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2010年5月

ちちんぷいぷい「キッズデザイン」子どもの安全を守る環境づくり・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 言葉と手の力がけがの痛みを和らげることもある。「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでけー」。唱えて、なでてもらえば不思議と楽になる。子ども心に効くおまじないは今も健在だろうか

 子どもにけがは付き物。そうは言っても「ちちんぷいぷい」の効き目が及ぶ程度ならいいが、深刻なけがも少なくない。1~14歳のシ因で最も多いのは不慮の事故だという  

 交通事故、転落、やけど、乳幼児では誤飲、窒息も。近ごろ多発が問題となっているのはライターの火遊び事故だ。防止のため、使い捨てライターの安全規制が来年夏に導入されることが決まった

 幼児が簡単に着火できない仕組みが義務付けられる。年間6億4千万個も出回るライターの9割が対象になるそうだ。身近に転がる危険をすぐにも取り除くよう、家庭でも点検したい  

 暖房器具もコンロもボタン一つで点火できる便利さに慣らされ、火を扱う技が安易に考えられがちになってはいまいか。子どもに火の怖さを教えることも必要だろう

 「キッズデザイン」という言葉を知った。子どもの安全を守る環境づくりにデザインの力を役立てる考え方だ。蒸気の出ない炊飯器、指を挟まないドアなど商品開発にも生かそうと提案する。「ちちんぷいぷい」が効かない事故をなくす知恵を尽くしたい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月26日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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サメ「気仙沼の人々」手間をかけた丁寧な仕事が世界に通じる品質を生む・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「七皿食(くろ)うて鮫(さめ)臭い」ということわざがある。たらふく食べた後でまずかったとケチをつけるへそ曲がりの例え。サメは臭みから食用に向かないとされたころの名残だ

 この時季、気仙沼市の魚市場にサメが盛んに揚がっている。モウカザメの身は高タンパク。酢みそで食べる心臓も珍味だ。山と積まれたヨシキリザメは高級食材フカヒレの主力種  

 市内の加工場を訪ねると従業員がヒレの黒い皮をはぎ、骨を取ってきれいに水洗いしていた。脱臭もあれば天日干しもある。手間をかけた丁寧な仕事が世界に通じる品質を生む

 流れ作業の中には外国人研修制度でインドネシアから来日した女性が数人。この国の漁民たちもフカヒレブームのずっと前からサメを捕り、住民の大切な食料にしてきた  

 「自分たちのフカヒレが世界の人たちに届き、おいしく食べてもらえれば、うれしい」。女性たちの言葉は、地域の業界の意気と誇りを代弁する。水産加工の体験は帰国後もきっと役立つだろう

 サメも水産資源管理の例外ではない。保護団体は「ヒレだけ切って残りは海に捨てているのでは」と漁獲国に疑念を向ける。サメの有用性を誰よりも知り、関連産業を根付かせてきた気仙沼の人々。その仕事ぶりを見てもらいたい。共通理解がそこから生まれないだろうか。

 河北春秋 河北新報 2010年5月25日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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街の本屋さん「リアル書店」日本でも電子書籍市場が一挙に勢いづきそう・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 世界中で品薄状態らしい。日本での発売は予定が1カ月延び、今月28日になった。店頭予約受け付けはわずか3日で停止した

 過熱する人気に驚く、米アップルの新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」である。地元米国では先月の発売初日だけで30万台も売れたというから恐るべし  

 日本でも電子書籍市場が一挙に勢いづきそうだ。京極夏彦さんの新刊小説のiPad版も発売されるという。オンライン書店のシェアが拡大し続ける今、「リアル書店」と呼ばれるようになった街の本屋さんと、そこに並ぶ本の未来図をどう描いたらいいのか

 心配は募るが、作家の出久根達郎さんの「書店浴」という言葉を思い出す。書店を散歩し、書物が発する気を浴びると気分は爽快(そうかい)、新たな力がわくと出久根さんは言う。深くうなずく本好きは多いはずだ  

 仙台市内では本好きの市民と書店、図書館などが連携し、本をテーマにしたイベントが開かれている。市民参加の古本市や講座、書店員ポップ大賞など約40の企画が6月末まで続く

 仕掛け人の一人、古書店主の前野久美子さんが熱く語る。「本は単なる文字データにとどまらない。物としての存在感は大きな力を持ち、多様な使い方の可能性を秘めている」。本でつながる人の輪が東北にも広がり始めている。

 河北春秋 河北新報 2010年5月24日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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自然繁殖への壁、空が再びトキ色に染まる日まで・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 新潟県佐渡島で野生のトキに最後のひなが生まれたのは1976年のこと。その後は産卵しても、ふ化することはなかった

 卵を採取して人工ふ化させる試みも失敗、すべてのトキを捕獲し人工繁殖する方針が打ち出される。81年に残った5羽を捕獲したものの対応が遅すぎた。結局繁殖させることはできず、2003年に国産のトキは絶滅した  

 自然界でトキの卵がふ化するのはかなり難しいらしい。中国からもらったつがいの子孫をおととしから計19羽放鳥し、進めてきた野生復帰計画。今年4組が初めて産卵にこぎつけたが、結局繁殖できなかった

 雌が1歳と若かったペアは抱卵の途中で卵を巣から放り出した。無精卵だった。適齢期の4歳同士で最も期待されたペアは、20日に巣を離れたすきにカラスに卵を奪われた。最後の1組も抱卵をやめたことが21日に確認された  

 トキはとても神経質で、人が巣に近づくと飛び立ってしまう。環境省は数百メートル離れた場所から慎重に観察していた。ただ自ら巣を離れれば、天敵に襲われるのも仕方ない。安全な飼育下とは状況が違う

 環境省はどのペアにとっても初の産卵だったことが失敗した理由の一つと見る。一歩前進したとはいえ、自然繁殖への壁は高かった。空が再びトキ色に染まる日まで、道のりは遠そうだ。

 河北春秋 河北新報 2010年5月23日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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ベールに包まれ謎の多い金星「あかつき」西から昇ったおひさまが東へ沈む・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「西から昇ったおひさまが東へ沈む」。アニメ番組の主題歌に確かそんな歌詞があった。漫画の中での話だと思い込んでいたが、金星から見える太陽はこれでいいのだそうだ

 その金星と月が大接近する天体ショーが16日夜、繰り広げられた。宝石のように輝く金星と幻想的な上弦の三日月が目と鼻の先で向かい合う光景は美しく、足を止めて見上げてしまう  

 「明けの明星」「宵の明星」として親しまれる金星は、月を除けば夜空で一番明るい天体だ。太陽からの距離と大きさが地球と近く、光をよく反射する白く厚い雲に覆われているからだという。条件がよければ、昼間にも望遠鏡で観測することができると聞く

 だが金星の〝素顔〟は呼び名の「美の女神ビーナス」とは懸け離れている。地表の温度は約470度、大気圧は90気圧に上り、姉妹惑星とされる地球と比べ環境が全く異なる。太陽が西から昇って東へ沈むのは、ほかの惑星と違って時計回りに自転しているからだ  

 ベールに包まれ謎の多い金星に向けて、宇宙航空研究開発機構の探査機「あかつき」がきのう、打ち上げられた。12月には金星に到達し、2年間以上の観測が始まる

 女神が許してくれるかどうかは分からないが、あかつきが神秘のベールを一枚ずつはがしてくれることを期待したい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月22日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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第4回仙台国際音楽コンクール「楽都仙台」9年の歴史を重ねて・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「作曲家の思いにどう応えるかは第1楽章を聴けば分かる。第3楽章は技巧を見るのにいい。ゆっくりとした第2楽章は、演奏家個人の音楽性やセンスの差が表れやすい」

 仙台フィルハーモニー管弦楽団正指揮者の山下一史さんは、対談で協奏曲の聴き方をこう紹介した。独奏者とオーケストラがぶつかり合い、火花を散らせば音楽は一段と深みを増す。そこまで達する若者は出てくるか  

 第4回仙台国際音楽コンクールがあす開幕する。3年に1度開かれる「楽都仙台」最大の催しだ。協奏曲を課題曲の中心とするのが特色。山下さんと常任指揮者のパスカル・ベロさんが率いる仙台フィルなどが支える

 今回はバイオリン、ピアノの両部門合わせて40の国と地域から過去最多の430人が応募した。ベルリン、モスクワなど6都市でのオーディションを通過した76人が出場する  

 9年の歴史を重ねて世界的な知名度はぐんと増した。セミファイナルの課題曲を近現代の作品から古典に変えたり、審査委員による公開レッスンを初めて行うなど、内容的にも進化している

 運営を支える300人を超す市民ボランティアや会場を埋める聴衆も一方の主役だ。入賞を逃した出場者のライブなど触れ合いの場も多い。最終日の来月27日まで、楽都に熱い視線が注がれる。

 河北春秋 河北新報 2010年5月21日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「いのちをいただく」口蹄疫は、恐ろしい勢いで広がり続ける・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 一緒に育った牛の「みいちゃん」に、女の子が話し掛ける。「ごめんね。みいちゃんが肉にならんと、みんなが暮らせんけん」。肉になったみいちゃんを女の子は泣きながら食べる。「おいしかあ」と

 絵本『いのちをいただく』(西日本新聞社刊)は、熊本県の食肉加工センターで働く男性の体験を基にした物語だ。動物の命を頂いて生きるわたしたちの現実に、向き合わされる  

 大切に育てた命を絶つのは、それがほかの命をつなぎ、生かされるからこそ。次々と感染症に冒され、むざむざコロして捨てなければならないというのだから、畜産農家の悲憤はどれほどだろう

 宮崎県内の口蹄(こうてい)疫は、恐ろしい勢いで広がり続ける。早い段階でなぜ抑えられなかったのか。10年前に同県で発生した時の経験を対策に生かせなかったのか。疑問が晴れない  

 処分される牛や豚などが11万8千頭に膨らんだきのうになって、政府は発生地から半径10キロ圏内のすべての牛や豚にワクチンを接種した上でサツ処分することを決めた。新たな処分対象は20万5千頭。途方もない数だ

 予防薬であるはずのワクチンは、処分まで症状を抑えるだけのものだ。健康な命も無駄になろう。やりきれない。命を頂いて生きる身として宮崎の苦しみに心を寄せられるか。今後の対応が問われている。

 河北春秋 河北新報 2010年5月20日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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強みはすぐに研究され、抑え込まれてしまう、勝ち点を計算できる相手はいない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 スピードと瞬時の決断力がサッカーの妙味だとつくづく思う。ほんのわずかなためらいが好機をつぶし、決定的な危機を招く。戦いのレベルはやはり高い

 J1のリーグ戦は、ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に合わせ2カ月の中断期間に入った。順調な滑り出しを見せたベガルタ仙台だったが、J1の厳しさを思い知らされる展開になっている  

 ここまで3勝4分け5敗で、18チーム中14位。もう7試合勝ちがない。圧倒的に攻められても耐え抜いて勝ち点を得るなど健闘はしてきた。良い形を作れた試合も多い。ただ強みはすぐに研究され、抑え込まれてしまう

 速さをはじめ技術、力強さなどJ2とは随分水準が違う。現在15位以下の4チームのうち3チームに負けたのも痛かった。勝ち点を計算できる相手はいないとはいえ積極性に欠ける試合があった  

 中断期間中は巻き返しを図るチャンスでもある。ベガルタの課題の一つは新戦力を生かし切れないこと。これまでの戦術に磨きをかけるだけでなく、攻撃、守備にどれだけ多くの選択肢を加えられるかが今後の鍵を握る

 リーグ戦は7月17日のアウェー山形戦で再開する。ファンが待ちに待ったJ1で初の東北ダービーだ。真のJ1仕様にチームをつくり直し、万全の状態で再スタートを切ってほしい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月19日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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季節感あふれる生命力「筍(たけのこ)」青果店に新鮮な地物が並ぶ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 世に熱烈なタケノコ好きはいるものだ。漫画家の藤子不二雄〓さんもその一人のようだ。タケノコの季節になると目の敵のように朝から晩まで毎日食べる

 藤子さんはこの季節が一年で一番元気と気力に満ちあふれる、と漫画家仲間の東海林さだおさんが明かしている。かく言う東海林さんもタケノコファンを自任する  

 上には上があると教えてくれたのは作家の嵐山光三郎さんだ。大のタケノコ好きだった深沢七郎さんから「シーズンオフには物干しざおをかじってしまう」と聞き、それならと竹筆を煮てみた話を書いている

 竹冠に旬と書いて「筍(たけのこ)」。旬(10日間)で竹になるほど成長が早いからだという。味や香りの魅力はもちろんだが、この季節感あふれる生命力、竹林の薫風の気配に触れる喜びがタケノコ好きを増やすのではないか  

 タケノコ前線が東北に到来し、青果店に新鮮な地物が並ぶ。タケノコずくめの食卓を楽しむ家もあろう。洋風レシピも多彩だ。先日、シロップ煮にする保存法を知った。これを使ったケーキもおいしいそうだ

 ふと思い出すのは、タケノコの皮に梅干しを三角に包んだおやつ。角を吸うと、竹の香を帯びた酸味が何とも言えない味わいだった。昔話と思いきや、今も幼稚園や小学校の体験学習で作ってみたりするらしい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月18日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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新しい観光の目玉に、いろいろな思いがこもった人力車が街を行き交う・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 十和田市の小笠原千恵さん(20)はフリーアルバイター。先月16日に市内で運行がスタートした人力車の引き手4人の紅一点だ。大型連休中、多い日は20組を乗せた。人を相手にする仕事が大好き。充実した1カ月間だった

 人力車は青森県内では現在、十和田でしかお目にかかれない。運行を考えたのは、地元で福祉施設や飲食店などを運営している山端政博さん(59)。新しい観光の目玉にしようと企画した  

 人力車に目を付けたのは、かつて東京・浅草などで利用した際、車夫との交流にぬくもりを感じた経験が忘れられなかったから。松と桜の木が並ぶ市の目抜き通り「官庁街通り」によく似合うとも思った

 山端さんはさらに願う。乗った人に十和田のことを知ってもらい、また来たいと感じてもらう。そんな人が多くなり、訪れる人が増えて町ににぎわいと活気が出てくることを  

 市内の自転車店に頼んで、製作してもらった人力車は2台。今月末までは15分1000円(1人)で、小笠原さんら17~27歳の若者が車を引きながら、地元の歴史や名所などを説明してくれる

 「商店街の窮状打破につなげたい」と山端さん。「乗った人が喜ぶ姿にやりがいを感じる」と小笠原さんは言う。天気のいい日、いろいろな思いがこもった2台の人力車が街を行き交う。

 河北春秋 河北新報 2010年5月17日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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虚実交錯するマネーの戦場「貯蓄から投資へ」の掛け声に導かれ・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「偶発的核戦争」という言葉を思い出した。ギリシャ危機さなかのニューヨーク証券市場トラブル。わずか数十分でダウ平均株価が1000ドル下落、650ドル回復と乱高下した

 ダウ平均の1000ドルは時価総額100兆円に相当する。EUが合意した89兆円のユーロ防衛融資枠をしのぐ規模。核ボタンのミスと違って、地球滅亡には直結しないものの、やはりハルマゲドン級のトラブルだ  

 当初〝容疑者扱い〟された大手金融は誤発注を否定し、今のところ原因不明。売買の6割をスーパーコンピューターがこなす米証券市場に、人間くさい落とし穴は果たしてなかったか

 スパコン取引を前提に「一般客より一瞬だけ早い情報提供」との顧客サービスもある米市場。まばたき一つほどの変化をも見逃すまいと、スパコンは市場をにらみ続ける。冷戦下の偵察衛星やレーダー網にも似た緊張状態。誰が暴走の引き金を引いたのだろう  

 2009年のギリシャ国内総生産は30兆円弱。財政赤字は、その13・6%。一瞬のトラブルが失いかけた富は、危機の根本原因よりはるかに巨大だ

 いまひとつ合点のいかぬまま、日本市場の不安定な動きは続く。「貯蓄から投資へ」の掛け声に導かれ、われわれはいつのまにか、虚実交錯するマネーの戦場のただ中にいるらしい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月16日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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プロ野球のセ・パ交流戦「6年目」新緑の季節の風物詩・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 普段見られない対戦に心を躍らせているファンも多いだろう。プロ野球のセ・パ交流戦が今年も始まった。導入から6年目。新緑の季節の風物詩になったといえるかもしれない

 6球団と2連戦を2度ずつ、計24試合行う。過去5年はパ・リーグのチームが優勝した。交流戦を境に波に乗ったり、調子を崩したりするケースが目立つ。リーグ戦の流れを左右するので目が離せない  

 東北楽天は交流戦が苦手らしい。5年間の通算成績は10位、昨年も9勝15敗で10位だった。殊に巨人戦は全敗した。当時の野村克也監督が「金の力でねじ伏せられるというのは腹が立つ」とぼやいたのを思い出す

 それでもリーグ戦で躍進して2位となり、初のクライマックスシリーズに進出した。交流戦でせめて五分の結果を残せたなら、その後の戦いを有利に進められたのではないか  

 今年最初のカードはブラウン監督の古巣の広島戦。2連勝を飾り、順調なスタートを切った。交流戦は原則「2勤1休」で、投手陣のやりくりが楽になる。岩隈久志、田中将大の両投手が安定しており、2人を中心に白星を重ねたい

 リーグ5位と苦しい戦いを続ける楽天だが、シーズンは先が長い。昨年手が届かなかった「頂上」を狙う機会は十分ある。短期決戦を浮上のきっかけにしてほしい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月15日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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誰の身にも起こり得る「支え合う」求められているのは家族同士が悩みを語り・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ある日を境に、大切な人が「別人」になってしまった。まるで姿形がそっくりな他人がいるみたいに―。高次脳機能障ガイのある人を介護する家族たちは、そんなふうに言う

 その言葉から、平穏な家庭を突然襲う運命の過酷さが痛いほど伝わってくる。感情をコントロールできなくなり、性格が変わってしまうのが、この障ガイの特徴の一つなのだという  

 あまり知られていないが、人ごとではない。交通事故や転倒、脳卒中などによる脳の損傷が原因で、誰の身にも起こり得る障ガイなのだ。記憶力や注意力、物事をやり遂げる能力がうせる。働くことが難しくなる

 本人が自分の障ガイを自覚できないというのも悲しい現実だ。外見では分かりにくく、「見えない障ガイ」とも言われる。周りに理解してもらえない家族の苦しみはいかほどか。診断を得られず、支援の手が届かない人も多い  

 宮城県の実態をつかもうと、高次脳機能障ガイ者の就労支援に取り組む仙台市のNPO法人「ほっぷの森」が調査をした。当事者や家族の生活の具体像が見えてきた

 「求められているのは家族同士が悩みを語り、支え合う場」と事務局長の後藤まつ子さん。県内、やがては東北に支援ネットワークを広げるのが目標だ。まず障ガイを知ることで、悩む家庭を支えられる周囲でありたい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月14日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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種子バンク「農作物のノアの箱舟」生物多様性は損なわれ続けている・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「農作物のノアの箱舟」と呼ばれるまでになった。北極圏にあるノルウェーのスピッツベルゲン島に2年前に完成した種子バンク。保存する品種は早くも50万種を超えた

 ノルウェーなどが出資し、永久凍土にトンネルを掘って建設した。まさに天然の冷蔵庫だ。野生種を含む農作物の種子を約500粒ずつ保管する。目標は450万種。絶滅が心配される品種を守る  

 意欲的な取り組みが各地で進む一方で、生物多様性は損なわれ続けている。生物多様性条約事務局(カナダ)が公表した報告書によると、植物種の4分の1が絶滅の危機にあり、脊椎(せきつい)動物の数は1970年以降、3分の1も減った

 「『2010年までに多様性の損失速度を顕著に減少させる』との国際目標は達成できなかった」と報告書は結論付けた。今後も大規模な絶滅や生息域の減少が続くと予測している  

 21項目からなる目標は、02年の条約締約国会議で採択された。一部は前進したと評価されたものの、達成した項目は一つもない。「効果的な対策を講じなければ人類の未来は危うい」と指摘する

 名古屋市で10月に開く第10回締約国会議は、2020年までの数値目標を含む新たな国際目標の採択を目指す。地球温暖化対策と同様、事は急を要する。次は「達成できなかった」では済まない。

 河北春秋 河北新報 2010年5月13日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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チベット高原の大地震から1カ月。上海万博に押しやられてか、様子が知れない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 作家の渡辺一枝さんは、子どものころから「チベット」とあだ名が付くほどのチベット好きだ。二十数年来、現地の人たちと交流を重ねてきた

 中国・チベット自治区の区都ラサには、かかりつけの医師がいるそうだ。チベットでは仏教思想とかかわり深い独特の伝統医学が、今も暮らしに根づいている。渡辺さんの著書を読むと、その様子が分かる  

 「四部医典」は8世紀に編さんされた医学書だ。病院の壁には、それを図解した80幅の仏画の掛け軸が並んでいるという。「金襴緞子(きんらんどんす)で縁取られた大きな絵は、なんだかとっても不思議。きれい。おもしろい」(『わたしのチベット紀行』)

 見てみたかったその一部を目にする機会に恵まれた。仙台市博物館で開催中の「聖地チベット」展で、治療法を樹木で表した図、医師マンダラ図など5枚が展示されている。美しい彩色の細密な描写は、なるほど不思議で興味深い  

 平均標高4000mを超える厳しい風土の中、独自の仏教を基盤に深い信仰に培われた文化。受け継ぎ、自然と調和して生きる人々の暮らしに思いをはせた

 それにつけても気掛かりなのは、中国青海省地震の被災地のことだ。チベット高原の一角を襲った大地震から間もなく1カ月。上海万博に押しやられてか、様子が知れないのがもどかしい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月12日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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開幕まで1カ月に迫ったサッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「日本サッカーの父」と呼ばれるデットマール・クラマーさん(85)は、チームにとって何より重要なのは「結束」だと説いた。「それなくして成功した例は見たことがない」

 開幕まで1カ月に迫ったサッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。躍進の鍵を握るのはその結束と、心身ともベストの状態で臨めるかどうかだ。4年前のW杯は共に不十分だった  

 当時のジーコ監督は選手をはっきり序列化したため、控え選手の一部から不満が噴出。一枚岩からは程遠かった。大会前の合宿や強化試合で疲労が蓄積するなどコンディションの調整にも失敗した

 1勝もできなかった前回の苦い経験を生かせるか。岡田武史監督がきのう、大会に出場する日本代表23選手を発表した。東北関係では今野泰幸選手(FC東京、宮城・東北高出)が選ばれた  

 経験や実績を重視した選考で、大きなサプライズはない。代表は最近結果を残しておらず物足りなさもあるが、結束に問題はなさそうだ。ただ対戦相手は格上。プラスアルファの力が出る采配(さいはい)と万全の調整を期待したい

 W杯ではもう一つ楽しみがある。ベガルタ仙台の梁勇基選手が北朝鮮代表に選出されたことだ。ブラジルなど強豪国とどう戦うか。日本代表にも梁選手にも、世界を驚かすプレーをしてほしい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月11日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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新しい高校の名称「分かりやすさ」や「応援しやすい音の響き」・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 薔薇(ばら)や憂鬱(うつ)は読めるけれど、正確に書ける自信はない。比叡(えい)山延暦寺の「叡」もそう。左の部分が複雑で、横の線が1本多くなったり少なくなったりしそうだ

 湯沢市にある二つの県立高校が来春統合してできる新しい高校の名称がいったん「湯沢叡陵」に決まりながら、地元の反対で撤回されたのは、当然と言えば当然かもしれない  

 やはり字が難し過ぎた。「優れた才能を意味する叡と、近隣の山々をイメージする陵を組み合わせた」。名付け親の秋田県教委は釈明に努めたが、「生徒が書けない」との声に、早々と白旗を揚げた

 公立高校の名称は、普通科なら所在地名がそのまま使われることが多い。数が増えれば第一、第二、第三、あるいは東西南北が付く。職業科なら商業、工業、農業などと続くだけで、さほど凝ったものはない  

 そのせいか、統合される2校の卒業生ら地元が望んでいるのは、「分かりやすさ」や「応援しやすい音の響き」。どうやらネーミングに必要だったのは、立派な哲学よりも素直な感性だったか

 再考の結果、新校名には比較的書きやすい漢字を使うことで落ち着きそうだ。全国学力テストで小中学生が好成績を残し、学力向上の指導に定評のあった秋田県だが、校名の選定では少しばかり叡知が足りなかったのかもしれない。

 河北春秋 河北新報 2010年5月10日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「フランチャイズプレーヤー」自他共に球団の顔と認めるスターが多い・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 トレードやフリーエージェント(FA)による選手の移動が盛んな米大リーグでは、選手が何球団も渡り歩くことは珍しくない。主に全盛期を過ぎたベテランで「ジャーニーマン」(旅人)とも呼ばれる

 今季開幕直前にパドレスと契約したマット・ステアーズ外野手(42)は「旅人」の代表格だろう。1992年にデビューした左打ちの好打者にとって、新天地は実に12球団目となるからだ  

 これは、一選手が所属した球団数では大リーグ最多タイ。日本のプロ野球なら全球団でプレーしたことになるが、その日本でも94年、中日ドラゴンズに在籍した

 一方、一つの球団でキャリアを全うする選手もいる。こちらは「フランチャイズプレーヤー」と言われ、自他共に球団の顔と認めるスターが多い  

 ヤンキースでは、デレク・ジーター遊撃手、ホルヘ・ポサダ捕手、抑えのマリアーノ・リベラ投手が該当する。3人ともヤンキース一筋で16年目を迎えたが、同じ3選手が16年連続同一チームでプレーするのは、米国のプロスポーツ史上初めてだという

 ヤンキースは潤沢な資金を惜しげもなく使ってFA選手をかき集めることで知られるが、捕手や遊撃手といったかなめのポジションは生え抜きで固めている。常勝軍団の強さの秘密は、そこにあるのかもしれない。

 河北春秋 河北新報 2010年5月9日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「おてんとさんまつり」子どもを取り巻く環境が不安な今・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 場所が持つ力というものがあると思う。そこに積み重なった記憶、人々が寄せる思いが場の力となって心に響いてくる。先日、そんな力を再確認した

 久しぶりに訪ねた宮城県中央児童館(仙台市太白区)である。子と親と児童文化活動にかかわる人たちが集い、たっぷりの新緑の中で年に一度の「おてんとさんまつり」を楽しんでいた  

 まつりが始まって40年になる。遊園の一角に野口雨情の童謡碑「おてんとさんの唄」が建てられ、記念に催したのが最初だった。ここに児童館が開かれた5年後のことだ

 碑が伝えるように、大正時代に天江富弥やスズキヘキが創刊した童謡誌「おてんとさん」の流れをくむ活動と教師、芸術家らが連携し、宮城の児童文化運動は全国でも先進的なものだった。その系譜がこの地に受け継がれている  

 初代館長の但木卓郎さん(91)が思い出話をしてくれた。「園内の木は学生ボランティアが一本一本植えました。荒地を整え草を刈り、活動するみんなでつくった場所です」。多彩な人材を育ててきた場の求心力は掛け替えがない

 なのに、県は2年後に廃止する方針というのだから、何とももったいない。子どもを取り巻く環境が不安な今こそ必要な場所ではないか。志をつなぐ道はないのか。活動を受け継ぐ人たちの願いは強い。

 河北春秋 河北新報 2010年5月8日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「ならぬことはならぬ」という会津の精神を貫いた根っからの役者だった・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「のっぺりした二枚目より、犯罪者役の方がよっぽど面白い」。冷徹な悪役を得意とした俳優の佐藤慶さんはそう語っていた。自分で悪役を演じていると思ったことはないという

 「主役から見れば悪役かもしれないが、人間にはいろんな生き方や側面がある。人間とは何かという深い部分を追究するのが映画の面白さだから」。特に共感できる役が多かったのが大島渚監督との仕事だった  

 1960年の「青春残酷物語」への出演を皮切りに「日本の夜と霧」「儀式」など大島作品に欠かせない存在となり、強烈な存在感を示し続ける。本人が最も印象深いと話す「白昼の通り魔」の暴行犯役では、人間の本質を鋭くえぐり出した

 会津若松市出身で、市役所職員時代に新劇研究会を結成。福島県のコンクールで優勝したが、市長を招いた凱旋(がいせん)公演で無断欠勤がばれて免職される。上京して俳優生活を始めた  

 当初アクセントの違いに悩んだものの、活躍の場を着実に広げる。井上ひさしさんの舞台「イーハトーボの劇列車」(80年)やNHKの大河ドラマ「炎立つ」(93年)などの演技も忘れがたい

 佐藤さんが81歳で亡くなった。筋が通らないことに一切妥協せず「ノー人間」と言われた。「ならぬことはならぬ」という会津の精神を貫いた根っからの役者だった。

 河北春秋 河北新報 2010年5月7日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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初代高橋竹山「津軽三味線」自分の音楽を創造するため古里の風土・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 どんな曲でも同じ弾き方を繰り返せば客は喜ばない。常に新しい方向を開拓しないといけない。独創性が高く評価される津軽三味線は、奏者たちのそんな気概によって発展してきた

 歌の伴奏にすぎなかったのが前弾き(前奏)で腕を競うようになり、1950年代に独奏が始まる。その存在を世に知らしめたのが初代高橋竹山さんだった。史上初の津軽三味線独奏レコードを発売したのが63年  

 「津軽には独奏曲がある。三味線にも別な弾き方があるのだと知ってもらうためにやってきた」。竹山さんは98年に亡くなる前、こう語っていた。変幻自在な演奏はファンの度肝を抜いた

 歌の旋律に独自の奏法で装飾を加える。一の糸(最低音弦)もあまり強く弾かないため優しく繊細な響きを持つ。「たたき三味線」に対し「弾き三味線」と言われた。何より音色に人生の重みを感じさせる  

 東京に出るよう度々勧められたが断った。「汚い空気を吸って何ができるか。津軽の言葉から離れたら演奏に工夫はできない」。自分の音楽を創造するため古里の風土が不可欠だと知っていた

 今年は竹山さん生誕100年。青森県内では記念演奏会や多彩な催しが開かれる。新CDが発売され、東京や京都で足跡を振り返る劇も上演される。芸の神髄にあらためて触れてみたい。

 河北春秋 河北新報 2010年5月5日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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連休もにぎわう山々の風景、礎を築いた先駆者たちの奮闘にも勇気づけられる・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈には地球上に14座しかない標高8000m超の峰が集まる。誰もがあこがれる、空に一番近い場所だ

 女性で初めて8000m峰の登頂を果たしたのは、日本の女性登山隊(黒石恒隊長ら13人)だった。登った山はマナスル、1974年5月4日のことだ。黒石さんは「女性にも可能性があるという希望を伝えられた」と話した  

 翌年には田部井淳子さん(70)=福島県三春町出身=らが世界最高峰エベレストへの女性初登頂を成し遂げる。登山界では、日本女性の活躍が目覚ましい。そこに至る礎を築いた先駆者たちの奮闘にも勇気づけられる

 「日本の女性が山へ登るについては四つの難関があった」。女性登山家の草分けとして戦前から活躍した坂倉登喜子さん(1910―2008年)が書いている(『日本女性登山史』)  

 四つとは、女人禁制のおきて、女だてらにという差別意識、社会的・経済的地位の低さ、体力的ハンディキャップ。服や装備もない中、工夫を重ねた草創期の歴史を振り返る

 先日、韓国の呉銀善さん(44)が女性で初めて8000m峰14座を制覇したという。女性たちはさらに記録の高みを目指す。愛好者の底辺も広がった。この連休もにぎわう山々の風景に、道を切り開いてきた人々の強靱(きょうじん)な歩みを思う。

 河北春秋 河北新報 2010年5月4日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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守らなきゃいけないものがある。海や山や絆・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 井上ひさしさんは生前、東北の寒村が独立を宣言する奇想天外な物語『吉里吉里人』の執筆動機をこう語った。「憲法と農業を大事にする国があったなら、と想像してみたのです」

 小説に触発されて、吉里吉里という地名を持つ岩手県大槌町はかつて「吉里吉里国」の独立を宣言。ミニ独立国ブームのきっかけをつくった。古里に誇りを持ち、あるがままの姿を外へ発信していこうという発想だった  

 先日、大槌町の「ひょうたん島まつり」に行ってきた。どこにでもあるような豊漁祭。漁港に集まって、飲んで歌って、踊って騒いで。日はやがて山に沈み、宴もお開きに

 なぜかゆったりした時間が流れた。目の前に浮かぶひょうたん形の蓬莱(ほうらい)島は何とも絶景。井上さんが共同台本を書いたNHKの人形劇風に言えば、どこからか漂流してきて、ひょっこり現れたみたい

 地元商工会の職員が話してくれた。「ここは何もないが、守らなきゃいけないものがある。海や山や絆(きずな)だな」。北上山地の雪解け水が大地を潤し、住まう人々に多大な恵みをもたらしている

 きょうは憲法記念日。蓬莱島は決して漂流せず、今夜も明夜も、ちょこんと屹立(きつりつ)する灯台が行き交う船を導く。国にとって大切なものは何か。静かに思いを巡らせば、大槌の人たちの笑顔が浮かんでくる。

 河北春秋 河北新報 2010年5月3日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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チンパンジーが精神文化、弔いの起源解明にもつながるかもしれない・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 19世紀の英国の歴史家トーマス・カーライルは「人間は道具を使う動物だ」と言った。今では霊長類や一部の鳥も使うことが分かっている。特に進んでいるのはチンパンジーだ

 木の枝の葉を取り除き、先端をかんで鋭くした〝やり〟で小動物を突き刺して捕獲することが知られている。狩りの道具を作るぐらいだから、石でヤシの実を割って食べることなど朝飯前  

 そんなチンパンジーが精神文化を持っている可能性を示す研究結果を、京都大霊長類研究所などの国際チームが発表した。西アフリカのギアナで、複数の雌がシんだ子どもを弔うような行動をしたという

 高齢の母親は病シした子を背負って68日間過ごした。ミイラ化した子の毛づくろいをし、ハエを追った。別の若い母親は19日間抱えていたという。チームは「シを悼む文化が群れに継承されている」と見る  

 チンパンジーには「子ゴロし」という極めて特異な習性もある。雄が集団でほかの群れの赤ん坊を襲い、コロしてしまう。残ギャクな行為の理由は明らかになっていないが、弔い同様、進化に関係するのだろうか

 今回の行動の背景には子への断ち切れぬ愛情があるのだろう。チームはこの成果が「シ生観を霊長類で研究する第一歩になる」と期待する。人間の弔いの起源解明にもつながるかもしれない。

 河北春秋 河北新報 2010年5月2日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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「口先ばかりではらわたはなし」政治勘も持ち合わせているのか怪しい・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 理科系の研究者には「感性豊かな透視能力」が必要だ。溶接工学の権威で文化勲章を受章した荒田吉明大阪大名誉教授がそんなエッセーを書いている

 研究の登山道をこのまま登り続けていいのか。山道は行き止まりなのか、視野が開けるのか。早々に見切りを付けて別の山に替えるか。決断には鋭敏な洞察力が必要だ。それが荒田さんの言う透視能力  

 工学の場合、実用化の可能性も問われるから厳しい。産業の役に立たぬ研究は価値が低い。百年先に実用化できるだろうといった悠長さは許されまい。それもこれも含めて、なるほど透視能力か

 鳩山首相は政治家になる前は工学系の研究者。当然、その種の能力は身に付いているかと思えば…。こう言えばああなるといった程度の初歩的な政治勘も持ち合わせているのか怪しい  

 現実性の高い対案も不明なまま、普天間基地移設問題では「最低でも県外」と大見えを切ってこの迷走、自縄自縛。結果、スキーの滑降競技のように支持率はみるみる落ちて、危機的な20%だ

 江戸っ子をこいのぼりに掛けて「口先ばかりではらわたはなし」と詠んだ戯れ歌がある。今日から5月。基地移設で自ら切った解決期限の月だ。現行案の微修正で決着に持ち込みたい気配も見えて、風がない日の吹き流しと鳩山さんが重なる。

 河北春秋 河北新報 2010年5月1日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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日本で最初の公共図書館「青柳文庫」ページを開いた大きな本が立っている・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 仙台市青葉区一番町の高層ビル前。歩道の端に、ページを開いた大きな本が立っている。もちろん本物の本ではなく、顕彰碑だ。「青柳文庫跡地」と刻まれている

 藩制時代、ここにあった青柳文庫が日本で最初の公共図書館とされているのをご存じだろうか。仙台藩出身で江戸で財を成した青柳文蔵が、その蔵書と文庫運営の資金を藩に献上し、1831年に創設された  

 文庫は武士、町人の別なく誰にでも公平に開放され、藩は事務方2人を置いて運営に当たったという。実に先見的だ。蔵書は今、宮城県図書館などに受け継がれている

 「少年時代の自分のように、学問への志を抱きながら達成できずにいる人々に読んでほしい」。青柳の人づくりの精神は現代の図書館にも通じるものだ。さて、180年後の図書館はどれほど充実しただろうか  

 「数がまだまだ足りない」「もっと身近な存在に」「どんな小さな町や村にもあるべきだ」。日本の図書館のヒン困を憂える声は少なくない。職員の専門性も求められている。情報技術社会に応じた変革も必要だ

 地域の情報が集まり、人が活発に交流する場のぬくもりも欲しい。地域ごとの個性を生かした図書館が増えていく、そんな将来像を描きたい。きょうは図書館記念日。図書館法の施行からちょうど60年になる。

 河北春秋 河北新報 2010年4月30日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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将来を見越した科学の知恵「もんじゅ」安全性、経済性に課題がある高速増殖炉・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 大乗仏教の『維摩(ゆいま)経』にこんな記述がある。釈迦(しゃか)が賢者の維摩居士の病気見舞いに弟子をやろうとしたが、問答では到底かなわないと誰も応じない。そこで文殊菩薩(ぼさつ)が出向き、対等に渡り合った

 知恵をつかさどる菩薩の面目を施す挿話だ。その菩薩にあやかったにしてはやや心もとない施設が、約14年半ぶりに動きだす。日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)  

 1995年にナトリウム漏れ事故を起こして以来、運転を停止している。運転再開に向けた国の手続きが終了し、福井県知事がきのう、再開を正式に了承した。来月上旬にも運転が始まる

 高速増殖炉は消費した核燃料より多くの燃料を生み出す。資源の有効活用が期待できるものの、燃えやすいナトリウムを冷却剤に使い、高速の中性子でプルトニウム燃料を核分裂させるため、技術的に難しい  

 もんじゅで10年ほど研究し、より大規模な実証炉を経て2050年までの実用化を目指すのが国の計画だ。しかし、大半の国は安全性、経済性に課題がある高速増殖炉の開発から既に撤退した

 プルトニウムを増やすのでなく、核不拡散のためにも効率的に燃やす研究が世界の潮流だ。40年後には原発をめぐる状況はさらに変わるだろう。将来を見越した科学の知恵が欲しい。

 河北春秋 河北新報 2010年4月29日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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ゴールデンウイーク(GW)の過ごし方にも格差が広がって・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 「ゴールデンウイーク」という言葉は、そもそも映画界の宣伝用語として生まれた。1951年のことだ。そのいきさつは、作家の小林信彦さんのエッセー集『物情騒然。』に詳しい

 その年の5月5日、松竹と大映が競作した映画が同時に封切られた。獅子文六原作の『自由学校』である。これが正月やお盆映画を超える大ヒット。当時の大映専務が映画活性化を狙って作った用語だという  

 50年代といえば、まだ週休2日制も振り替え休日もなかった。5月4日のみどりの日もなかった。それでも、輝かしい「ゴールデンウイーク(GW)」の表現はその後、ほかの業界にも広まり定着した

 ことしも、あすからGWだ。曜日の並びが良く、遠出する人が増えそうだという。思い起こせば、昨年のきょうは政府が新型インフルエンザ発生を宣言した。GWは海外旅行どころではなかった  

 ちょっとぜいたくに遠く長く―が復活する一方で、節約志向も変わらず根強い。GWの過ごし方にも格差が広がっていそうだ。働き方が多様化し、満足に休みを取れない人だって少なくない

 全国を五つに分け、春と秋に時期をずらして順番に5連休を取る。国が検討中の休暇分散案には賛否さまざまだ。GWに限らず、まずは誰もが平等に休める環境、意識の土台が要るだろう。

 河北春秋 河北新報 2010年4月28日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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日本民俗学の発祥の記念塔「遠野物語」発刊から今年で100年・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 明治時代の末、国内は怪談ブームに沸いていた。文壇や画壇も席巻。作家の泉鏡花らが度々怪談会を開いた。そんな時代の流れが、怪談好きの2人の男を引き合わせる

 後に日本民俗学を確立することになる柳田国男と、遠野市出身の学生で作家としても活動を始めていた佐々木喜善。この出会いが『遠野物語』誕生のきっかけとなった  

 普段は物静かな喜善だが、遠野のお化け話となると身ぶり手ぶりを交えて熱く語った。「話上手にはあらざれども誠実なる人なり」「自分もまた一字一句をも加減せず感じたるままを書きたり」。柳田は物語の序文にこう書く

 喜善が語ったのは遠野で当時、現在進行形で語られていた「事実」だった。誤解されることが多いが昔話ではない。喜善は遠野のスキャンダルを暴露したとして、地元で白い目で見られたこともあった  

 文学作品としての遠野物語を世に広めたのは三島由紀夫だ。「日本民俗学の発祥の記念塔ともいうべき名高い名著であるが、私は長年これを文学として読んできた」と1970年に書いた

 遠野物語発刊から今年で100年。物語を生かしたまちづくりや市民による研究が行われ、喜善の再評価も進む。市を挙げたイベントが既に始まり、6月には「記念祭」が開かれる。新たなブームを呼びそうな勢いだ。

 河北春秋 河北新報 2010年4月27日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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夜空に赤く輝く火星「テラフォーミング」が現実味を帯びてくるような事態だけは・・・ 河北春秋 八葉蓮華

 テラフォーミング。聞き慣れない言葉だが、ほかの惑星を地球に似た環境に変えて、人類が住めるような星にするという構想だ。地球のすぐ外側を回る火星が、その有力候補に挙がっているという

 オバマ米大統領が新しい宇宙政策を発表した。2030年代中ごろまでに火星の軌道に人を送り、その後に火星に着陸するという目標を掲げる  

 次世代ロケットの開発、膨大なコストの問題だけでなく、往復に1年はかかるとみられる長期間飛行への対策も難題だ。「203X年火星への旅」が実現するまでには紆余(うよ)曲折が予想される

 夜空に赤く輝く火星。希薄ながらも大気が存在し、地下には大量の氷が埋もれる。太陽系の惑星の中では環境が最も地球に近いが、テラフォーミングも研究の域をなかなか出ないだろう  

 国立天文台長を務めた海部宣男さんは昨年、仙台で開かれた講演会で火星の表面に川や海の跡が見られることを指摘し、「30億年前まで第二の地球だった可能性がある」と解説していた

 火星人との遭遇はSFとして楽しめ、〝第二の地球〟への有人飛行はロマンをかきたてる。だが、足元の地球はどうなっているのか。人類が深刻な危機に直面して追い込まれ、テラフォーミングが現実味を帯びてくるような最悪の事態だけは何としても避けたい。

 河北春秋 河北新報 2010年4月26日  創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

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