど定着したかどうか  

 サリンジャーさんが91歳で亡くなった。『ナインストーリーズ』なども人気が高いが、寡作で45年近く新刊はない。世間とのつながりを完全に断ち、ファンレターさえ受け取らなかった

 かつて「私は執筆を愛している。ただ、自分の楽しみのために書く」と語った。未発表作品が数多く残るとの情報もあるらしい。本当なら遺族が刊行を許可してくれないか。期待は高まる。

 河北春秋 河北新報 2010年1月30日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

時代を映す「居場所」自分をとことん卑下し、孤独を嘆く書き込み・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「無視されている不細工なわたし」「認められない存在」「負け組」…。「唯一の居場所だった」という携帯電話サイトの掲示板には、自分をとことん卑下し、孤独を嘆く書き込みがあふれていた

 膨大なつぶやきの果てに「誰でもよかった」と7人の命を奪い、10人にけがを負わせた凶行。1年7カ月の時を経てなお、戦慄(せんりつ)の記憶は生々しい。「なぜ」の問いが堂々巡りする  

 おととしの6月、東京・秋葉原の歩行者天国で起きた無差別サッ傷事件。加藤智大被告(27)の初公判がきのう、東京地裁で開かれた。「わたしがしたことに間違いありません」。謝罪の言葉は聞かれたが、責任能力の有無が争われる

 「アキバ系」文化の発信地という犯行現場、学歴社会での挫折、非正規雇用の不安、ネット依存、いびつな親子関係、社会からの疎外感。時代を映す事件を読み解く論評はこれまで百出した。けれど、分析されればされるほど実像がぼやけていくようだ  

 「せめてもの償いとしてわたしにできることは、どうして今回の事件を起こしたのか明らかにすることです」。法廷で被告は書面を手にそう述べた

 「事件当時の記憶がない部分もある」と言うが、心の奥底を見つめ、血の通った言葉で等身大の真実をさらけ出してほしい。ネットに漂うつぶやきではなくて。

 河北春秋 河北新報 2010年1月29日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ブランド卵「卵かけご飯」卵、しょうゆ、コメも吟味して・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 江戸中期に出版された『万宝料理秘密箱』の「卵之部」には103種ものレシピが記されている。通称『卵百珍』。お江戸の食文化の豊かさに驚かされる

 干し柿、おから、長芋など多彩な食材と組み合わせた珍しい卵の料理法がずらり。冬の味なら「柚干(ゆべし)卵」。ユズの実の中をくりぬいて砂糖を加えた卵を入れ、黒ごま、さんしょう、米粉を振りかけて蒸す  

 卵を食べることが普通になったのは江戸時代からだという。往来を売り歩く卵売りも現れた。小粋な川柳もある。<生玉子醤油(しょうゆ)の雲にきみの月>

 生卵といえば、このところ卵かけご飯の人気が続いている。これまた日本独自の食文化だ。各地に専門店ができたり、フェアが開かれたり。グルメを競う飽食の国で素朴さの魅力が見直されているということか  

 「卵かけご飯にお薦め」というブランド卵も多種多様。平飼いや餌にこだわった卵、烏骨鶏(うこっけい)や名古屋コーチン。先日は食料品店で薄青色の卵を見つけた。南米チリ原産の鶏、アローカナの卵だという

 黄身が多く、こくがあってなるほど美味。ただし産卵率が低いため、値段は普通の卵の5~6倍という高級卵だ。卵かけご飯専用をうたうしょうゆも各地で登場し、これにコメも吟味してとなれば、素朴でもぜいたく。ある意味、究極のグルメなのかも。

 河北春秋 河北新報 2010年1月27日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »